Fumikoの楽しいガーデニング

Lesson 12
カラースキームと、植物の持つヒーリングパワー

いよいよレッスンも最終回となりました。
中にはちょっと難しい話もでてきたかもしれませんね。たくさんのとこをお伝えしたくて、ついつい長くなり、読みづらかったこともあるでしょう。でも最後までお付き合いいただいてありがとうございました。お伝えしたいことを確認するために勉強し直したりすることで、お蔭様でかえって私のためになったような気がします。これからも、おなじ植物を愛する仲間として皆さんと一緒に日本の美しい景色を、庭という場所からつくっていきたいと思っています。


色をテーマにした庭づくり

写真私たちの周りにあるどんなものにも色があって、その色が気づかないうちに私たちの心や感情に影響を与えています。
色をテーマにした庭作りは具体的で、楽しい作業ですね。その場合、植物で演出する方法とストラクチャー(構造物)で演出する方法があると思いますがここでは植物で演出することにスポットを当ててお話します。色の話も深くて、簡単には説明しにくいのですが、さわりだけお知らせしていきましょう。ただ、色をテーマとして決めれば植物選びはより簡単になるような気がします。欲しいイメージを想像してみましょう。どんな色がお好きですか?漠然としたイメージをはっきりさせて、それを庭に活かして見ましょう。


1.反対色と類似色−補色はお互いを引き立てあう

物に光が当たって、反射した光や、また物を透した光が私たちの目に入るとき、「色」として認識します。 写真や印刷物でそれを表すときは三原色の「赤、青、黄」を使います。
カラーサークル(色相環) カラーサークル(色相環)を見てみましょう。色はこんな風に一巡して環のようになります。輪の中で、反対側にある色相を反対色、両隣にある色を類似色といいます。例えば図で1番の黄色の反対色は、6〜8番で、7番を補色といいます。これはお互いを引き立て合う関係です。ちなみに1番の類似色というと2番と12番ですね。よく言う同系色という場合は同じ色を基本とし、明るさや鮮やかさだけ変化した色同士のことです。植物の花色を考えるときにもこれ役に立ちます。類似色でまとめる、または反対色でお互いを引き立てる、という具合で、どちらでまとめても素敵に仕上がるはず。ただ、反対色の場合は、3:7とするなど、どちらかの分量を多くするほうが落ち着きます。同量だと色同士がケンカになってしまうみたいです。


2.トーンを考えて自分のイメージしている色を集める

上のカラーサークルは基本ですけれど、それぞれの色にはグラデーション(淡くて白に近い色から濃い色まで)がありますね。同じ色でも限りないその系統の色の程度をトーンといいます。くっきりと強い色、明るい色、浅い色、鈍く弱い色、濃い色、暗い色など同じ色でもトーンの違いでイメージはまったく変わります。

例えば・・・
カジュアルなイメージ:
輝き、明るく元気 → 鮮やか色、明るい色、強い色
ゴージャス:
あでやか、華麗 → 深い色、ダークな色、強い色で。
クラッシック:
格調高さ、重厚、風格 → 鈍くてダークな色、グレーがかった色
エレガント:
優美さ → 明るい色合いに明るいグレーがかった色
ロマンティック・キュート:
メルヘン、優しさ、柔らかさ → ペールカラー、淡くて明るい色
モダン:
ハイセンスでクール、シャープなイメージ → 鮮やかさとダークな色の組み合わせ
ナチュラル:
穏やかさ、素朴さ暖かさ → 淡く、明るい色
といった具合です。
写真
ゴージャス
写真
ナチュラル
欲しいイメージとそれに似合う色のトーンを考えて見ましょう。


3.カラーをテーマにした庭(植物編)・色の扱い方

写真花色で合わせるとき、ある場所に何種類かの色を入れようと決めたら、好みの色をまず1色選びます。基本はその花色とグリーン。コンテナなどなら1種1色が意外ときれいですよ。でも花壇だと何種類もの植物を合わせることになるわけで、そのときに花色を統一するとカラーをテーマにしたガーデンとなります。ホワイトガーデン、レッドガーデン、ブルーガーデンなど同系色でまとめるもの。インパクトのある庭になります。例えばピンクがお好きなら何種類かのピンクを合わせてみます。濃さや明るさが違っても、同じ系統の色でまとめてあるので品よく仕上がります。 応用編は類似色。選択の範囲が広がりますし深い感じを出すことも出来るかもしれません。
写真または反対色でコントラストを出すのも効果的。黄色と紫のような関係ですね。引き立てあって素敵になります。


4.草丈を考えて立体的に

写真お花屋さんなどで買うときはたいていの場合苗ですね。ひとつかふたつ花が咲いているかもしれませんがまだ小さなビニールポットに入っていたりします。 お花を買うと、名札がついていて、花の時期や草丈、広がり、育て方などが書いてありますから、植える場所の条件に会うもの同士を選ぶことも大切です。 そして草丈や広がりがどうなるのかということを知った上で、レイアウトします。 ボーダーガーデンなどでは後方に大型の植物を入れ、手前に来るに従って草丈の低いものをレイアウトします。大型の多年草などを入れると高さが出て、庭に構造物が無くても立体的な花壇となりますよ。冬の今は春からの花壇を計画するのにちょうどいい時期です。 植えるときには数ヵ月後の広がりを考えて。ついついたくさん入れてしまいがちですけれど、植物って育つもの。はじめは寂しいくらいから始めます。 そして広がり成長する花壇を待つわけで、この変化も楽しみのうちというわけです。


5.植物が持つヒーリングパワー

一輪の花から元気をもらったことはありませんか? それって、あながち気分だけのものでもなくて、植物たちには人を癒すパワーがあるんですよ! もともと地球という環境の一部として生まれた私たちは、周りの自然環境から知らず知らず影響を受けています。 身近に自然があると知っているだけで、実際に風景が見えなくても心は安らぐのだそうです。 庭を作るというのも、自らを自然の中に置きたいという人間の心の働きから来ているのかもしれませんね。 植物とかかわることで私たちは視覚や聴覚、触覚、嗅覚、そして味覚という五感に刺激を受けることができます。適度なガーデニングの作業をすることで適度な疲労とともにベッドに入れば体内時計のリズムも保てるし、欧米では園芸療法が実際の病院や老人ホームなどで行われ、効果が確認されています。植物の花色が心や体に与えるヒーリング効果をほんの少しだけご紹介しましょう。

赤い花:
血行を良くして体を温めてくれる。元気が沸いてくる色
オレンジ・黄色の花:
消化吸収を良くする。やる気が出てくる色
ピンク色の花:
優しい気持ちを呼び覚ます愛の色
ブルー、紫色の花:
目や神経の疲れ、高血圧の予防に。癒しの色
白い花:
鎮静効果。心の目を清める色

写真植物によってはそれぞれに薬効があるものも多くありますが、眺めたり香りをかいだりするだけでも効果は得られます。元気がないとき、生命力が減少していると感じるとき、赤いバラをお部屋に飾ってみてください。バラには強壮作用があるだけでなくホルモンのバランスを整えてくれる働きがあるので、女性にはぴったり。 赤い色は元気をくれますよ。わたしなどは、元気がないとき、意識して何か赤いものを身につけたりしています。

このように植物は常に私たちに気を送ってくれていますが、実は私たちも同時に自分の気を植物に送っているわけで、つまりは気を交換する関係なのです。 植物は何も言わずに癒しのパワーを送ってくれています。 私たちからも、愛の気を送り返しましょう。 植物はそれを受け取って、ますます美しく咲いてあなたの愛にこたえてくれることでしょう。
レッスン内容
Fumikoからのメッセージ
Lesson 1
ツール(道具)
Lesson 2
土のはなし
Lesson 3
水のはなし
Lesson 4
花柄つみと施肥について
Lesson 5
剪定、切り戻し
Lesson 6
雑草のはなし
Lesson 7
なめくじや病害虫と自然農薬
Lesson 8
元気な植物を育てる(コンパニオンプランティング)
Lesson 9
土中の水分とマルチング
Lesson 10
コンテナとハンギングバスケット
Lesson 11
スタイルとテーマ
Lesson 12
カラースキームと、植物の持つヒーリングパワー


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