ガーデナー訪問記
第4回 古川広美 さん (富山県中新川郡・PN 一耕さん)
みなさんこんにちは。ガーデニングコンテスト事務局です。今回は、富山県の古川広美さん宅を訪問します。

富山といえば立山連峰と日本海。山々から流れ出たきれいな水が、いくつもの川となって富山の街をうるおします。四季それぞれに美しい大自然を身近に感じられるところとして有名です。古川さんの庭も、四季の変化が楽しめる庭なんでしょうか。それでは初夏の古川邸におじゃましましょう。

サービスいっぱいで迎える「玄関前ガーデン」
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郊外にある古川さんのお宅は、敷地の中央に家が建って四方をお庭が取り囲むような格好です。これは「屋根に積もった雪が落ちた時に隣家にご迷惑を掛けないよう」という配慮をされた結果とのこと。すごい。雪国・富山の知恵ですね。

そういった経緯もあり、前・後・左・右の4つに分けられた庭。メインとなるのはやっぱり家の前(西側)です。『花も庭もとにかく手作りする』のが信条の古川さん。道路から見ると、まずナナメ差しのストーンレンガから始まり、一つ一つ手で敷いていったレンガサークルが広がります。玄関へのアプローチステップ両脇には季節の花が植えられたテラコッタ鉢が並び、DIYerのご主人力作のパーゴラアーチをくぐって玄関へ・・・というもうサービス精神いっぱいの庭。

駐車場との境目や、冬の灯油用のオイルタンクはシックブラウンに塗られたラティスで覆うなどの工夫も、目に飛び込んでくる「庭の一体感」を高めています。ここまで見ただけでも、古川さんが相当のこだわり屋さんだとわかりますね。

注目したい数々のこだわり
・レンガサークル
デザインから施工、芝張りまですべて手作り。正面にどんと敷かれたレンガサークルは古川邸のシンボルです。
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・パーゴラアーチ
もともとは1本だったアーチも、藤棚が成長するのにともなってツインアーチになりました。木材を購入して組み立てたあとは塗装もDIYしたという力作です。
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・こんなところにも・・・
アプローチの段差にできた、ちょっとしたすき間。殺風景な土を見せるのではなく、こんもりとシラサギゴケを植えています。うーん細かい。
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北の庭は「白い庭」
家の北側(正面から見て左側)のテーマはずばり「白い庭」。明るくバラエティに富んだ正面の庭とはうって変わって静かな雰囲気。「白い花が大好き」な古川さんが、お店から友人から街路樹から(!?)あの手この手で集めたコレクションが展開されています。グリーンの濃淡の中に優しく咲く白い花。統一された色調の美しさを素直に感じます。

『特に美しいのが春。紫のアジュガとシラサギゴケが満開となる頃は この北側の庭の小道が最高に映えるんですよ。』と古川さんもお気に入りです。
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「バラ咲く庭」は東側に
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建物に沿って次は東に回ってみましょう。他の3方に比べて面積こそ小さいものの、ちゃんと手入れされた庭には鮮やかな真っ赤なバラがたくさん咲いています。バラは病害虫対策の管理が大変ですが、古川さんはタイムを一緒に植え込むことで害虫対策にしていましいた。香りの強いハーブを花や野菜と一緒に植える「コンパニオンプランツ」の考え方です。

東側は「家の裏」にあたり、そのまま畑に続いています。

「純和風テイスト」南側の庭
最後は南側。ここは和風の庭になっています。飛石のまわりをリシマキアがすき間なく覆い、背の低い草花から屋根より高い庭木まで植え込まれています。言わば「中庭」にあたる南側は初夏のこの時期、緑でいっぱいでした。 写真

古川さんは4つの庭のコンダクター
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4つに分けられた庭にテーマを設け、上手に手入れしている古川さん。さぞかしベテランなのではと思いきや、ガーデニング歴は5年ほどだそうです。それまでは庭仕事はどちらかというとあまり興味がなかったとか。

「5年前に自宅を増築した際に、花を一つ庭に入れたんです。それだけでも庭全体が美しく引き立って。」そのうれしさから、古川さんの本格的なガーデニングが始まりました。

もともと花好きなうえにDIYerであるご主人の影響も相乗効果で、今ではご夫婦二人三脚でガーデニングを楽しむ生活です。ペンネームの「一耕」(一から耕す)も、種を入手するところから始める古川流ガーデニングにピッタリの名前だと思いませんか?

(2003.6.12)




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