ガーデンデザインレッスン
作品タイトル「皐月の朝の庭」
写真 スチュアート アクステル

良いデザインの日本庭園にも、慎重に場所を選んで据えられたフォーカルポイントがあります。それらは石だったり、樹木だったり、子の庭の奥にある燈篭だったりします。写真を見ると、手前の石から、奥にあるメインのフォーカルポイントである燈篭へと自然に視線が移ると思います。こうしたフォーカルポイントがないとしたら、何か物足りない感じ、または不完全な感じがするのではないでしょうか。こうしたことからフォーカルポイントの大切さがわかりますね。

(スチュアート アクステル)

『皐月の朝の庭』/富山県・wolf さん

コメント
伸び放題であったツツジの枝を丸い形になるように剪定し、形を整えた。赤土がむきだしだった地面に、少しづつ田植えの様に杉苔を植えて行き約10年かけて、ようやく庭全体をうめつくすまでに至った。ツヅジは、花が終わり、新芽が出る初夏と、秋の2回1人で剪定するのだが、数が多すぎて、全てが刈り終わる頃には、最初に刈った所から新たに芽が出て来てしまう。杉苔は、夏場になるとほぼ枯れない様に散水する。全てに行き届かせるのに、どうしても1時間以上はかかってしまう。庭を掃き清め、水をまくと苔の葉が一斉に開き緑のじゅうたんとかす。そして、葉の水滴に光が当り輝く様子を見ると、世話の大変さも忘れさせてくれる。