ガーデナー訪問記
第7回 後閑八重子 さん (山形県西置賜郡・PN 星はるか さん)
古くなった家を新しく作り直す「リフォーム」が流行っていますが、これをDIYでやってしまったのが今回紹介する山形県の後閑さん。
リフォームついでに庭もきれいに整え、応募した作品が見事に「第3回ガーデニングコンテスト」のグランプリに選ばれました。
試行錯誤で通路も美しく変身
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「星はるか」さんこと後閑八重子さんが、しばらく離れていた実家にお母さんの介護のために戻ってきたのが5年ほど前。それまで思うように手入れできなかったこともあり、当時の家の庭はずいぶん荒れていたそうです。

そんな庭を「なんとかきれいに整えたい」と奮起したのがガーデニング道のきっかけでした。ご主人の和洋さんは埼玉県から山形まで、高速道路を飛ばして週末に帰ってくるという忙しい日々の中、“後閑邸・庭のリメイク計画”がスタートしました。

まず玄関から家に沿って裏手へと続く通路から取り掛かります。石と土で荒れていた通路を平らにし、そこに化粧砂利を敷きました。これだけなのに、歩きにくかった通路は人が通りやすい“小道”へと変わったようです。

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ところが砂利を敷いただけでは、人が歩くことで蹴飛ばされてしまいます。八重子さんが次に考えたのは木で道を縁取ること。砂利が飛び散らないようにガードレールを作るというものですが、真っ直ぐな木材を使うと美しいカーブを描く小道になりません。

そこで次に考えたのが、レンガ。縁石のようにレンガを並べていき、試行錯誤を繰り返してできたのが“レンガのアプローチ”。赤、茶、白の3色をミックスした化粧砂利にレンガが品よく並び、ゆるやかにくねらせたラインが奥行き感を出しています。飛石がわりに配したWサイズのレンガも、歩きやすさと見た目のバランスを両立するのに一役買っています。

冬はアプローチの上に積もった雪をスコップで除雪すると、砂利もくっついて取れてしまうので、冬は砂利の上にワラを織った「こも」を敷きます。こうすればせっかく敷いた砂利も無駄になりません。雪国・山形ならではの生活の知恵もうかがえます。

注目!レンガを支えるGoodアイデア
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縁取るレンガは基礎から本格的に施工したわけではないこともあり、作った当初は雨が降ると不安定になって人が乗ると倒れてしまっていたそうです。和洋さんのアイデアでレンガを外側から押さえるためにクギを立て、この問題も無事に解決。地味な道具を使った目立たないものですが、なかなかの技術です。ご夫妻二人三脚のDIY作品はこうして完成度を高めていったのです。

この他にもキッチンの内装をグリーンに塗り直したり、居間の壁紙を貼ったりと、週末DIYはノンストップ。2階建ての家の外装も、白ペンキを大量に買ってきて2人で塗り替えたというから驚きです。

バランスのとれたバスケットがいっぱい
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花が一番豊富なのは玄関前。ピンクのペチュニアやオレンジのナスタチュームなど、赤・黄色系の色鮮やかな花々がハンギングバスケットに咲きそろいます。色の取り合わせも良く、訪れる人は思わずのぞき込んでしまいそうです。花にはそれほど興味の無かったという和洋さんも、今では一緒にコンテナに挑戦されるとか。

「次は車庫から道路へ続く部分を手がけたい」
こう話す後閑さんご夫妻は、次のリメイク構想を練っている最中でした。

山形県長井市のあやめ祭り
後閑さんに勧められて、近くの山形県長井市にある「あやめ公園」を訪れました。地元でも有名なこの公園、500種100万本もあるというあやめの花がまさに見頃でした。訪れた日はちょうど雨。しっとりと濡れた白と薄紫のやさしい花が一面に広がる光景は心を落ち着かせてくれます。

(03/7/19)
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