Fumikoの季節の植物たち
2005/12
一年ずつの区切りがあるからこそ、心を新たにして一年一年を大切に過ごすことができます。始まりがあれば終わりがありますが、新たな出会いをするために一度サヨナラすることも人生の中ではあるわけです。2年間お付き合いいただいてありがとうございました。またお会いする機会を楽しみに。元気な一年をお過ごしくださいね。新たなスタートにふさわしい新春の花を2点ご紹介します。


ソシンロウバイ(素心蝋梅)(Chimonanthus praecox form concolor)
画像場所にもよりますが新春になって初めて花を咲かせるのがこの花。名前のとおり蝋細工のように透明感のある黄色い、香りのよい花を咲かせるこの植物は、ロウバイ科ロウバイ属の落葉低木。通常のロウバイは、内側の花弁が小型で暗紫色をしていますが、このソシンロウバイは外側の大きな花弁も、内側の花弁も黄色です。17世紀に中国から渡って来たもので、別名の「カラウメ」は唐から来たウメの意味です。冬に咲くこの花は葉に先駆けて咲きますが、雄しべは、初めは放射状に開いているのに、後になると中心の花柱に密着します。 他の株からの花粉をまずは期待し、そのあとで自分の雄しべを、雌しべに着けて受精するわけで、虫の少ないこの季節に確実に受精するための工夫かもしれません。自然界ってすごいですね。日当たりが好きですが、西日は嫌います。厳しい寒さの中で、透明な美しさと気高い香りとともに凛と咲くこの花に出会うたびに、不平を言わずにひたすら生きる植物の偉さを思い知らされる気がします。私も見習わなくっちゃ。


キルタンサス・マッケニー (Cyrtanthus mackenii Hook.f.’Rosea’.)
画像ヒガンバナ科の常緑小球根で、南アフリカに50種弱あるうちのひとつ。キルタンサスは、ギリシャ語のキルトス(kyrtos・曲がった)とアントス(anthos・花)という言葉から来ていて、その名の通りに、うすピンク色の花は少しカーブしています。日本には明治の終わりごろに渡ってきたようです。キルタンサスには落葉のものもありますが、常緑のものは比較的丈夫で日本のモンスーン気候にもよく馴染み、育てやすいようです。ただ半耐寒性なので、冬は東京あたりでも暖房していない室内の日当たりの良い場所で管理したほうがよさそう。花色も白、乳白色から黄色、桃色とあり、種類によって開花期や休眠期も異なります。ドローイングはロゼア。草丈は20〜30cmと小柄ですが、冬のさなかに、長く伸びた花茎の先端に、筒状の優しげな花を10個くらいつけます。植え付けや株分けは春か秋に。球根の頭が土の上からちょっとのぞくくらいに浅く植えます。土の表面が乾いたら、水やりを。葉のない時期は水を控えます。


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