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近所迷惑なのはもちろん、飼い主さんや犬自身もストレスを感じてしまう「ムダ吠え」。
引っ張りグセ同様、まずはムダ吠えの原因を探り、問題の根本から改善していきましょう。 |
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なぜ吠えるの?
犬がほえるのは、自己防衛や意思表示のための本能によるもの。
ムダ吠えをした時は、犬の習性や原因、性格を理解した上で正しく対処してあげましょう。
ムダ吠えとは?
かつて、犬は主に「番犬」として飼われ、吠えることが仕事でした。しかし、今では犬は「家族の一員」であり、吠えることはさほど必要とされなくなりました。そのため、場合によっては犬の吠え声が周囲の迷惑となり、結果として「ムダ吠え」になるのです。
- ■こんな時は要注意!
- ○早朝・深夜に吠える
- ○近所迷惑な場所で吠える
- ○吠え声が大きい
- ○長時間吠え続ける ・・・など
なぜ吠えるの?
犬が吠える理由に実はさまざま。そこで、ムダ吠えによくある原因と対処法をケース別に大紹介!
その時の状況や犬の様子に合わせて、徐々に直していきましょう。
1.人の気を惹こうととして吠える
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- ●原因
- そばにいて欲しい人(主に飼い主さん)の気を惹こうとして吠えます。
- ●例
- 飼い主さんが席を離れた時や電話中などに吠え、自分に注意を向けてもらえるまで吠え続けます。
- ●吠え方&行動
- 「ワン!ワン!(休止)」「ワン!ワン!(休止)」
と人の様子を伺いながら吠えます。
- ●対処法
- 近所迷惑にならないのであれば、犬が静かになるまで相手にしないでおきましょう。しばらくして静かになったら、優しく声をかけてあげましょう。
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2.不安になって吠える
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- ●原因
- 飼い主さんがいないことに不安を感じ吠え、依存度が高い犬に多く見られます。
- ●例
- 飼い主さんの外出時や留守番中など。
- ●吠え方&行動
- 「キュン、キュン」
という鼻鳴きから始まり、次第にドアを引っ掻いたり物をかじったりし始めます。
- ●対処法
- 不安がる犬には、外出はなるべく気づかせないほうが◎。犬にオモチャを与え、犬が夢中になっている間にそっと出るなど工夫しましょう。特に飼い主さんの外出後30分が不安のピークなので、その不安を乗り切れるようなもの(お気に入りのオモチャやおやつなど)を与えておくとベスト。またテレビやラジオなどをつけておくと、普段から聞き慣れた生活音が聞こえるので犬も安心します。
- ●注意
- 不安がっている犬を叱ると、さらに不安を感じて一層吠えてしまうことも。叱って教えるのではなく、外出中の状況に少しずつ慣れさせていきましょう。
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3.退屈で吠える
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- ●原因
- 特定の相手や物に対してではなく、ただ単に時間を持て余している時に吠えます。また、慢性的な運動不足や精神的な刺激不足からストレスを感じて吠える場合もあります。
- ●例
- まわりに誰もいない時や、相手にしてもらえない時など。
- ●吠え方&行動
- 「ワォーン、ワォー、ワォーン・・・」
とひたすら鳴き続け、最後は遠吠えのようになります。また、物をかじる&壊す、穴を掘る、地面を引っ掻くなどの行動も多く見られます。
- ●対処法
- 犬ガムや中からフードが出てくるボールなど、犬が自分で暇をつぶせるものを与えましょう。また、運動&刺激不足によるストレスが原因の場合は、ゲームで遊んだり散歩の時間を長くするなどして、ストレスを発散させてあげましょう。
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4.興奮して吠える
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- ●原因
- 犬が興奮状態になった時に吠えます。
- ●例
- ボール遊びをしている最中や、飼い主さんの帰宅時など。
- ●吠え方&行動
- 「ワンワンワンワンワン!」
と連続して吠え続けます。
- ●対処法
- 飼い主さんの反応に対して吠える場合が多いため、飼い主さん自身が冷たく冷静に対応するよう心がけましょう。また普段から興奮しやすい犬には、ヒーリング音楽などを活用するのも効果的です。
- ●注意
- 楽しそうに吠えている犬の鳴き声は、「ムダ吠え」とはなかなか思えないもの。しかし、周囲には受け入れられにくいのも事実です。思わぬところで迷惑がられないためにも、飼い主さん自身も注意してみましょう。
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5.興奮して吠える(支配的威嚇)
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- ●原因
- 外敵から自分のテリトリーや所有物を守ろうとする時に吠えます。
- ●例
- 訪問客を見て追い払おうとする時や、遊んでいたボールを取られまいとする時など。
- ●吠え方&行動
- 「ゥ~、ワン!ワン!」「ゥゥ~、ワン!」
と低い唸り声から徐々にハッキリとした吠え方にエスカレートし、相手が逃げない場合は攻撃し始めます。
- ●対処法
- 犬がこちらのことを「侵入者」と判断して吠えている場合は、それ以上近づかないようにしましょう。
- ●注意
- 飼い主さんに対して威嚇して吠える場合は、犬が「権勢症候群(自分がリーダーだと思い込んでいる状態)」の可能性があります。まずは、犬にきちんと飼い主さんがリーダーであることを教えましょう。
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6.怖くて吠える
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- ●原因
- 恐怖心を抱いた人や物に対して吠え、臆病な犬によく見られます。
- ●例
- 見慣れない人を見て怖くなった時など。
- ●吠え方&行動
- 「ウォン、ウォン、ウォン」
と甲高い声で吠え、チラチラとこちらを見ながら後ずさりします。
- ●対処法
- まずは耳、背中、尾など犬の体をよく観察します。そこで犬のボディランゲージから「カーミングシグナル(犬が体で表す感情表現)」を読み取り、犬が怖がっているものから距離を取りましょう。また、飼い主さんが間に入って犬の注目を度を下げるのもグッド。
- ●注意
- 不安がっている時と同様、叱るとさらに怖いと感じて吠えてしまうので×。また、あまりの恐怖に犬がパニックを起こして思いもよらない行動に出ることも。犬を刺激しないよう十分配慮し、犬の気持ちを上手にコントロールしてあげましょう。
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カーミングシグナル
犬が体で感情を表すカーミングシグナルは、まさに“犬の言葉”。
普段から犬のしぐさをよく観察し、カーミングシグナルから犬の気持ちを理解してあげましょう。
カーミングシグナルとは・・・
犬のボディーランゲージのひとつで、主に相手をなだめようとしたり、犬自身がストレスを感じた時などにシグナルを出します。
目を細める&シバシバさせる |
あくびをする |
相手に背を向けて座る |
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相手に対して服従していることを
示している。 |
叱られた時などに、相手に対して
「まぁ落ち着いて」となだめている。 |
あくびと同様、相手を
なだめようとしている。 |