錦鯉は飼育容器の大きさと飼育数によって、自ら成長を調整するので、水槽やプラ池など希望の容器で、理想の大きさの錦鯉を健康的に飼育できます。
※水槽サイズと1匹あたりの給餌量が同じ場合、飼育数が多いほど成長が遅くなります。
♦ 60cm水槽例 水槽:60×30×36cm(57L)/上部フィルターと外掛けフィルターの併用/錦鯉:15cm以下を5匹で飼育開始、20~30cmまで成長します。
♦ プラ池例 S90L:100×66×水深30cm(90L)/クリーナー:かじかR(タカラ工業)/錦鯉:20cm以下を6匹で飼育開始、25~35cmまで成長します。御影調の池なので、そのまま設置しても良いですが、木枠で囲ったり、土を掘って埋めたり、設置場所に合わせてアレンジするのもオススメ。
錦鯉も人と同じ様に病気になります。なので病気を持ち込まないように、飼育水に塩を入れる塩水浴をしてから水槽や池に放しましょう。また環境の変化で鯉がショック症状を起こさないように、これから飼育する水と元の水の環境を合わせる水合わせも行います。
①容器(水槽・池)をセットし、水道水を入れ、液体カルキぬきでカルキを抜きます。
0.5%になるように塩を加え(60Lの場合、塩300g)、フィルターを2時間以上動かす。
②容器に錦鯉の入ったビニール袋を1時間程浮かべる。
③袋の中の水を半分捨て、容器の水を袋に加え10分間待つ。この作業を合わせて3回行う。
④錦鯉のみ容器に放つ(袋の水は入れない)。
⑤飛び出さないように網などでフタをして、1日間はエサを与えず、2日目から控えめに与えましょう。
⑥1週間後、容器の水を半分交換しましょう(塩不使用)。
※錦鯉を追加する場合は、飼育容器とは別のタライなどで、3日間塩水浴してから錦鯉を放しましょう。
ろ過槽内で排泄物や残餌は、錦鯉にとって毒性の強いアンモニアに変化し、「ろ過バクテリア」により生物分解されて毒性の弱い硝酸塩に変化します。
排泄物が多い錦鯉を飼育するには、たくさんのろ過バクテリアで有害なアンモニアをいち早く分解することが必要なので、ろ過バクテリアの住み家となるろ過槽を大きくしたり併用したりして強化する必要があります。
ろ過バクテリアが生成した毒性の弱い硝酸塩も、多くなると危険になります。カキガラやサンゴ砂は、この水質の悪化をゆっくりさせる効果があるので絶対に入れましょう。
週に一度、総水量の1/3を目安に、カルキを抜いた新しい水と交換して、有害アンモニアや硝酸塩を排除しましょう。
大切なろ過バクテリアは水道水に含まれるカルキで死んでしまうので、ろ材やマットは水槽の水を入れたバケツの中で軽く洗いましょう。
最初、余裕を感じる錦鯉の大きさ・匹数で飼育し始めるのがコツ。60cm水槽(57L)に15cm以下の錦鯉を5匹飼うと20~30cmに、90cm水槽(157L)に5匹飼うと35~45cmまで成長します。
食べる量は水温や水質などによって変わります。夏場は良く食べて、冬場はほとんど食べなくなります。エサを与えてすぐに食べきる量が基本。最も良く食べる水温約25℃の目安量が下記の表になります。水温約15℃の場合は、この表の半分以下の量にしましょう。水温10℃以下の場合は、全く与えないか、3日に1度ほんの少し与えましょう。
また、水温が変わりやすい時期や水替えをしたときは、体調を崩しやすいので少なめにしましょう。
たくさんの錦鯉を一緒に飼育すると、成長が緩やかになり、ある一定のサイズで成長がほぼとまります。
20L水槽に8cm以下の錦鯉を10匹で飼育開始すると約8~15cmぐらいに、プラ池水蓮(85L)に15cm以下の錦鯉20匹で飼育開始すると約15~20cmぐらいで成長がほぼとまります。6つのコツを守って飼育にTRYしてみましょう。
6つのコツ
緩やかな成長なので、池で飼育している同じサイズの錦鯉と比べて、必要なエネルギー量が少ないです。水温が18℃~30℃の場合、エサの量は下記の表が 目安です。1日1回すべての錦鯉が均等に食べることができるように1度に与えましょう。
過剰な給餌は排泄量の増加や残餌につながり水質悪化をまねきます。
水温18℃以下の場合は表より徐々に減らし、12℃以下の場合は全く与えないか、3~7日に1度、表の半分程度の量を与えましょう。
“鯉の滝登り”で知られるように、大変縁起の良い魚です。そして新潟生まれの国魚“錦鯉”は、近年世界中で飼育されており、なんと 海外でも「ニシキゴイ」と呼ばれています。
【紅白】
白い肌に赤い模様が入っためでたい紅白模様。もっともポピュラーな品種。
【九紋竜】
白地に黒模様で、側面に鱗がない種。竜が黒雲となり天に登る様子から命名。
【黄金】
白地に黒模様で、側面に鱗がない種。竜が黒雲となり天に登る様子から命名。
性格がおだやかで人に慣れやすい錦鯉。新しく錦鯉を加えても、ケンカせず、すぐに仲良くなります。大きさが同じくらいなら、和金やコメットなどフナ尾の金魚と一緒に飼育ができます。また、飼い主を覚えて集まってきて、エサを手から食べることもあります。
錦鯉は周りの環境に合わせて成長する特性をもっています。約10cmの錦鯉を水槽と池でそれぞれ5年間飼育した結果、“水槽飼育で体長15cm”、“池での飼育で体長80cm”ということもあります。だから水槽・睡蓮鉢・池などいろんな飼育環境で、健康的にずっと飼育することができます。
急激な変化がなければ水温5~35℃くらいまで順応できるので、庭でも室内でも飼育できます。さらに一週間程度ならエサを与えなくても元気だから、旅行など留守にする場合でも安心。
【銀鱗紅白】
紅白の鱗が光っている品種。
【大正三色】
白地に赤と黒の模様があるポピュラーな品種。
【昭和三色】
白・赤・黒と大正三色に似ているが、黒が多く豪快な品種。
【浅黄】
上面が薄青く(浅黄色)、下部がオレンジ色。錦鯉の原種。
【秋翠】
浅黄の鱗を減らした品種。背中の鱗の並びが魅力的。
【五色】
上面が薄青い浅黄地に、赤の模様がある品種。
【白写り】
黒地に白色模様の気品がある品種。
【ヒレナガ錦鯉】
背ビレ、尾ビレ、腹ビレが長い品種。
上記以外にも輝黒竜(きこくりゅう)・菊水(きくすい)・孔雀(くじゃく)など魅力的な品種がたくさんいます。 また、「鱗がほとんどない品種」や「金属光沢がある品種」などは、水槽で横から見ると池の上見とは違った魅力があります。
情報提供:株式会社キョーリン