ノミ対策

ノミがもたらす苦痛

いったんノミがつくと、ワンちゃんやネコちゃんの生活が悲惨なものになってしまう場合があります。たった一度ノミが噛んだだけでも、 ノミアレルギーの動物にとってはひどい苦痛となり、つねに皮フをかきむしるという事態さえ起こります。「掻痒」とも呼ばれるこの痒さは、ひどい場合にはかきむしり過ぎて、血が出ることさえあります。 ノミは全世界の様々な動物に寄生しており、健康上の問題を引き起こします。特に温暖な気候の地域で目立ちます。

 

ノミの周期

ノミがペットの体に寄生するのは、ノミの生涯のうち短期間だけです。ノミは卵やさなぎといった段階を経て成虫になります。成虫は比較的殺しやすく、市販の殺虫剤で死にますが、卵やさなぎは非常に抵抗力があります。 ノミの全生涯は卵から幼虫、さらにさなぎ、そして成虫という段階からなります。高温多湿の気候下では14日前後で、極端な気候条件のもとでは、数週間から数か月に及ぶ場合もあります。 ノミの成虫が生きていくには、ペットの血を吸うことが必要です。ノミの跳躍力は驚くべきもので、40cm〜90cmもジャンプします。ノミをヒトの大きさにしたとすると、なんと高層ビルを飛び越える計算になります。

ノミの駆除を行う場合は、どのような方法であろうと、必ずペットとその環境の両方を考えます。 同じく大切なのは、ノミのライフサイクルを絶つようにするとともに、ペットとその環境と同時に対策を実行することです。

 

ノミに噛まれることにより起こるアレルギー

ノミに噛まれると、アレルギー性皮フ炎と呼ばれる症状を引き起こす場合があります。一部のワンちゃんやネコちゃんは、ノミの唾液に対してアレルギーを起こしますので、たった一度ノミに噛まれただけでも、ペットは噛まれた部分を噛んだり、引っ掻いたりすることがあります。この結果、皮フが赤くはれたり、荒れたり、毛が抜けることがあります。わずか1匹か2匹のノミでも、アレルギーのあるペットにつくと、100匹のノミに噛まれたのと同じような反応を起こす場合があります。 ワンちゃんの場合、脂肪酸の比率が適切で(オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の比率が5:1〜10:1)、バランスよくすべての栄養分を備えたフードを与えることが皮フと被毛の健康を保つために重要です。 ノミ退治を始める前に、噛んだり掻きむしったりすることに関して、医学的治療が必要となるかもしれません。重傷のアレルギー性皮フ炎があるペットは、高温多湿でノミの活動が活発になる季節には、獣医さんの治療を断続的に行なわなければならないこともあります。 ただし、そうした治療がノミ退治の代わりになるわけではありません。

 

ノミに関する医療上の問題

■皮フ炎
ノミがついてしまったペットには、"ホットスポット"が見られることがよくあります。これは激しく掻きむしったり、なめたりした結果生じるものです。ただし、ノミとは無関係に、しかもアレルギーのないペットでも"ホットスポット"が見られる場合もあります。

■条虫
ワンちゃんやネコちゃんに寄生する条虫のライフサイクルのなかで、ノミがいなければ両者が結びつくことはありません。しっかりとしたノミ退治をする際、ペットの条虫駆除も並行して行ってください。条虫は体が多数のフシに分かれており、1体の条虫全体が排出されることはあまりありません。便の中に見つかる場合、多数の白い分節に分かれた状態で見つかります。米粒のような形をしている場合もあります。

■貧血
ノミがひどくなると、ペットの体内の血液がかなり奪われることがあります。こうなると他の病気に対する抵抗力も弱まり、ペットは活発でなくなります。

 

迷信

■発酵用酵母を与えると、ノミが付きにくくなるというのは本当ですか?
発酵用酵母を与えると、ノミが付きにくくなるという証拠はありません。

■ニンニクやタマネギを与えると、ノミが付きにくくなるというのは本当ですか?
ニンニクやタマネギを与えるとペットの息が臭くなりますが、ノミ対策にはまったくなりません。もっと深刻な問題として、タマネギをあまりたくさん与えるとワンちゃんやネコちゃんに中毒をおこす可能性があります。

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