トイレのしつけ

トイレのしつけ

しつけの前に

何事にも難しいやり方とやさしいやり方があるのが世の常です。粗相をした場所に子犬の鼻を押しつけてもトイレのしつけはできません。十分に目を光らせ、褒めてやることこそトイレのしつけのやさしいやり方だと言えます。

しつけのスタートに必要なこと

トイレのしつけのスタートは望ましい行動を促すこと。そのために必要なのは次のことです。

  • 屋外にトイレに適した場所を決める。
  • その場所に頻繁にワンちゃんを連れて行って用を足させる。
  • ワンちゃんがこれを守った時は心から褒める。

時々は、ワンちゃんが排泄をすませたらすぐにご褒美の食べ物を与えると、 望ましい場所に排泄するのを励ますことになります。前に行った時の臭いが残っていると、すぐにその場所が分かるでしょう。

タイミングが肝心!

生後6週間〜8週間の子犬は、1時間から3時間おきに外に連れ出します。 これより成長したら、普通はもっと長い時間我慢できるようになります。 一般に、子犬を外に連れ出すのは次の場合です。

  • 朝目覚めた後
  • 昼寝の後
  • 食後
  • 遊んだりトレーニングをした後
  • 子犬だけ残しておいた後
  • 寝かせる直前

排泄の命令

子犬の用がすむまで長い時間待たずにすむように、あなたの言いつけどおり排泄を行うように教えてはどうでしょうか。愛犬が用をたすたびに、たとえば「急げ! 」あるいは「トイレ! 」などと、はっきりした声で一定の命令を繰り返せばよいのです。このトレーニングを数週間続けると、この命令を聞いた愛犬はすぐにその辺の臭いを嗅ぎ回って排泄の準備を始め、用をたすようになるに違いありません。上手くできたらかならずほめてあげましょう。

食事給与スケジュール

子犬は、食後1時間以内に用をたしたくなるのが普通です。子犬の食事給与スケジュールを調整すると、子犬の排泄時間もある程度コントロールできるでしょう。

  • 食後連れだすことができるように子犬の食事時間スケジュールをたてます。
  • 子犬を一室に入れておく時や、外に連れ出してくれるあなたが傍にいない時に愛犬が排泄をしたくなるかもしれないような場合は、その直前に多量の食事を与えないようにします。一日の給与回数は2回から3回にし、きちんと時間を守るようにします。
  • 食事時間を30分間〜40分間と決め、それが過ぎたら片付けます。
  • 一日の最後の食事給与は、寝る場所に入れる数時間前に終わらせるようにします。食事給与スケジュール、運動時間、寝る場所に入れておく時間、それに排泄のため屋外に行く時間を調整すると、子犬はすぐに信頼できる排泄スケジュールをつくり出すにちがいありません。

サークル・トレーニング

トイレのしつけを行う際に、子犬が安心してサークルの中で過ごすことができるようにトレーニングを行なうことがよくあります。子犬がサークルの仲に入る楽しみを作ると、じきに、たいていの子犬は入るのを嫌がらなくなるでしょう。その場所をみて面白いことがあるぞと思わせることが大切なので、サークルの中で子犬と遊んではどうでしょうか。あるいは、子犬がお気に入りのおもちゃをかじってくつろいでいる傍で本を読んだりテレビをみたりするのも良いでしょう。サークルの中に子犬を置き去りにすると、そこは社会と隔離される場所ということになるので、やがて入るのを嫌がるようになるかもしれません。

サークル・トレーニングは食事時間に始めるとよいでしょう。フードの粒を1粒ずつサークルの中に投げ込み、子犬が追いかけて行って食べるようにします。これならトレーニングがゲームになります。

お気に入りのおもちゃを取り上げてサークルの中に置けば、子犬は自分から進んで中に入って遊び出すでしょう。時々はビスケットをサークルの中に隠しておき、これを見つけた子犬を驚かせ、喜ばせるのもいいでしょう 。サークルに入れておく時間は、子犬が排尿や排便を我慢できる時間の範囲内でなければなりません。あなたが毎日長時間外出する場合は、もっと広い場所に入れておくことが必要です。運動用サークルか小部屋を使う方法もあります。

あなたの留守の間に子犬が用をたしたくなった時のために、寝る所とは別にトイレの場所をとれる広さが必要です。子犬がトイレの場所を決めたら、そこに紙を敷いておくと掃除が簡単です。

ミスはつきもの

トレーニングがきちんとされていない子犬は、独りにしておくと粗相をすることが多くなるので、トレーニング中は厳格に指導することが非常に大切です。少なくとも4週間続けて家の中で排泄をしないようになって初めて、トイレのしつけができたとみてよいでしょう。年齢が高いワンちゃんはもっと時間がかかるはずです。きちんとトイレのしつけが身につくようになるまでは以下のようにします。

  • 子犬がいつも自分の目の届く所にいるようにします。
  • ベビーゲートを使うと家の中の子犬の動きをコントロールすることができ、監視にも役立ちます。
  • 監視できない時は子犬をサークルの中に入れます。

家を留守にする時、睡眠をとる時、多忙で動きを注意していられない時は、子犬を家の中の狭い安全な場所に入れておきましょう。

神経性の排尿

子犬があなたの顔を見て挨拶する時に体を伏せておしっこをする場合、服従の失禁と呼ばれる問題行動が起きているのかもしれません。成犬であれ子犬であれ、こういう状態になるのは非常に神経質な ワンちゃんなので、決して叱ってはいけません。罰を与えるのは問題をいっそう深刻にするだけです。
あなたが沈着冷静でいて、挨拶する時に子犬の頭の方に近付かないようにすると、 たいていの幼い子犬はいずれこの行動をしなくなります。あるいは、誰かが挨拶するたびに、静かな声で「おすわり!」と言い、おいしいおやつを与えるのも効果的な方法です。

粗相をした場所に行かないように命令する

家の中でワンちゃんが一度粗相したことのある場所はみな、再びその場所を汚すことがないように臭いを完全に消さなければなりません。

  • 市販されているワンちゃんの消臭専用製品を使います。メーカーの指示する取扱方法に従ってください。
  • カーペットが敷いてある所をおしっこで汚した時は、洗浄液を表面にスプレーするだけでなく、中までしみ込ませます。
  • ワンちゃんが同じ部屋で何回も粗相した場合は、数カ月はその部屋に愛犬を入れないようにします。入れるのは家族が一緒の時だけにします。

問題を深刻にしない

成犬であれ子犬であれ、トイレのしつけをしている時期に粗相をしないワンちゃんなどめったにいません。 やむを得ず起こる問題を処理する心構えはもっていなければなりません。

  • ミスの矯正に厳罰主義は禁物です。厳罰主義は効果がないのが普通で、逆にトレーニングの進歩を遅らせかねません。
  • 軽く驚かせて気をそらせるだけにしましょう。これは、不適切な場所で排泄している現場を押さえたときだけすべきです。
  • 大きい声で「イケナイ」と言う、足でトンと床を鳴らすなど鮮明な音を聞かせるだけで、普通はその行為を止めるでしょう。 音があまり大きすぎると、たとえ屋外でも、あなたがいる所では排泄してはいけないというよう に覚えてしまう恐れがあります。

辛抱強く

ワンちゃんが粗相を止めたら叱言や矯正を止めます。急いで外に連れ出してトイレの場所で用をすまさせ、褒めてあげます。粗相して汚れた場所に決して鼻先を押しつけてはいけません。トレーニングのプラスになることは全くなく、ワンちゃんがあなたを怖がるようにならないとも限りません。


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