Q&A
給与・栄養学について
最も急激に成長するのは、子犬の生涯のうちこの最初の数ヵ月です。免疫機構が発達し、骨格が成長します。 しっかりとした筋肉がついてきます。成長の速度によって、適切な栄養素の配合が必要となります。 以下は子犬の健康と幸福を保つように最適な栄養を与えるための、いくつかの心に留めておくべきポイントです。
ワンちゃんやネコちゃんはいつも同じ食事で飽きないのでしょうか?
ワンちゃんやネコちゃんはいつも同じ食事で飽きないのでしょうか? 同じ食事では飽きてしまというのはヒトの習性です。ワンちゃんやネコちゃんは、 通常はエネルギー要求もしくは栄養要求に見合うように食べます。彼らは、 普通であれば1つの種類の食事だけでも幸せなのです。彼らの腸管はとても短いために、 食事を突然もしくは頻繁に変更することによって消化不良を起こすことがあります。
子犬・子猫には1日何回食事を与えればいいでしょうか?
子犬 離乳(生後3〜6週齢)から生後4ヶ月齢までは1日3回。生後4ヶ月齢以降は、1日2〜3回が一般的です。 子猫 離乳(生後3〜6週齢)から生後6ヶ月齢までは1日3〜4回。生後6ヶ月齢以降は、1日2〜3回が一般的です。
高齢になると、タンパク質を減らしたほうがいいのでしょうか?腎臓の病気になると聞きましたが・・。
最近の研究により、高齢になってもタンパク質の要求量は減らず、タンパク質が腎不全の一因にならないことが証明されています。 高齢のワンちゃん、ネコちゃんに与える食事は、筋肉質を維持してあげるためにも、消化の良い最適量のタンパク質が必要です。
高齢なのですが、肥満が気になります。どのフード選んだらいいでしょうか?
高齢になると少ないカロリーを取っているのにも関わらず、太りやすくなります。 これはエネルギー消費が低く、代謝が鈍くなるためです。体重の増加を避けるためにも、 低脂肪、低カロリーの高齢期用のシニア用フードをお選びください。
ワンちゃん・ネコちゃんの妊娠時に給与すべきフード、給与量、回数は?
ワンちゃんにもネコちゃんにも高消化率、高栄養密度のフードである成長期用フードを給与しましょう。ワンちゃんの場合、交配時に適正な体重であれば、妊娠の5週目もしくは6週目までは給与量を増やすことや製品の変更は避け、それ以降出産までは体のサイズにより、正常維持代謝エネルギー量の大体125%〜150%給与します。この時期には少量を頻回与えましょう。ほとんどのワンちゃんの体重増加は妊娠の最後の3週目で起こるのに対し、ネコちゃんの場合は妊娠2週目から徐々に増加していくので、妊娠の2週目位から代謝エネルギー量を徐々に増やしていき、妊娠5〜6週目から出産までは成猫維持代謝エネルギー量の大体125%〜150%給与します。ネコちゃんの場合はしばしば自由採食が適しているのでその際は体重を適正に管理するべきです。
子犬・子猫に牛乳を与えても良いですか?
牛乳は与えてはいけません。純粋の牛乳は子犬/子猫の最適な成長のためには、タンパク質、脂肪、カルシウム、リンとカロリー濃度が低すぎます。濃縮ミルク(エバミルク)のタンパク質と脂肪組成は母乳に似ていますが、全ての牛乳製品は子犬/子猫にておってラクトース(乳糖)が多く、下痢の原因になります。
乳歯はいつ頃から生えてきますか?
およそ3週目からです。
大人の歯にいつ頃から生え変わりますか?
個体差がありますが、3ヶ月〜6ヶ月齢です。
子犬・子猫で避妊・去勢しました。成犬・成猫もしくはライト製品に切り替えた方が良いのでしょうか?
運動量の低下と食欲の亢進により肥満傾向になることは考えられますが、成長期の間は給与量と体重を厳格に注意して成長期用のフードを与えてください。
子犬・子猫で太っています。成犬・成猫もしくはライト製品に切り替えた方が良いのでしょうか?
あまり外見上、成長の変化が見えなくなっても徐々に成長は続いています。成長期の子犬・子猫は特別な栄養を必要とします。給与量と体重を厳格に注意して成長期用のフードで体重を管理してください。
子犬・子猫の給与量が、月齢が進むに従って少なくなるのはなぜですか?
一般に生後6ヶ月位までの子犬、子猫は速やかな成長を遂げます。この時期は体の構築、組織構築、防御機構の構築など成長に伴う変化に多くのエネルギーと栄養素が消費されるため食事の給与量が増加します。その後は、成長速度も穏やかになるため給与量が少なくなるのです。
成犬・成猫では1日何回食事を与えればいいでしょうか?
ワンちゃんでは1日2回が一般的です。また、ネコちゃんでは、食事をとりたいときに、好きなだけ与える自由採食法が一般に推奨されますが、食べ過ぎによる肥満が心配されますので、1日量をきちんと計量する、もしくは1日2〜3回に分けて与えることをお勧めします。
子犬用から成犬用フードを切り替える時期は?
犬種の違いにより、成犬になる目安が変わります。以下の表を参考にしてください。
犬種サイズ |
成犬時体重 |
子犬→成犬 |
---|---|---|
小型 |
〜8kg |
12ヶ月 |
中型 |
8〜25kg |
12〜18ヶ月 |
大型 |
25〜50kg |
18〜24ヶ月 |
超大型 |
50kg〜 |
24ヶ月齢 |
子犬・子猫を母親から離乳させる方法を教えてください。
子犬・子猫が約4週齢になったら、哺乳ビンでミルクを与える前にお皿の中に温かいミルク(子犬用ミルク)を入れ、導いてあげてください。お皿からミルクをぺろぺろ舐めることができるようになったら、半固形食が始められます。成長期用ドライフードをミルクもしくは水に少量混ぜおかゆを作ります。2〜3週間かけてミルクや水の量を徐々に減らしていきます。約6週〜7週齢で、子犬・子猫の口に幾つかの乳歯が生えてきたのなら、ドライの硬いままのフードを混ぜて、慣れさせてください。そして約8週齢で完全に離乳できるように準備をします。
お腹が弱いのですが、お腹に良いフードはありますか?
ワンちゃん・ネコちゃんは本来肉食の動物に分類され、動物性のタンパク質を必要とします。鶏肉やラム肉などは、ワンちゃん・ネコちゃんにとって消化がし易いため、お腹の健康にも重要な働きをします。また、ビートパルプは適度な発酵能により腸管細胞に直接栄養を与えることができるため、腸の健康をサポートし、消化・吸収を促します。
歯石が心配なのですが、どのようなフードを選んだら良いですか?
同じ環境で生活して同じ食べ物を食べていても、歯石のつきやすかったり、付き難かったり個体によって違います。どんなワンちゃんでも、毎日のブラッシングおよび専門家によるデンタルケアを受けることは大事なことです。またカリカリとしたドライフードは、歯と歯茎の健康および口腔全体を衛生的に保つのをお手伝いします。
正しいフードの選択方法を教えてください。
ワンちゃん・ネコちゃんのライフステージ、ライフスタイル、ボディコンディションの3つの要素を考慮して適した製品を選びましょう。ライフステージとは、子犬、成犬、高齢犬などの成長段階のこと。ライフスタイルとは活動的、非活動的もしくは標準的などの運動量のこと。そしてボディコンディションとは体の健康状態や体重(体重不足、肥満、理想的など)に関係します。
おやつは1日どの位与えてもいいですか?
おやつのはバランスの取れているものを選び、1日摂取カロリーの10〜15%以内までにしましょう。その際は、与えたおやつのカロリーを考慮して、食事量を調整する必要があります。
ビートパルプとはどのようなものですか?
砂糖大根から砂糖を取り除き精製した高品質の線維質源です。適度な発酵性をもつ線維質であり、腸で発酵して腸管の細胞に栄養を与え、健康な腸を保ちます。また、栄養素の消化率を最適の状態にします。
与える食事量が少ないと、かわいそうに感じます。満足しているのでしょうか?
ワンちゃん、ネコちゃんの食事の量は、単純に見た目のカサで決まるのではなく、与えた食事にどの位必要なカロリーが含まれているかによって決まります。満足そうに見えなくても、必要なカロリーがきちんと取れていれば十分なのです。ほしいだけ与えていると、肥満になってしましまいますので注意が必要
子猫用から成猫用フードを切り替える時期は?
1才齢を目安に成猫用のフードに切り替えてください。
肥満の見分け方を教えてください。
肥満の程度を知る最も実際的な方法は、ボディコンディションスコアを利用することです。動物の栄養状態全般を評価するために、視診、触診によって求めるスコアのことです。