子犬を迎えたら

子供たちとペット 〜仲良く同じ家族になるためには〜

家族の新しいメンバーとして

子供とペットというのはじつに微笑ましい組み合わせです。子供時代にペットと暮らして、楽しい思い出があるという方はたくさんいらっしゃるでしょう。確かに子供とペットは仲良しになれるものです。しかし、どちらか一方があとで家にやってくる場合、他方にとっては不安材料になる場合があります。だから、赤ちゃんでもペットでも、初めて家に連れてくるときには、誰が来て、どんな変化があるのかを家族全員に説明しておきましょう。そして、連れてくるご本人の家族全員に対する愛情は今までと変わらないということを断言しておきましょう。必要に応じて規則や限度といったものを決め、家族と新しいメンバーのやり取り を注意深く見守ってください。

 

赤ちゃんがやってくる場合

赤ちゃんが家族に加わると家庭内の光景も一変しますし、家の中の物音やにおいも変わります。 全員がまず赤ちゃんに気を取られるようになります。問題は、これがご家庭のワンちゃんやネコちゃんにとって不安を引き起こす場合があるということ。 前もってどうするか対策を練っておけば、赤ちゃんがやってくることによるストレスをペットにも、皆さんにも軽減することができます。


まず、実際に赤ちゃんが来る前に、ベビーパウダーやベビーローションなど赤ちゃん特有のにおいを家のなかに取り入れます。 ご自分の体にこうした製品をつけてもよいですし、なにか小さな人形につけておいてもいいでしょう。 赤ちゃんのための用具一式を揃えたら、ペットにその匂いをかがせたり、触らせたりさせます。ベビーベッドの周囲にはフェンスやゲートを設けるか、 外出時には赤ちゃん用の部屋のドアは閉めておきます。これは赤ちゃんのいるところにペットが勝手に入り込まないようにするためです。 こうして前もって「赤ちゃんの領域」を明確に区分しておきます。赤ちゃんが産まれたら、ご主人やご親族の方に頼んで赤ちゃんが病院で使っていた衣服や 毛布などを家庭に持ってきてもらい、ペットにそのにおいを嗅がせます。


赤ちゃんを家に連れてくる日は落ち着いていましょう。パーティーを開いたり、お客様を一度にたくさん招いたりすると、 ペットの不安を掻き立て、興奮しやすくなるからです。お父さんか親しいご親戚に赤ちゃんを抱いてもらい、お母さんはペットに話しかけます。 ペットが落ち着いたら、そこで初めて赤ちゃんをペットに紹介します。 この「初対面」はお母さんが見守るなかで短く済ませます。赤ちゃんをお母さんが抱き、ペットがよく馴染んでいる誰かがペットを抱くと、 この初対面がやりやすくなるでしょう。ペットも抱かれているわけですから、誰かに愛されているという実感があり、安心しやすいのです。


赤ちゃんが眠ったら、ペットを愛情をもって可愛がってあげましょう。赤ちゃんが目を覚まして泣き始めたら、 ペットにとっては聞きなれない異様な声で、ペットの感情が高まりやすいので、ペットをなぐさめましょう。 赤ちゃんとペットがとても仲良くしている場合でも、赤ちゃんとペットを決して「二人きり」にしておいてはいけません。

 

子供がよちよち歩きの頃

子供とペットの関係のなかで、よちよち歩きの頃は一番難しい時期です。よちよち歩きの子供は、自分でワンちゃんやネコちゃんのところに歩いていくことはできるのですが、ペットに対し責任ある行動を取ることはまだできません。 よちよち歩きの子供は、急に体を動かしたり、騒がしい物音を立てるものですが、これがペットが過剰反応を起こす原因となります。ですから、子供とペットのやり取りは必ず親が見守るようにします。 たいていのペットは子供が大好きで、かなり荒っぽい扱いを受けても我慢できます。しかし物事には限度をつけておくのがいちばんよいのです。 ペットにも感情があることをよちよち歩きの子供が理解するために、動物の登場する本をお子さんに読んで聞かせてあげるのも、役立つことがあります。 お子さんは親である皆さんの一挙一動をしっかりと見ているものです。ですから、ペットといるときにはどう振る舞えばよいのか、親がしっかりと見本を示しましょう。 お子さんが見ているところで、ワンちゃんの首の後ろを優しくなでたり、ネコちゃんのあごの下をていねいに掻いてあげましょう。そのあいだワンちゃんやネコちゃんにはやさしく話しかけます。

 

お互い仲良くしていくには

お子さんがよちよち歩きを卒業したら、動物とどう接すればよいのか分かる年頃です。 寝ているペットや、食事中のペットには邪魔をしないようにお子さんに教えましょう。犬を触る場合には、まず親の許可を必ず得るようにします。そして、まず自分の手を犬に嗅がせるようお子さんに教えてください。また、ワンちゃんでもネコちゃんでも決して追いかけたり、部屋の隅に追い詰めたりしないようお子さんに注意してください。 毎日のペットのケアをお子さんと一緒にするのもよいでしょう。小さな子供でも教えれば、お皿にペットフードを盛ったり、忍耐力の強いペットならブラシをかけることもできます。小型のペットなら正しい抱き上げ方を教えても構いません。 やはりこうした行動は、必ず親が監督してください。ペットのしつけも大切です。ペットがもし子供に噛み付いたり引っ掻いたりしたら、はっきりと「いけない!」と叱って、遊びを終わりにします。ペットが口に物をくわえる癖があったら、それを口から取り去る習慣をつけましょう。 食事が終わったらお皿を片付け、遊びが終わったらおもちゃを片付けましょう。ペットが食事やおもちゃの「見張り」をする習慣をつけてしまわないためです。 お子さんとペットを気をつけて見守り、お互いが仲良く過ごせる方法を考えれば、ペットと一緒の幸せな家庭ができ、楽しく遊ぶ時間を過ごすことができます。

 

両親の監督が大切

ペットがお子さんによくなついていたとしても、お子さんがペットと仲良く遊んでいたとしても、つねに両親が監督していることが大切です。 あやまってペットが興奮したり体を傷付けたりすると、あっという間にお子さんもケガをすることになります

わんにゃん栄養学