愛犬の基本的な身の回り品
とうとうその日が来ますね。あなたの新しい子犬が、あるいはもう少し大きなワンちゃんでしょうか。あなたの家族の一員になるのです。新しい子犬が気持ちよく暮らせるように、迎える支度をしてあげましょう。また、あなたの家を守る準備も早めに整えておきましょう。つぎに基本的な身の回り品のリストを挙げます。
ドッグフード
最初のうちは、これまで子犬が食べていたのと同じ種類のものをあげてください。違うものにしたかったら、1週間か2週間かけてだんだんと替えていきます。子犬の消化器官が慣れやすいように、これまでの食物のなかに新しいフードを混ぜて少しずつ増やしていきます。良質のドッグフードは、あなたのワンちゃんの健康にとって良いというだけでなく、ワンちゃんの便の量が少なくなるでしょう。
首輪
あなたの子犬には先ず首輪が必要です。ワンちゃんを制御したり引き紐をつけたり鑑札を付けたりするためです。サイズの調節できる首輪はより使いやすいかもしれません。。子犬が大きくなれば徐々にサイズを大きくできるからです。標準的な大きさのワンちゃんであれば通常は子犬の時期は同じ首輪をずっと通して使えるでしょう。 ワンちゃんが大きくなったら、鑑札をつけるためにバックルのついている首輪がいいでしょう。散歩をさせたりしつけの訓練をしたりするには、チェーンかピンチの訓練用首輪があればなお良いと思います。首輪は頭がすり抜けない程度のきつさで指が2、3本入るくらいにします。よくわからなければ、ペットショップの方に正しいサイズを聞いてください。矯正用首輪は、あなたがいっしょでないときには決して着けてはいけません。ワンちゃんが窒息死するような事故につながることがあります。
鑑札
毛並みの悪い哀れなやせこけたワンちゃんたちが、食物を求めてあてもなく道を歩いているのを見たことがありますか?もし鑑札がなければ、あなたの子犬もそうなる日がないとは言い切れません。子犬は活発で好奇心が強いので、目の届かないところへいなくなってしまうことがあります。ちょっと目を離した隙にどこかへ行ってしまったり、ドアの隙間から出て行ったり・・・。そういう時のためにバックル留めか調節機能付きの首輪を必ず着けて、首輪には役所に登録した際の鑑札をつけておきましょう。そうすれば誰かがもしあなたの子犬を見つけた場合、すぐあなたのもとに帰ることができます。鑑札番号は担当の役所に登録されます。あなたのワンちゃんが保護されたときにはこの鑑札番号からオーナー様の情報がわかり、連絡が入れられるでしょう。
リード
リードには様々な種類ありますが、それぞれ用途が違います。 ワンちゃんを押さえたり、止まらせたりが簡単にできます。タブリードの長さは、ワンちゃんが歩いたり走ったりするとき、前に垂れて邪魔にならない程度のものです。また、丈夫で2mほどの長さのタブリードは、近所を散歩するのに最適です。 また、フレキシブルリードも素晴らしい発明です。タイプによっては10m程にも伸びる伸縮自在のリードです。これはワンちゃんがどこかへ行ってしまわないようつないでおきたいけれど、2mよりは自由にしてやりたいときに便利です。好きな長さにロックすることができます。
食器
ワンちゃんのための器は、少なくとも2つは用意しましょう。ひとつはお水用でもうひとつはフード用です。ワンちゃんが常に新鮮できれいな水を飲めるようにしておくことが大切です。器の形は、安定のよい平底を選びます。とくに子犬は、容器をひっくり返したり水をバラまいたり自由に遊びを「発明」しますから…。プラスチック製の器にするとかじってしまうワンちゃんもいますので、ステンレス製のほうが無難です。また、ステンレス製は洗いやすいという利点もあります。
室内犬舎
犬舎は、ワンちゃんの飼育用品のなかで、おそらく一番高い買い物でしょう。子犬はたいてい犬舎の中(大きすぎない場合)では便はしないものです。小さな子犬なら、心配なく何時間も犬舎に置いたままにしておけます。これは子犬に自分の行動をコントロールすることを教え、室内生活訓練がはかどることにもつながります。成犬用のケージを買ったけれど、あなたのワンちゃんがまだ小さ過ぎる場合は、段ボール箱に蓋をしてケージの中に入れてください。子犬が立ったり回ったり寝たりする空間は空けておきます。また、ワンちゃんの安全とシート保護のために作られた自動車用の犬舎もあります。飛行機旅行用に認定を受けた犬舎もあります。
屋外運動場
現実を直視してください。たいていのワンちゃんは、地面に穴を掘るのが大好きです。あなたの家の美しい庭に子犬を放し、自由にさせておいたとしましょう。さて、ある日あなたが家に帰ってみると、見るも無残な庭の姿に驚くかも知れません。あなたが植えたペチュニアもムチャクチャになっています! 庭の一角かどこか適当な場所に、ワンちゃんのための運動場を作る家もよくあります。あなたの家に適当な場所がなかったら、どこか良い場所を探して運動場にするというのもいいかもしれません。また、ワンちゃんの運動場には、必ず日陰を作ってあげましょう(日覆いをつけた所もあります)。
屋外犬舎
ワンちゃんの屋外運動場に犬小屋がある場合、居心地のよい犬小屋か、少なくとも雨露がしのげる場所にあるべきです。犬小屋は広過ぎてはいけません。冬の寒いときにワンちゃんが温まりにくいからです。
ワンちゃんのベッドまたは敷物
ワンちゃんの被毛に自然にできる油成分で、あなたの家のカーペットが汚れるかもしれません。ワンちゃんには自分専用のベッドか敷物の上かに、横になるようにしつけましょう。
サークル
屋外に囲いが必要なのと全く同じ理由で、室内でも行儀見習いを終えて室内生活のしつけが万全になるまでは、子犬を囲い込む手段が必要です。けれど決してドアを締め切って中に閉じ込めたりはしないでください。ワンちゃんも家族の一員なのですから。その代わりにキッチンの入り口に小さなゲートをつけるとか、何らかの障害を設けるなどの工夫をしましょう。子犬の運動スペースや遊び場を作るのもひとつの方法です。また、排泄の不始末が起きないとは限らないので、とにかく簡単に掃除のできる場所に作ることです(子犬には悪気がなくても、6カ月以上に育つまでは完全に自分の意志で膀胱のコントロールができないのですから!)。
ノミ対策
ノミは、私たちヒトにとっても大きな問題ですね。しかしノミをどんなに退治したくても、子犬には作用のやさしい薬しか使ってはいけません。獣医さんに相談してみましょう。
オモチャ
訓練士の中には、「支配欲の強い犬種とオモチャのとりあいはするな」と警告する方がいます。あるいはヒトであるこちらが主人でエライのだと示し、ワンちゃんに勝てばそれは構わないと言う方もいます。けれどワンちゃんは、この遊びが大好きなのです。あなたのワンちゃんに「おやつをあげるから大事なオモチャを渡しなさい」と教育してください。 ワンちゃんは、キューキュー音の出るオモチャが大好きです。しかし音源が金属製ならばワンちゃんがこれで遊んでいるときは目を放してはいけません。飲み込む恐れがあるからです。 硬いゴム製品も大好きで、ワンちゃんたちは硬いゴムボールが跳ねるのを口で掴まえて遊びます。 また、遊んでいるうちにバラバラに壊れるようなオモチャには気をつけましょう。オモチャの一部をワンちゃんが飲み込んでしまい、胃内洗浄や手術が必要になったり、命にかかわることもあるのです。
骨と噛み道具
子犬には噛むことが必要です。噛むことで新しく生えた歯が育つのです。 しかし、家具などを噛んでしまっては困りますから、良い噛み道具を代わりに与えましょう。硬くプレスした生皮が一番安全で、硬くて長持ちし、噛むのにも最適でしょう。ただ生皮一枚だけというのは避けてください。子犬が食いちぎって飲み込むと危険です。 また、鶏の骨は絶対に避けましょう。ワンちゃんの胃の中で砕けて鋭いトゲのようになり、胃を傷つけるおそれがあるからです。
おやつ
名前を呼んだらすぐに来たとか、服従訓練がよくできたときなどに、ご褒美としてワンちゃんにあげるおやつをふだんから用意しておいてはいかがでしょう? ユーカヌバ ヘルシー ビスケット ただしワンちゃんに与えすぎないように注意してください。おやつの項目でご説明したような与え方をしましょう。そうしないと、あなたのせいでワンちゃんを太らせてしまいかねません。
要約
新しいワンちゃんが家にくる前に、よく準備を整えておきましょう。ワンちゃんはよりスムーズに、楽しく、愉快に、あなたの家族の一員になるこ とでしょう。
子犬:しつけ
「ワンちゃんは誰にとっても楽しいものです。何の迷惑にもなりませんわ」というのは有名な訓練士のバーバラ・ウッドハウスさん。あなたのワンちゃんに服従の基本と次のような命令を教えてください。一緒に暮らすのが楽になります。1日数回、遊びをかねたきわめて短い訓練でこの命令を反復練習させます。
ダセ
成犬になってから不要な攻撃性や防衛行為をさせないよう、ワンちゃんの大事なものを、たとえば食べ物でさえ差し出すようしつけます。これに一番いいのは交換を持ち出すことです。「ダセ」といって先ずワンちゃんにおもちゃを出させて代わりにご褒美をあげます。おもちゃを素直に出させるには食べ物が一番です。おもちゃを出したらおおげさに褒め上げておもちゃを返します。
ヨシとマテ(オアズケ)
マテまたはオアズケという命令を覚えれば命令されたらそのまま待つようになります。おもしろく学習させるにはワンちゃんと遊びながらしつけることです。まずワンちゃんにリードをつけて前に座らせます。手のひら一杯にフードを置いて一度全部ワンちゃんにあげ、ヨシと命令します。2、3回ヨシをしたあとで、またフードをあげますが、今度は「オアズケ!」です。もちろんワンちゃんは何も知らないので、すぐ食べようとします。そこでフードをあげたのと同じ手でワンちゃんの鼻のあたりを軽くポンと叩きながら「オアズケ」を繰り返します。ワンちゃんが食べるのを止めて待つと「ヨーシ オアズケ」といってほめてからヨシと命令して食べさせます。これを続けて4、5回反復練習させ、だんだんオアズケよりヨシを増やしていきます。ワンちゃんは面白がってすぐに覚え、オアズケというと出された食事を食べないで待つようになります。
ヤメ
あなたの可愛い子犬がやがて体重45kgの力持ちになったとき、リードを引っ張らないようにちゃんとしつけをしておかないと、道であなたを引っ張り回すようになります。生後4ヶ月まではワンちゃんの首への過剰な負担を避けましょう。そこでおすすめしたいのが、伸縮リードで、ある程度自由に動けるけれど引っ張りすぎると抵抗を感じるというリードです。 ワンちゃんが無理に突進すればただ方向を変えて違う道を行けばよいのです。
イケナイ
他人がどのようにコメントしても、誰でもやたらと身の回りをよそのワンちゃんが跳ね回るのは不愉快なものです。特に幼い子どもに向かって跳ねるのは危険です。ワンちゃんが跳ねているのを止めさせようとするとき、いちばん簡単で安全な方法は、ワンちゃんが来ようとしたら「イケナイ」と声をかけて止めさせることです。四肢が全部地面についていれば、褒めてやって褒美をあげましょう。「スワレ」と言って座らせることを教えるのも必要です。よその人に挨拶するのに自分から進んでやる動作です。ワンちゃんがもうすこし成長すると、もっと厳しいしつけが必要かもしれません。 ここで注意です:あなたが自分のまわりで跳ね回るのを許しておけば、ワンちゃんはなぜよその人のまわりでは跳ねてはいけないのか理解できないでしょう。しつけはいつも首尾一貫していなければなりません。
ハウス
ワンちゃんにとって犬舎は安全な場所、自分の住みか、逃げ場でもあります。あなたのワンちゃんに命令すれば喜んで犬舎に入るように練習させましょう。まずワンちゃんにフードやおもちゃを見せびらかしておいて、それを犬舎の中に置きます。そして「ハウス」と命じます。ワンちゃんはおそらく犬舎に入ります。最初は犬舎の戸を閉めてはいけません。ワンちゃんが犬舎に入っただけで褒めて愛撫してあげます。慣れてすぐ入るようになったら、何秒かわずかな時間だけ戸を閉めます。戸を閉めたままじっと中にいられるようなら戸のすきまからご褒美をあげましょう。徐々に中にいる時間をのばしていきます。くんくん鳴いたからといって出してあげてはいけません。鳴けば出してもらえると思ってまた鳴くだけです。ワンちゃんを犬舎から出すときは出たことで決してちやほやしないことです。 犬舎に入ることより出ることがいいように思われたら、あなたも困るでしょう。
「静かに」という命令
ワンちゃんが吠えたとき人が大きな声で怒鳴ると人間も吠えていると思い、おもしろがってますます吠えます。ワンちゃんにとって「静かに」とは理解しにくい観念のようです。これまでのわれわれの経験では、静かにと教える前に命令で吠えることを学習させるのが最もいい方法のようです。ワンちゃんに褒美を見せて手振りと一緒に「ホエロ」と命じます。ワンちゃんに何を言われているのか理解させるため、少々大声が必要でしょうが、最後におそらく1回か2回吠えるでしょう。このとき、すかさず大げさにほめてやって褒美をあげるのです。あなたのワンちゃんがこのゲームをよく理解するまで何度もこれを繰り返してください。ワンちゃんが命令によって吠えることを理解した場合、吠えさせてから急に「静かに」と命令して指をあなたの唇に持っていくのです。この変なあなたの動作にびっくりして黙るかもしれません。すぐに褒めて褒美をあげます。ワンちゃんが信頼できる程度に理解するまで、これを1日数回、何週間か繰り返します。それからは「静かに」とあなたが言えば、ワンちゃんにもその意味がわかるようになるでしょう。
まとめ
行儀のよいワンちゃんと一緒に暮らすのは、そしてそんなワンちゃんがいつもそばにいるのは楽しいことですね。 世間で認められるような行動ができるように、ワンちゃんに訓練をするのは楽しいことです。ご家族やお客さまも感謝してくれるでしょうし、あなたも自分のペットに鼻が高いでしょう。あなたがお止めなさいといえばピタッと吠え声をやめる、よその人に跳びついたりしない、道であなたを引っ張り回すこともない、いちばん大切にしているものでも文句もいわずにすんなりと差し出す、こんなワンちゃんがいたらどんなに素敵でしょうか? それは全部あなたの努力次第なのです。
わんちゃんがなめるわけ
帰宅したあなたのほほを「お帰りなさい」とばかりにペロリとワンちゃんがなめてくれる素晴らしい瞬間。私たちヒトは、ワンちゃんの舌の活用法としてこれがいちばん気に入っているのではないでしょうか?ワンちゃん犬は身繕いにも自分の舌を使います。しかし、自分の足裏やカーペット、あるいはお気に入りのおもちゃをいつまでも長々となめているのは何故でしょうか。理由はいくつか考えられ、なかには気になることもあります。
ワンちゃんはよい香りに引きつけられます
ワンちゃんがオーナー様の顔や手をなめるのは愛情の表れだと言われていますが、こういう行動と実際にもっと関係が深いのは皮フの香りです。湯上がりのあなたの足をワンちゃんがなめるとしたら、バスソルト(入浴剤)の香りが残っているのではないでしょうか。ローションやパウダーの匂いにもワンちゃんの嗅覚は刺激されるでしょう。なめるのは、ワンちゃん達がその香りを探索しているからなのです。
なめすぎを起す原因
では、ワンちゃんはなぜ自分の体をなめるのでしょう?しかも、皮フがヒリヒリ痛くなるまでなめてしまうことさえ少なくありません。 ワンちゃんがひっきりなしに体をなめるのを止めないとしたら、何かトラブルが起っているのかもしれません。それには次のような理由が考えられます:
- アレルギー:ヒトが目にかゆみを覚えるように、ワンちゃんは皮フがかゆくなります。その場所をなめるとかゆみが和らぐのでしょう。
- 神経性皮フ炎:ワンちゃんが何かにとりつかかれたように自分の体をなめるのは、不安やストレスがあったり、退屈したりするからです。 退屈すると、カーペットや家具、お気に入りのおもちゃをなめることもあります。
- 接触性皮フ炎:これが原因のこともあります。このアレルギー反応は、金属やゴム、羊毛、プラスチックなどの他、染料、消臭剤、ツタウルシなどによって起ります。
- アトピー:ワンちゃんが例えば花粉、家ダニ、カビを吸い込むと、このアレルギー性皮フ炎が起り、なめすぎの原因になることがあります。 足をなめる、耳に炎症を起す、かゆがるなどがその徴候です。
治療方法
- ヒトと同じように、ワンちゃんのアレルギー症状を抑える薬があります。かかりつけの獣医さんに相談してください。
- 不安を紛らすためにワンちゃんがものをしつこくなめる場合は、不安の原因を見つけて、それを解消する手立てを講じましょう。 また愛犬の首のまわりにエリザベスカラーを巻くと、なめたり引っ掻いたりすることへの一時的な防止になるでしょう。
- 接触性皮フ炎やアトピーの治療には、ステロイド剤、脂肪酸サプリメント、または抗ヒスタミン剤が使われることもあります。
- 食べ物がヒトの体を作ります。ワンちゃんも同じです。食生活が正しければワンちゃんの被毛の健康が保たれ、皮フの炎症も軽くなるサポートとなるでしょう。
愛犬のリードトレーニングのヒント
夜はハンティング・タイム
ワンちゃんは、物に夢中になる性質を天性として備えており、野原で物を取ってくる遊びをしている限りそれは素晴らしい特質ですが、交通の激しい通りではそのために危険を招かないとは限りません。リードから放すと、知らない人に飛びかかる、他のワンちゃんと喧嘩する、走っている車の流れに突っ込むなど、いろいろと危険な問題を起す心配があります。リードトレーニングをしなければならないのはそのためです。
専門家のアドバイス
動物行動心理学の研究者ウェイン・ハントハウゼン獣医師は、『犬と猫の問題行動ハンドブック』(バッターワース・ハイネマン1997年)の共著者ゲイリー・ランズバーグ氏及びロウェル・アッカーマン氏とともに、ワンちゃんのリードトレーニングを始める時のアドバイスを次のように記しています。
- 根気よく続けましょう。ヒトと同じように、ワンちゃんにも物覚えのいいワンちゃんと悪いワンちゃんがいます。 「マテ!」のしつけでも、命令に従うことを数週間で完全に覚えるワンちゃんもいれば何カ月もかかるワンちゃんもいるのです。
- 首輪とリードに慣れるのは、そのワンちゃんの性質とエネルギーのレベルで違いますが、普通は子犬の方が嫌がりません。
- ビーグルやダックスフンドなどのように、とても気が散りやすく、他の犬種より厳しくトレーニングしなければならない傾向のある犬種もあります。 トレーニングを1週間したにもかかわらずオーナー様のそばについて静かに歩けないとしても、それはワンちゃんの知能が低いせいではなく、 学習する時間がよけいにかかることを示唆しているにすぎません。
- 高齢犬、特にこのトレーニングを受けたことのない高齢犬は、首輪とリードに慣れるのに多少時間がかかるかもしれません。
ワンちゃんのリードトレーニング(簡単な5つのステップ)
- まず、ワンちゃんが食事をしている時に首輪とリードを首につけ、リードは体の脇にゆったり垂らします。こうすると、 何か楽しいこと(食事)と一緒にリードを思い出すようになり、首輪にも慣れさせやすいでしょう。
- 2、3日後、ワンちゃんの食事がすんだところで手にリードを持ち、ワンちゃんの後について家の周囲を数分間歩きます。この時間を徐々に延ばしていき、 リードにもあなたが並んで歩くことにも、よく馴れさせます。
- よく馴れたら外に出て、ワンちゃんにリードを引きずらせる形で歩き、時々リードを拾い上げながら後に続きます。リードを見せる時はおやつを与えてください。
- 歩く時は、リードは右手に持ちますが、左手におやつを持ってワンちゃんがあなたの左側にくるように仕向けます。歩きながら「イケ! 」という言葉を繰り返します。 上手にできたらほめてあげましょう。
- ワンちゃんがあなたを引っ張り始めた時は、時計回りに回って向きを変え、違う方向に向かって歩きます。ワンちゃんは、 頭がその方向にリードで引っ張られるので、急いであなたに追いつかなければならなくなります。あなたと並んで歩き、 褒めてもらいたければあなたのそばを離れてはいけないことを覚えるまでこのトレーニングを繰り返します。
リードトレーニングのヒントの追加
- リードが長過ぎないように注意します。ハントハウゼン獣医師によると、1.2m〜1.8mが適当です。
- 屋外でのトレーニングは、裏庭や静かな公園のように、ワンちゃんの気を散らすものが少ない場所で行います。
- ワンちゃんが興奮しているとはっきり分かる時は、激しい動きのある遊びで多少疲れさせてからリードをつけます。少し疲れるといっそう注意深く、従順になります。
- トレーニング中に大声を出したり、ワンちゃんをたたいたりしてはいけません。根気づよく続ければちゃんと報われるでしょう。
リードトレーニングの用具
適切なリードと首輪を使えばトレーニングも成功しやすくなります。ペットショップには数多くの商品がそろっています。よく使われるものの様々なタイプを次に挙げてみました。
- 平たいリードとバックル式首輪 革製やナイロン製のリード、金属製の鎖が一般的で、長さもいろいろあります。
- 巻き取り式リード 釣り竿のリールとよく似ており、6m離れてワンちゃんを歩かせてもこれならコントロールすることができます。 ボタンを押すとリードのたるみが取れ、ピンと張ります(ただし「ツケ!」を教える時には適しません)。
- ヘッドカラー これはリードに取り付けるユニークな形の首輪で、口の周囲に回すループと首に回す首輪でワンちゃんを優しくコントロールすることができます。 ループが口を締めつけることはなく、前方へ進もうとする動きが頭を脇に振る動きに変えられるので、突進しようとしてもできなくなるのです。 並外れてエネルギッシュなワンちゃんやコントロールしづらいワンちゃんに向いているでしょう。
- チョークカラーとフォーク型首輪 両方とも、リードに取り付けておくと、首の周囲を締めつけたり喉にグッと食い込んだりして、 ワンちゃんをコントロールするようになっています。ワンちゃんの行動を直す時や即座に注意したい時に締め付け、すぐにゆるめます。 ワンちゃんを窒息させてはいけません。ワンちゃんの扱いに不馴れな人には向かず、経験のない人が使うと危険なことがあるので、 実際に使う時はあなたの出す指示が適切かどうか、事前に専門家にチェックしてもらって下さい。
愛犬が土を掘る理由
ワンちゃんが掘るのはなぜ?やめさせるには?
ある日、カンザス州ウェストウッドのウェイン・ハントハウゼン獣医士が電話に出ると、ものすごく取り乱した声で「ウチのワンちゃんが庭中を掘り返して大きな穴だらけにしてしまいました。どうしたらいいでしょうか?」という相談の電話がありました。 ワンちゃんなのだから地面を掘っても当たり前では?と思う方も多いかもしれませんが、そうするのには理由があるのです。また、それについての対策もあると、ハントハウゼン獣医士(「犬と猫の問題行動ハンドブック」の共著者)は言っています。まず、ワンちゃんがものを掘るのはなぜなのか、理由を知ることからスタートしましょう。
捕食動物としての本能
ハントハウゼン獣医師はこう言います。「子犬は地面を掘るのがおもしろくてやることがあります。あるいは捕食動物本来の本能がそうさせることもあります。たとえば、穴の中にスルスルすべり込んでいく蛇を見つけると、地面を掘って追いかけることもあるでしょう。また、フェンスの外に出ようとして掘る、昨夜のハンバーガーのおいしそうな匂いが残っているから掘る、ワンちゃんのおなかに赤ちゃんがいると住まいを作ろうとして掘る、など、さまざまな理由があります」。 おそらく、あなたのワンちゃんは骨を地中に埋めるのが大好きでしょう。こういう特性は祖先から家庭のワンちゃんに伝わったものです。野生のワンちゃんは、捕まえた獲物を地中に埋めて他のワンちゃんに盗まれないように工夫したのです。 テキサスA&M大学小動物内科・外科学科教授のボニー・ビーバー獣医師は、ワンちゃんは自分用の『エアコン』をつくりたくて地面を掘ることもあると言っています。夏の暑い日は、ワンちゃんの体温より湿り気のある土の中の方が温度が低いのです。
対策
カーペットや寝具類をワンちゃんが引っかくのは退屈しているせいかもしれません。こういう時は、代わりにお気に入りの音の出るおもちゃを与えて思いきり遊ばせましょう。あなたが起きた後のベッドを掘るのは、おそらくあなたの匂いの中にいると気持ちがよいからなのです。ベッドを掘られたくない時は、着古したシャツやパジャマなど、ワンちゃんがその上で丸くなって寝てもいいものを用意しておくとよいでしょう。 それでもまだ掘るのをやめない場合はどうしたらよいでしょうか? ハントハウゼン教授は、たとえばこんな風に、ワンちゃんが地面を掘り返すわけを探してから対策を立てるようにアドバイスしています。
- 野性が残っている場合は、野生動物の専門家から家畜に近づかせないようにするためのアドバイスを受けましょう。
- 逃げようとする場合は運動量を増やしましょう。おもちゃにするボールが欲しいだけなのかもしれません。
- 涼しい場所にいたがる場合は、湿り気のある砂を入れた砂箱を日陰に置いて、好きなように掘らせましょう。
もしあなたがワンちゃんが掘った穴を見つけてもすぐ叱ってはいけません。小言を言うなら、穴を掘ったすぐその後、ワンちゃんの鼻や口にゴミとか泥がついている時に見つけなければ効果はないのです。いちばんよいのは、穴を掘る原因を見つけて対策を立てることです。
吠えないことを教えるには
吠えることは正常な行動であり、ワンちゃんが用いるコミュニケーション方法のひとつです。でもあなたのワンちゃんが年中、庭で吠えつづけているとしたら? その場合のヒントです。
ワンちゃんはなぜ吠える
静けさと平和を取り戻すための第一歩は、ワンちゃんが吠えるのには理由があると知ること。理由には以下のようなものがあります:
- 不安な気持ちから吠える:長い間ひとりぼっちで放っておかれたり、閉じ込められているワンちゃんは、不安感や寂しさから吠えます。 オーナー様が戻ってこないのを恐れているのです。(あなたのワンちゃんは一日の大半を独りで過ごしていますか? 中には、このような状況によく慣れるワンちゃんもいます)
- 愛情を求めて吠える:ワンちゃんはあなたの注意をひくために吠えるのです。あなたが無意識のうちにそう習慣づけています。「ワン!」と吠えれば、ドアを開けて出してやる。 別の「ワン!」で中に入れてやる。行儀よく吠えればおやつをごほうびにもらい、大きく吠えればあなたに危険を知らせる警報代わり。なのに吠えすぎるとしかられる…。 ワンちゃんにとってヒトは一貫性を欠いているのです。
- 満足できないから吠える:運動が足りないとワンちゃんはエネルギーをもてあまして、欲求不満から吠えるようになります。 十分に運動した幸せなワンちゃんならあなたが留守の間は眠っています。
吠えるのをやめさせるには
ではあなたのワンちゃんの吠え方がひどかったらどうすればいいのでしょう?やめさせるヒントを挙げてみましょう。
- 運動をさせる:ほとんどの時間を庭や家の中で過ごすワンちゃんは、もっとはけ口となる運動を必要としている可能性があります。たとえ庭が広くでも、 庭でぐるぐる走っているだけでは運動や遊びの代わりにはなりません。長い散歩に連れていってあげましょう。
- 愛情を注いであげる:あなたが家にいるときはワンちゃんも家に入れてあげましょう。家族の一員として愛されている実感がワンちゃんには大切なのです。 楽しく遊んで絆を深めましょう。
- 友達を作ってあげる:ワンちゃんは社交性のある動物です。同じ公園に毎日あるいは毎週連れていって、ワンちゃんの友達をつくってあげましょう。 ワンちゃん同士ではしゃぎまわればすぐに疲れてよく眠ります。
さらなる作戦
こうした方法でやめさせようとしても、まだワンちゃんがひどく吠えつづけているようなら、家でできるもっと厳しいトレーニング法が必要なのかもしれません。以下のようなものです:
- まず「静かに」と言われるまでは吠えてもいいと教えます。ワンちゃんが吠えるたびに、「静かに」と命令します。命令と同時に鼻面の前におやつを示します。 ほとんどのワンちゃんはすぐに黙ります。おやつの匂いをかいだりなめたりすることと吠えることが同時にはできないからです。
- 静かにしている間、ずっとワンちゃんをほめてやります。なでたり、ほめ言葉をかけたりしましょう。
- 沈黙が3秒続いたら、おやつを食べるのを許します。トレーニングを続ければ、おやつを許す前の沈黙の時間を徐々に延ばしていくことができます。
ワンちゃんが勘違いして吠えたら(そういうこともあります)、すぐに叱ります。けっして叩いてはいけません。手を叩いて大きな音を出したり、水鉄砲で顔に水をかけるなどワンちゃんの注意を引くようなことをします。吠えるのをやめたら、すぐにほめてあげましょう。
練習と忍耐がキー
何カ月も吠えつづけていたワンちゃんの身に一夜にして奇跡が起こるなどと期待しないこと。以前の習慣を新しい習慣に替えるには何週間もかかるかもしれません。トレーニングを続ければ、新しい行動パターンが発達します。ひどくむだ吠えする代わりに、適度な長さで適度に吠えるようになります。 正しい吠え方を教えこむまで、近所迷惑にならないような場所にとどめておいたほうがいいでしょう。ドアと窓は閉め、テレビをつけて外の道鳴き声が聞こえないようにしましょう。そして、電話やドアベルがひどく吠えるきっかけになっているなら、それらを鳴らないようにしておきましょう。
吠える番犬トップ10
泥棒を脅かすために吠えるワンちゃんをお探しですか? 警戒心が強い順に犬種をリストアップしてみました。 ここに挙げたワンちゃんは侵入者が現れたり異常を感じたりすると、すごい迫力で吠えます。
- 1. ロットワイラー
- 2. ジャーマン・シェパード
- 3. スコティッシュ・テリア
- 4. ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- 5. ミニチュア・シュナウザー
- 6. ヨークシャー・テリア
- 7. ケアン・テリア
- 8. チワワ
- 9. エアデール・テリア
- 10. プードル(スタンダード、ミニチュア)
愛犬のしつけ
ある日、もしかしたらもうすぐ、あなたのワンちゃんは何か悪いことをします。台所のカウンターの上からあなたのTボーンステーキを盗むかもしれません。網戸を噛んで穴をあけてしまうかもしれません。あなたは怒り心頭に達します。どうしたらいいのでしょう? まず、ワンちゃんが引き起こす大多数の問題に対する最高の解決法は予防だということを申し上げておきましょう。繰り返し言います。あなたのワンちゃんにほんのわずかでも悪さをするきっかけを与えてはいけません! 具体的にいえば:ワンちゃんを外に連れ出して、やるだけやって落ち着くまで、あなたが十分だと思う以上に外で好きなことをやらせてください。自分の目が届かない状態で、ワンちゃんが取れる範囲にステーキを置きっ放しにしておかないこと。クローゼットを開けっぱなしでいたずらっ子が中をかぎまわれるような状態にしておかないこと。コツが分かりましたか?悪さをしようと思いつかなければ、ワンちゃんはひどいいたずらをしてあなたにみじめな思いをさせることもないのです。
第1段階:言葉で直す
あなたがどんなに注意していても、ワンちゃんは(そしてあなたも)過ちを犯します。実際に行動に移す前に、何かをたくらんでいるところを押さえてください。母犬になったつもりで、ワンちゃんがやろうとしている悪さの出鼻をくじいてください。「ウーウー」という低いうなり声や警告を促す「ダメ」の声を出してください。「やろうとしてはだめ。そんなこと考えてもだめ!」というメッセージです。ワンちゃんも考え直すでしょう。正しい行動をとったら必ず声に出してほめてやります。 もうひとつの方法は、悪さをしている現場を押さえることです。幼い子犬が新しい家に来て1週間目に用便の粗相をしているような場合は、叱ってはいけません。ただ子犬を外に出す、もしくはトイレに連れて行き、正しく場所でできた時にほめてやります。こういう場合に叱るのはあなたの過ちです。もっと大きな子犬の場合は、どんな間違いであれ、やったその場できつく叱るのが正しいやり方です。不意打ちをかけて驚かせ、叱責と行為を関連づけさせます。その後、あなたがその場にいて見張っていなくても同じ状況が繰り返されないようにします。 行為が起きたあとで叱るのは、実質的には効果がありません。しかし私たちは叱りたくなる誘惑に勝てずそういう場合も叱ってしまいます。私たち自身の気持が治まるからです。しかし、ワンちゃんは今叱られたこととさっきの愉快ないたずらをなかなか関連づけできません。
第2段階:環境で直す/仕掛けをする
環境を利用して直すと、すばらしい結果が得られる可能性があります。ワンちゃんはしじゅう誰かに見張られているような気がしてお利口にふるまったほうがいいと考えます。結果的にワンちゃんを臆病にしてしまうようなことさえなければ、ぜひ奨励したいやり方です! 環境に仕掛けをすることは特にいたずらに効き目があります。ワンちゃんは頭がいいのでオーナー様が留守のあいだ、いろいろな物をいたずらできることを知っています。ただ幸いにしてワンちゃんのすることは予想がつきます。ワンちゃんは気持のいいことをし、気持よくなければやめます。ですから私たちはワンちゃんが嫌だと思うような状況を作り上げればいいのです。プロの訓練士がワンちゃんの問題行動に効果的だとすすめる仕掛けをご紹介しましょう。 あるワンちゃんはバスルームのゴミ箱をあさって中のゴミを散らかすのが大好きで、特にオーナー様の留守のあいだにこのいたずらをやっていました。オーナー様はこの悪癖を直すのにコショウを使いました。ゴミ箱の上のほうのティッシュや紙くずにこしょうを撒いておき、あとはいつもどおりいたずらをさせました。仕掛けつきのゴミ箱をたった1回経験しただけで、このワンちゃんの問題行動はぴたりと治まりました。 台所のテーブルから物を盗むのが好きなワンちゃんは、オーナー様がある仕掛けをしたところ、ぴたりとやめました。オーナー様はゴムの板の切れ端をテーブルに載せ、切れ端の半分は縁から垂れ下がるようにしておきました。それから空き缶に小石など音がして無害なものをいっぱい入れてゴムの板の上に置きました。ワンちゃんが飛び上がると、ゴムの板と缶がワンちゃんの上に降ってきました。驚いたワンちゃんはもう飛びつこうとしませんでした。 仕掛けは特効薬であり、特に従順なワンちゃんはひどく怖がります。もしあなたがワンちゃんに問題があると思ったら、プロの訓練士にワンちゃんの性質を見極めてもらい、最適の仕掛けをすすめてもらうのがいいでしょう。ワンちゃんを本当に傷つけてしまうことがないよう注意してください。
第3段階:ケージに入れて、無視をする
子供が行き過ぎたふるまいをしたとき、両親は「自分の部屋で何もしないでいなさい」と言います。ワンちゃんが大きな間違いを犯した場合も同じことができます。ワンちゃんを叱って20分間ケージに入れます。中にいる間はワンちゃんを無視します。20分たったら出してやり完全に許してやります。なでたり遊んだりして元気づけてやりましょう。 訓練士の中にはこのようにケージを使うのを好まない人もいます。しかし、私たちがワンちゃんの問題行動を直すのにこの方法はとても有効でした。それにワンちゃんは自分のケージが嫌いになったりはしませんでした。この「ケージに入れて、無視をする」方法は、は子犬のころの深刻な問題、たとえばあまりにも強く噛むときなどだけに使います。
第4段階:身体学的矯正
首輪によるしつけ以外、身体学的矯正を実行する際は必ずプロの訓練士のアドバイスを受けてください。身体学的矯正は効き目がありますが、すべてのワンちゃんに有効なわけではありません。力には力で応えるのみのワンちゃんもいます。ワンちゃんによっては身体学的矯正によるしつけを非常に怖がり、オーナー様との信頼関係を崩してしまいます。 けっしてワンちゃんをたたいてはいけません。丸めた新聞紙であってもです。粗相に鼻をぐいぐいおしつけるのも役に立ちません。そんなことをすると自分の便を食べるワンちゃんになってしまいかねません。
首輪を使って直す
生後4カ月以上のワンちゃんにはチェーン製またはスリップカラー(引き締め首輪)などの矯正首輪をしつけに使うことができます。首輪による矯正は家の周りでの問題行動や散歩の際に便利です。これを使うときは必ずあなた自身が一緒にいてください。重要な注意点をひとつ:ワンちゃんに矯正首輪をしたまま独りにしないこと! 息が詰まって死んでしまう場合もあります(実際多くのワンちゃんが命を落としています!!!)。 首輪による矯正はすばやくぐっと引き、すぐにゆるめることによって行います。矯正首輪でずっとワンちゃんを引っ張っていると、首輪の効果をワンちゃんが感じなくなります。また、ずっと締め続けるとワンちゃんが喉を傷めてしまいます。使い方がわからない場合はプロの訓練士に効果的な使い方を習ってください。
他の体罰を使った矯正法
多くの訓練士は何種類かの体感を使った矯正法を知っていて必要に応じて使っています。首筋を持ってゆさぶる、アルファ・ロール(あおむけにして押さえ込む)、胸や顎の下をポンと叩く、などの方法です。投げ鎖、音の出る缶、水鉄砲などを使う人もいます。こうした道具をワンちゃんに使う場合は、プロの訓練士に相談してどのようなものをいつ使うべきかアドバイスを受けましょう。
まとめ
多くのワンちゃんにはある時期、身体学的矯正を用いた矯正が必要になります。特に権威に反抗したがるヒトでいう思春期のワンちゃんには必要です。ただし、こうした方法を間違って使うとワンちゃんは攻撃的になったり臆病になったりします。できるかぎり言葉によるしつけを行いましょう。しかし、どうしても身体学的矯正による矯正が必要な際は、あなたのワンちゃんに適した方法を学びましょう。
行動:よくある問題
ワンちゃんは大きなジレンマを抱えています。ワンちゃんが本能的にしたくてたまらないことの多くを、ヒトが許してくれないからです。人間社会でワンちゃんが幸せに暮らすためには、こうした本能的な行動を抑制する必要があります。ヒトとワンちゃんとの間にありがちなカルチャーギャップを埋める解決法をあげてみました。もしこうした解決法があなたとあなたのワンちゃんにとってうまくいかなかったら、プロの訓練士にアドバイスを求めましょう。ワンちゃんがあなたの生活にスムーズにとけ込む方法を教えてくれます。お忘れなく:あなたがしてほしくない行動をしたときほめたりしてはいけません! ワンちゃんをよく運動させ、十分かまってやり、家族との遊び時間を作ってあげましょう。退屈した運動不足のワンちゃんは、余ったエネルギーを問題行動に費やそうとします! 運動が十分足りていると、ワンちゃんはとても幸せそうに丸くなってしばし昼寝をします。眠っているワンちゃんは悪さをしません!
吠える
オーナー様がワンちゃんに向かって「静かに」と怒鳴るとき、ワンちゃんのほうではオーナー様がお楽しみに加わっているのだと思っています。これは、命令で吠え、命令で黙るようにする訓練をワンちゃんにほどこすことによって、問題を解決できます。吠えている現場を押さえたら、ほめてやり、「ホエロ」といったような言葉を発しましょう。そしてもっと吠えるように促してごほうびをやります。ゲームの要領で行います。もしワンちゃんが理解しなかったときは、あなたが吠えてやります。しばらくやかましく吠えさせた後、突然「静かに」と言い、あなたの唇に指を当てます。ワンちゃんをびっくりさせることができれば、ワンちゃんは黙るはずです。面白くなってきたでしょう!ここでたっぷりごほうびをやります。吠えるのと黙るのを両方バランスよく練習すれば、ワンちゃんは「静かに」の意味を理解することでしょう。 あなたが留守の間なら好きに吠えてもいいとワンちゃんが思い込んでいたら、「仕掛け」(「愛犬のしつけ」をご参照してください)を使いましょう。これは週末に行うとよりよいでしょう。ワンちゃんを何分間か独りにしておき、あなたは旅行に行くふりをしてください。車に乗ってちょっと近所まで出かけてもいいでしょう。その後、車から降り、徒歩で家に帰ります。ワンちゃんが吠え始めるまで待ってから、突然走りこんでワンちゃんをびっくりさせます。音の出る缶を投げたり水鉄砲を放ったり、あるいは厳しくしかります。家に戻ってくる時間を様々に変えながら、この練習を繰り返します。ワンちゃんは、オーナー様はいつ走りこんでくるか分からないのだからお行儀よくしておいたほうがいいと理解します! おとなしくしていたら、うんとほめてごほうびをあげましょう。
噛む
すべてのワンちゃんが学ぶべき最も大切なことの1つが、ヒトを噛んではいけないということです。ワンちゃんが若いうちにヒトやほかのワンちゃんに慣らし、少しストレスがかかるような様々な経験をさせておくことが大切です。こうすればあなたのワンちゃんは精神のバランスを保つ方法を学び、いつもと違う状況に直面しても恐怖のあまり噛んだりしなくなります。子犬は何をするのにも口を使います。子犬同士遊ぶときは噛みあって遊びます。1頭がもう1頭を強く噛みすぎると噛まれたほうはキャンと鳴きます。すると噛んだほうは口を放し、次からはもっとやさしく噛むことを学びます。子犬があなたを強く噛んだら、キャンと声を出して噛んではいけないと教えましょう。噛む力が弱くなるにつれキャンという声も弱めます。子犬はすぐに自分をコントロールできるようになり、非常に感じやすいヒトの皮フを傷つけるようなことをしなくなります。(私たちにこの方法を教えてくれたのはシリウスの子犬トレーニングインストラクター、ダグ・ホステッター氏です)。声をあげることと、穏やかでありながらも断固とした叱り方を組み合わせれば、まったく噛まないワンちゃんに育てることができるでしょう。 カリフォルニア州マウンテンビューのディープ・ペニンシュラ・ドッグ・トレーニング・クラブのドロシー・マッシュ氏は、別の有効な方法を教えてくれました。子犬は普通、動いているヒトの手や腕や足を噛みます。これは狩りの本能の自然な表れです(獲物の追い立て)。子犬に噛まれたら、噛んでいる自分の体の箇所をぴたりと動かさないようにし、空いている手で子犬を指さし「ダメ」と強く言います。子犬が放したらほめてやり、おやつをあげます。
かじる
ワンちゃん(特に子犬)は物をかじる必要があります。ワンちゃんにはいつも手頃なかじれるおもちゃを用意しておきましょう。そして、おもちゃをかじったらほめてやります。口にしても安全な、苦みをくわえるスプレーなどのようなかじり癖防止のための製品を使えば、留守をしてもワンちゃんが家具をかじるのを防げるかもしれません。
掘る
ほとんどのワンちゃんは穴掘りが大好き!穴掘りは、ワンちゃんの本能であり、愉快な遊びであり、後のためにとっておきたいものを埋めるためでもあり、ひんやりした土に寝るためや巣づくりのためでもあります。穴掘りをやめさせる一番簡単な方法は、セメントなどの掘れない素材が敷いてある場所にワンちゃんをとどめておくことです。(ワンちゃんが庭にいるとき埋めたくなるようなものを与えないのも手です)。また、花壇に肥料をまきたての時にワンちゃんから目を離してはいけません。後悔することになります。ワンちゃんが掘った穴の中に便を入れて、穴掘りを不快な体験にするといいという人もいます。この方法がうまくいくこともありますが、残念ながらワンちゃんが便を食べるようになってしまうこともあります。ワンちゃんが穴掘りするための特別な場所を1m×2m程の広さの用意して訓練に成功したヒトもいます。土を耕して、いろいろなおやつを埋めておき、ワンちゃんにそれを掘りおこさせてたっぷりほめてやります。つまりゲームだと思わせるのです(私たちもこの方法を試しましたが、ワンちゃんがかなり汚れてその場所はめちゃめちゃになりました)。そこで私たちは、庭の四方の縁にスギのチップを敷いて、ワンちゃんがそこに宝物を埋めるよう訓練しました。
飛びつく
小さな子犬があなたにあいさつしようと飛びついてくるのをかわいいと思うかもしれません。しかしその子犬もいずれは大きな成犬になります。あるいはワンちゃんの前足が泥だらけだったりしたら、あなた(もしくは、お客様)もうれしくはないでしょう。早い時期から着実に訓練し、飛びつかせないようにしましょう。 子犬が飛びついてきたら、あなたはただ後ずさりします。「ハナレル」と言って子犬の4本の足すべて地面に着いたらほめてごほうびをあげましょう。新しく来た人にあいさつする時には、ワンちゃんを座らせます。そうすれば飛びつくよりもお行儀のよいマナーを学びます。ワンちゃんをもっとコントロールすることが必要なら、しばらくはお客様がくるたびにリードをつけるようにします。 問題を完璧に解決するためには、週末にお友達に協力してもらいましょう。お友達に来てもらい、何度もドアからの出入りを繰り返してもらいます。お友達が入ってくるたびに座ることをワンちゃんに教えます。よくできたらごほうびをあげます。これを何度も繰り返せば、お客様が来ても興奮しなくなり、同時に正しい行動を理解し、新しく覚えたマナーでお行儀良く行動するようになります。この練習を最低10回は繰り返してください。20回ならなおよいでしょう!
分離不安症
ワンちゃんは社会性をもった動物です。近くに仲間がいることを好みます。そのため多くのワンちゃんは、オーナー様が留守をして独りにされると分離不安を覚え、哀れっぽく鳴き、吠え、物を壊したりするかもしれません。多くの場合、ワンちゃんをよくかまってやり十分運動をさせると、この問題行動は治まります。ワンちゃんと毎日遊び、十分に運動させるだけの時間をとりましょう。家を出るときには騒ぎ立てないこと。静かに出ていってください。問題の解決には1日か 2日、時間をとってあたります。何度も出入りして、ワンちゃんにあなたがいつも戻ってくるのだということを教えます。ワンちゃんを安心させるのです。もし問題行動が続くようなら、プロの訓練士に相談してください。
服従の失禁
興奮するとおしっこを漏らしてしてしまうワンちゃんもいます。これは、服従の気持ちが影響しているようです。この問題は矯正しようとしないことです。叱るとワンちゃんはますます服従的になり、問題は悪化するばかりです。叱る代わりに、あなたが家に戻ったり誰かが来たときには、10分ほどワンちゃんを無視します。それからワンちゃんをすぐ外に出しておしっこをさせます。 いくつかの解決法を紹介してみました。もし問題行動が続くようであれば、あなたのワンちゃんの状況について知識ある専門家に相談してアドバイスを求めてください。ワンちゃんの自然で本能的な行動は、人間社会にトラブルをまきおこすかもしれませんが、ワンちゃんは私たちのルールに従った暮らしを次第に学んでいきます。そのためには、私たちがちょっと手を貸してやることが必要なのです!