ベランダや屋上緑化(本格的な屋上庭園)の注意点

屋上緑化や壁面緑化により、断熱効果が増すことでエアコンの利用が抑えられ、
二酸化炭素削減に結び付いたり、都市部のヒートアイランド現象の緩和も期待できると
あって、日本では近年注目されている分野ですね。 ただし土のないところを
庭にするのには色々と注意が必要で、専門家にお願いしなくてはならない部分も
沢山あるようです。 ざっと注意点を見てみましょう。

ルーフガーデンイメージ

○荷重に建物が耐えられるかのチェックが必要

土のない所に庭を作ろうとすれば、樹木や草を植える土が必要になりますね。
土や植物を載せれば当然重くなります。 積載荷重は、基準では180kg/uとなっていますが、地震国日本では実際には「地震荷重」という、
地震が起きた時の荷重計算が必要なようです。 そうすると約三分の一の荷重となるため、かなり制限がでてきます。
既存の建物の場合、緑化が無理な場合も出てくる可能性がありますし、新築家屋の場合でも屋上緑化を前提とした計画と設計が必要になるため、
建築士さんなどの専門家に相談してチェックしてもらうのが一番お勧めです。
安全に関わることですからここはきちんと確認しましょう。

○防水層にも耐用年数がある

屋上が既にある場合、大抵は防水層が設けてあり、雨漏りしないようになっています。
ですが、既存の建物の場合、その防水層の耐用年数を確認する必要があります。
耐用年数は種類や工法によっても違い、10数年から20数年までと幅があります。
お住まいの屋上の防水層が耐用年数を過ぎているかどうか確認して、もし過ぎているようなら新たに防水層を設ける必要が出てきます。
耐用年数を過ぎていない場合は、程度にもよりますが多少の劣化であれば、防水保護塗料などで保護することも可能なようです。

○防根

樹木などを屋上に植える場合、根がどんどん伸びて防水層に入ってしまうことがあります。
それを防ぐためには、防根シートを防水層の上に貼って下準備をするようにします。
その上に保水・排水のための層、更に人工軽量土壌などを入れて、その上に植物を植えます。
ベランダなどでは樹木はコンテナなどで管理し、植えるのは芝や草花程度にしたほうが
無難かもしれませんね。

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○屋上は風が強い

風が吹き抜ける屋上では、ベランダなどに比べると植物や設備など強風によって転倒したり、屋上から落下したりする心配があります。
また土壌など資材の飛散も防ぐなど、風に対する対策が必要です。
特に樹木などを植える場合は、支柱や地下支柱などでサポートする必要がありますから、こちらも専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。
高層ビルのベランダなどではやはり強風対策が必要になります。

○陽射しが強く乾燥しやすい

ベランダや庭に比べると、屋上は直射日光がずっと当たっていることが多く、また風も強いことなどから、選ぶ植物も日当たりが好きで、
乾燥に強いものを選ぶようにしましょう。
また樹木を植える場合は、条件だけでなく植える位置も考えます。近隣の屋根の上や雨どいに落葉などで迷惑がかからないよう気をつけることも大切ですね。
ベランダの場合、日照時間が少なくなることも考慮に入れます。その場合芝でなく、耐陰性のある植物を選ぶようにします。

○排水

屋上の場合、排水口は土やほこり、落ち葉が溜まると、水がはけないため、大雨などによって屋上に水が溜まり、プール状態になってしまいます。
時々掃除するようにしましょう。

朗報! 簡単緑化が可能な製品がたくさん出ています。

本格的な屋上緑化は大変そう!専門家や施工が必要になると、予算もかかりますし、いくら環境によいと言っても、
そこまでの費用と労力をかけることは難しいのではないでしょうか。

そんな、私を含めて「もっと簡単に緑化したい」皆さんのために、今では軽くて簡単な製品が沢山出ているのですがご存知でしたか?
用意した下地の上に敷くだけのロール状芝や、専用のマット状の芝やグランドカバー植物がありますし、
中には、土の替りにマット状のものを敷くとそのマットに芝などの根が入りこんで生育するという優れものも出ています。
このような製品を利用すれば、誰でも気軽に土のない場所にちょっとした緑のエリアを造る事ができますね!

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