芝生の張り方

庭に芝生を張ることは、見た目が美しくなるだけでなく土ぼこりを抑えたり地表の急激な温度変化を抑えたりするメリットがあります。張り方自体に難しい点は何もないので、庭づくり初心者にもおすすめです。

※その他 人工芝の敷き方

芝生以外に!
人工芝でお庭のリメイクをして見てはいかがでしょうか。

コメリオリジナルマジックターフの敷き方をご紹介します。マジックターフはまるで本物のようなリアルな人工芝。水差し・刈りなどメンテナンス不要だから一度敷けば1年中緑のお庭を楽しめます。

1.芝生作業カレンダーと品種

作業カレンダー

芝張りにおすすめの時期は、3~6月(北日本は4月~)。根が付きやすく、温度も上がるので芝の生長に適しています。夏(7~8月)は水を切らさないなどの管理が大変だが、根は付きます。秋・冬は気温が低く、せっかく張っても根は休眠状態で付きにくいので寒冷地での芝張りはできません。


生育条件

・日当たりが良いこと
・水はけが良いこと


品種

品種名特徴
高麗芝(日本芝) 家庭園芸用として最もポピュラーな品種。九州と沖縄に自生する暖地型の芝で、東北の以南くらいまでは栽培可能です。 乾燥や肥料不足にも耐え、丈夫で栽培しやすいのが特徴です。冬は地上部が枯れますが、4月頃から急激に生長して緑色になります。
野芝(日本芝) 日本の全土に自生します。公園や大きな庭でよく見られる芝です。丈夫ですが、高麗芝より葉の幅が広くキメが荒い芝。 観賞するような庭には、美観の点から見ると、あまり向いていません。
西洋芝 高麗芝・野芝に比べて葉の緑色が濃く、四季を通じて緑が楽しめる通年型の芝です。芝生のキメが細かいため、ゴルフ場などで使われます。いろいろ種類がありますが、日本では種子繁殖の品種が主に用いられています。日本の高温多湿が苦手で、暖地では栽培に工夫が必要です。

2.芝生の張り方と材料

1m×2mの敷地に実際に芝生を張った前後の写真。

写真
Befor
写真
After

今回使った材料

・芝生:10枚×3束(1束約0.9u)
・砂:5袋
・培養土:3袋
・芝の目土:1束あたり1袋(1cm厚で敷いた場合)
※商品は販売終了している場合がございます。


1.下の材料を用意する

下地がデコボコしていると、雨が降ると表面に水たまりができてしまいます。そうならないためにも、芝生を張る部分の整地をすることが何よりも重要です。
下地を作る際に気を付けたいのは「水はけを良くする」こと。降った雨がすぐ排水されるように、下地には砂を使います。そこに土(畑の土や培養土でよい)を敷いた上に、芝生を張っていきます。


草よけシート 草よけシートは便利 芝生の間から雑草が生えてくるのを防ぐには、『草よけシート』をあらかじめ砂の下に敷いておきましょう。不織布のような素材のシートが雑草の発生を抑えてくれます。

2.下地を整える

芝生を張る場所全体を7cm程度掘ります。全体が均等になり表面に凹凸がなくなるように平らにならしながら掘るとよいでしょう。水はけの良い下地を作るために砂を厚さ4~5cm程敷きます。


スコップやレーキで砂を平らに慣らしたら、全体に散水します。こうすることで砂が締まり、また凹凸も解消させることができます。


スコップ等で十分に慣らした後、足で踏み固めて土を締めます。凹凸や段差ができないように丁寧に進めましょう。


3.芝生を張る

20cm×30cmのマット状になった高麗芝。1m×2mの面積では3束(1束約0.9u)必要です。


となりの芝とは1~2cm離して置いていきます。こうやって間を空けたほうが芝の脇から水が浸透しやすく、丈夫な芝に育てられます。半個分ずらして置いていくには、ハサミで半分の大きさにカットした芝を作ります。


敷き終わった芝の上に『芝の目土』をかぶせます。目土は粒のそろった細かい土で、芝の生長に役立ちます。1cm厚で敷いた場合、芝生1束(約0.9u)あたり1袋必要です。


ほうきを使って芝の目土を芝全体に行き渡らせます。目地部分だけでなく芝生の表面にも土を入れなじませます。最後に、板の上から足で踏み固めます。


4.散水

芝生の根まで水が行くようにたっぷりと水をまきます。張ったばかりの芝は乾燥しやすいので水管理が重要です。


となりの芝とは1~2cm離して置いていきます。こうやって間を空けたほうが芝の脇から水が浸透しやすく、丈夫な芝に育てられます。半個分ずらして置いていくには、半分にカットした芝を作ります。


芝生の張り方例

べた張り すきまを空けずに敷き詰めるので芝苗を多く使用しますが、早く仕上がります。


目地張り 芝と芝の間を空けて張る方法。すきまの幅が広がるほど仕上がるまでに時間がかかります。


目市松張り 市松模様に張っていくやり方です。仕上がるには時間がかかります。


条(すじ)張り 1列おきに張ります。仕上がるまでに時間がかかります。


芝は生長とともに目地を埋めるように横に這っていきます。「目地張り」で張っても、時間が経てば絵のようにすきまを埋めてきれいな全面芝になります。DIYで張るには、目地土から栄養を補給できる「目地張り」が芝のためにはおすすめです。 図

水たまりができないようにするには?
下地を凹凸を減らすことです。水勾配をつける方法もあります。 芝生下の地面に凹凸があると芝生表面もデコボコしてしまい、へこんだ部分に水たまりができてしまいます。 これを防ぐには、まず下の地面を平らにならすこと。「砂+土」の2層構造を作る過程でしっかりと踏み固めることが重要です。 芝生を敷く地面全体にゆるやかな傾斜を付け、降った雨が一定方向に流れるように『水勾配』を付ける方法もあります。

庭のどの部分から芝生を張ったらいいのか?
家に近いところから遠くへ張っていく 庭一面に芝生を張る場合、まず家の側から芝生を張ることをおすすめします。その理由は、半端な大きさにカットすることが多い最後の段階の芝マットを、目立ちにくい庭の隅へ持っていくためです。

3.芝生のお手入れ方法
(刈り込み、水やり、施肥)

刈り込み

・高麗芝
5月~6月に月1~2回、7月~8月に月2~3回、10月に1回、2cm程の高さに刈りこみます。

1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
月1~2回月2~3回1回

・西洋芝
3月下旬~4月に月3~4回、5月~6月に月3~5回、7月~8月に月1~3回、9~10月に月2~4回、2.5cm程の高さに刈りこみます。
※西洋芝は高麗芝より頻繁に刈りこむのがポイントです。

1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
月3~4回月3~5回月1~3回月2~4回

エッジ切り

・実施時期:積雪の無い暖地は、1~2月の作業の少ない時期に行なっておくと良いでしょう。積雪地帯は、3~4月に行ないます。


更新 -エアレーションとレノベーション-

・実施時期:夏

土が踏み固めらると芝生の生育に良くないので、ローンスパイクで芝生に穴を空けたり、新しい茎を伸ばすため古い茎を切って、通気性を良くし芝生の活性化をはかります。(ローンスパイクが無い場合、穴は10cm間隔、深さ10cm、直径約1cmに空けます。)


※雑草はまめに、除草フォークや手で抜きます。


目土入れ

・実施時期:春~初夏
芝生がぶかぶかしているような場合に目土入れを行います。これを行うことにより芝生の凹凸をなくすことができます。


肥料

高麗芝

芝専用の肥料を3~4月に芝が色づきはじめたら施し、5~6月に1回、7~8月に各1回施します。

1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
色づいたら1回1回

西洋芝

芝専用の肥料を3~4月に1回、5~6月に各1回、7~8月に(量を半分から3分の1に減らして)1回施します。9月~10月に1回、11月~12月に1回施します。

1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
1回1回1回1回
(量を減らして)
1回1回

水やり

・高麗芝夏には週に1回、たっぷり与えます。
・西洋芝初夏と秋に緑が最盛期になります。充分な水やりが必要となります。


4.病害虫対策
(さび病、ブラウンパッチ、ダラースポット)

病気

1.さび病

「症状」
葉に橙色の斑点が生じ、胞子が飛んで広がります。

「対策」
【治療】ダイセンなどを散布します。

2.ブラウンパッチ

「症状」
円形状に褐色に枯れます。

「対策」
【治療】ベンレートや、ダコニールを散布します。

3.ダラースポット

「症状」
白くコイン状に枯れます。

「対策」
【治療】ベンレートや、ダコニールを散布します。


害虫

1.シバツトガ

「症状」
乾燥したように芝が枯れる。

「対策」
【駆除】スミチオン乳剤を散布します。 


※農薬はラベル等に記載されている使用基準に従い、適用のある作物に使用して下さい。

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