ボタンの育て方

MEMO

ボタン・・・ボタン科
以前はキンポウゲ科に入れられてましたが、近年はボタン科として扱われます。

1.ボタン生育年間カレンダー

年間作業カレンダー


(関東地方基準)

品種

多くの園芸品種があり、花色は赤、白、桃、紫、黄などがあり、花弁は、一重のものから八重、千重、万重、万重獅子(まんえじし)咲きと呼ばれるものまであります。


植え付け

植え付けは、9月中旬から10月いっぱいが適期です。場所は、排水や日当たり、風通しのよい場所がおすすめです。また午後からの日射しを避けることのできる場所が良いでしょう。




MEMO

接木
繁殖目的の植物の一部(接ぎ穂)を、他の植物(台木)に接着することです。
品種の特性が維持されたり、植物年齢の短縮等の利点が、植物によりあります。




2.ボタンの花摘みと剪定

水やり

水切れをくり返すと樹勢が弱ります。また過湿も嫌手です。表土が乾いたら水を与えます。


肥料

ボタンは肥料食いの植物として知られていますが、一度に多くの肥料を施さず、緩効性の肥料を分けて施します。


花摘みと剪定

ボタンは放っておくと、枝が込みあい、日当たりや風通しが悪くなり、病害虫が発生しやすく、花つきが悪くなり、また樹形も乱れるので芽摘みと剪定が必要です。


芽摘み
  • 花後、葉のつけ根に芽が出ますが、これが全て枝葉になり茂ると、花までエネルギーが回りません。終わった花はカットし、6月上旬ころから各枝の下の2芽を残しその上の芽は摘み取ります。こうすることで、残った芽は充実し、確実に花芽をつけるようになります。
  • 4月頃、台木のシャクヤクの新芽は不要なので、かき取ります。
剪定
  • 細い枝、枯れ枝は切捨て、6月の芽摘みのときに残した芽の3cm程上のところで切落とします。この時、下の芽に水滴が流れ落ちないよう、芽と逆側に向けて斜めにカットします。

3.ボタンとシャクヤクの違い

ボタンとシャクヤク

落葉低木

横に張った樹形になります。座ればボタン
ボタンとシャクヤク

宿根草

まっすぐに伸びた茎の先に花をつけます。立てばシャクヤク

4.害虫対策
(灰色かび病、白絹病、根コブセンチュウ)

病気

1.灰色かび病:3月〜7月中旬、9月

「症状」
若い葉や茎、つぼみ、花弁等に、はじめは水がにじんだようになり、しだいに腐ってきます。やがて灰褐色のカビが生えます。風により胞子が広がります。


「対策」
【予防】風通しのよい環境に、鉢植えで移動のできるものは、雨天の時、雨のあたらない場所へ移動します。
【治療】病気の花や葉は摘み取り処分します。発生の初期であれば、1週間ごとに2〜3回、ベンレート、ダコニール、トップジンM等散布します。


2.白絹病:6月〜8月

「症状」
株付近に、菌糸(白糸状)が網の目状に発生し、やがて株は立ち枯れ状になります。

「対策」
【予防】冬に50cm程、天地返しを行い、菌核を地中に埋めてしまうようにすると、発生しにくくなります。


害虫

1.根コブセンチュウ:3月〜10月

「症状」
土中におり、根の先から侵入し、養分や水分を吸収します。この時、根に虫コブを作ります。このように根コブセンチュウに寄生されると、植物の生育が悪くなり、花が咲かなかったり、下葉より枯れ上がったりします。


「対策」
【予防】堆肥を一定量、毎年施し、根の発育をよくするという方法があります。
【駆除】NCS剤による土壌消毒が家庭向きの方法です。


2.カイガラムシ:周年(幼虫又は成虫)

「症状」
枝、茎、葉に寄生し、汁を吸い、枯れ死する場合もあります。


「対策」
【予防】植物の休眠期である冬の間にマシン油乳剤を散布し、窒息死させます。
【駆除】幼虫のふ化期にスミチオンやオルトランを1週間ごとに3回程散布します。


※農薬はラベル等に記載されている使用基準に従い、適用のある作物に使用して下さい。

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