庭木の冬囲い

1.どうして冬囲いをするの?3つの理由

冬になると寒い地域では庭木に「冬囲い」と呼ばれる作業を施します。これは縄や竹、木材などを使って植物を文字どおり囲うことです。冬囲いをする理由としては、以下の内容が挙げられます。


たっぷり水分を含んだ雪が樹の枝に積もってくると、その重みで枝が折れたり曲がったりしてしまいます。冬囲いをすることで樹そのものをカバーしたり支えたりできるので、こういった外から守ることができます。


庭木のなかには、もともと暖かい地域で育つ種もあります。これらは寒い風が吹きつける冬は苦手。囲いは防寒対策となって、植物の寿命を延ばします。


「兼六園の雪づり」に代表されるように、冬の風物詩として庭を楽しむ目的。


2.DIYでできる簡単冬囲い

大切な庭木をホームセンターで手に入る材料を使って自分の手で冬囲いしてみましょう。実用本位で簡単な方法を紹介します。


3本立て

高さ50cm〜1mほどの1本で立っている庭木を囲う際に便利なやり方。広がる枝を縄でしばりまとめ、周囲に3本立てた白竹で囲みます。今回は高さ約50cmのサツキを冬囲いしましょう。


MEMO

用意するもの:
白竹(1m)…3本
玉縄………1巻

白竹玉縄


2.支柱を立てる

1.四方に広がる枝葉を、縄を使って軽く束ねます。


2.高さがこの木くらいであれば、真ん中あたりと葉がついている先端に近いあたりの2ヶ所をまとめれば十分です。


3.白竹を正三角形の形(中央に囲む木がくるよう)に立てます。白竹は木の背丈の2倍の長さを使います。


4.3本立てた白竹を頂点で中央に集め、木づちでトントン叩いて根元を埋め込みます。


5.中央に集めた白竹の先端を、玉縄でまとめて結びます。グラグラしないようにしっかりと締めましょう。


6.立てた白竹同士を、玉縄でまとめます。1mの白竹であればバランスを見ながら3ヶ所くらい結びましょう。縄がずり落ちないように竹の節の部分で回すようにします。


7.完成。雪が降っても枝葉が折れるほどの被害が防げます。


応用した例

防寒対策のために3本立ての冬囲いに「コモ(ワラ)」を巻いているところ。寒冷紗(かんれいしゃ)でも代用できます。


「飾りボッチ」と呼ばれる装飾具を載せた姿。見て楽しむためのものです。


直径60cmほどの大きなサツキは全体を1回束ねたあとこのように部分ごとに小さくまとめます。


背丈が高く、枝葉がひろがる大きな植物の場合はこのように「6本立ち」で対応します。


左の大きなサツキを6本の白竹+寒冷紗で冬囲いした例。寒冷紗がパタパタしないように縄を巻いて押さえています。


3.冬の風物詩としての囲い(雪づり)

サツキ類はこのように四方に支柱を立てて屋根を付ける囲いもできます。美しく見せるために水平をとったり傾斜を付けたりと難易度も高いですが、雰囲気は抜群です。


冬囲いの代表格とも言える「雪づり」。和風の庭のアクセントとしてよく見られます。中央に立てた支柱の頂点から幾重にも垂らされる縄が、枝を吊って雪の重みから枝を守ります。イラストでは枝同士に巻いた縄を吊っています。


協力:有限会社 翠紅園

関連ページ:
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