雪割草の花の構造は、正面から見ると花の中心に緑色の部分が有りますが、これは雌しべです。それを囲んでいるのが雄しべです。雄しべの背後に花びらがありますが、花弁でなくがくであり、花弁状に変化した物です。花の背後にあるがくのような物は苞です。
雄しべ、雌しべともに正常な状態
雄しべがほとんど消えた花
雄しべが花弁状に変化した花
雄しべが小さな葉のように変化した花
雄しべ、雌しべが各々異なった花弁の花
雄しべも雌しべも小さな花弁状になり、花びらが100枚以上になる花
雪割草の一つであるオオミスミソウは、落葉樹(コナラ、カシワ等)が生育している中に、常緑樹(ヒメアオキ、シラカシ等)が点在しているようなところに自生しています。開花中から葉が固まるまでには日が充分にあたり、梅雨明け頃までには落葉樹の葉が茂り程よく日よけになり、夏場でも涼しく過ごせ、秋になり木々の葉が落葉し、冬には雪で寒さから守られるような所で育ちます。花は、晴れの日の昼間しか咲きません。しかし、雨の日や夜間でも開花します。品種にもよりますが花は10日間くらい楽しめます。
開花中は、南側の日当たりの良い所に置きます。花後は、新しい葉が展開するので引き続き日当たりの良い所で管理します。
夏の日差しは強く、葉やけを起こしやすいです。80%くらいの遮光の日よけの下で管理するか、朝数時間日の当たる木下や建物の影に置きます。
1.長年植えたまま株は根腐れや根詰まりを起こしやすくなるため、植え替え及び株分けを9月に行います。
2.鉢から株を抜きます。根の間に竹ばしを入れ、根をほぐして土を落として行きます。根鉢をくずして、腐った根やネコブセンチュウを除去します。
3.株分けをする場合は、分ける株に花芽が2芽以上あり、各々の芽に根があればその数分だけ株分けが可能です。
4.植え込み用土は、弱酸性用土であれば何でもかまいませんが、弱酸性用土の鹿沼土は排水がよく、乾くと白っぽくなり分かりやすいです。また、鹿沼土のみでは乾燥しますので保水性のある赤玉土を混ぜます。鹿沼土中粒8と赤玉土中粒2の割合の混合用土がよいでしょう。乾燥しやすい所では赤玉を多めにします。鉢の深さの4分の1位まで用土を入れ、根を広げて株を置きます。鉢と株の間、根の間に用土を入れ割り箸などで突付いて植え込みます。
5.植付けが完了したらたっぷりと水を与えます。
雪割草は、自家受粉により種ができますが、丁子咲きや乙女咲きには花粉ができないため、交配したい花の花粉を綿棒でつけるか、雄しべごと切り取り雌しべにつけます。雪割草の標準花であれば、花後に福寿草などと同じようなコンペイトウの形の種をつけます。土にこぼれた種は12月〜3月間に発芽します。
種が少量の時は浅鉢に、多い時は育種箱やミニプランターなどに蒔くことをおすすめします。用土は、鹿沼土の小粒を使い種を蒔きますが、覆土しなくてもよいです。置き場は、明るい日陰に置き、乾燥しないようにします。
双葉が出てから約1ヶ月後に、ポットなどに植え替えます。やがて本葉が出て、それ以後毎年秋に植え替えていきますと、発芽より2年後くらいには花が咲き始めます。
開花中から新葉がしっかりする6月頃まで毎日たっぷり与えます。夏は鉢内温度を下げる意味で夕方にたっぷり与え、秋は、表土が白っぽくなる前にたっぷりと与えます。冬は乾き過ぎないようにたっぷりと与えます。
元肥として緩効性化成肥料を根の上部に置きます。そして、目安として月に1回薄めの液体肥料を水やりがわりに施します。開花中には肥料は施しません。
葉茎を付け根からつみとります。早めに花柄を摘み取ることにより、灰色カビの防止になります。鉢の上に落ちた花びらなどから発生するためです。
5月頃、古葉と枯れ葉を元から切り取ります。この時、新葉を傷つけないように注意します。
「症状」
葉の縁から枯れ全体に広がります。
「対策」
予防として銅水和剤を散布します。発病後は効き目がありません。病気の葉は切り取ります。
「症状」
花弁が褐色になり、その後カビが発生し、新葉にうつります。ひどくなると全体をからします。
「対策」
薬剤による予防は期待できません。市販されてる灰色カビ病の予防薬の中に雪割草では、薬害が出るものもあります。カビを予防する為にも、花には水をかけないようにします。
「症状」
時際や地下部は腐敗してやわらかくなります。
「対策」
ストレプトマイシンなどを散布します。
「症状」
葉の裏が褐色になり、表面が黄ばんできてやがて葉が枯れます。
「対策」
ケルセンやアカールなどの殺ダニ剤を梅雨明け前から1週間ごとに葉の裏に散布します。ハダニは乾燥を好むので、葉水をします。
「症状」
根がこぶ状にふくらみます。生育が目に見えて悪くなり、満足に花が咲かなくなったりします。
「対策」
1年に1回オキサミルをまいておくことで完全に防ぐことが出来ます。※農薬はラベル等に記載されている使用基準に従い、適用のある植物に使用して下さい。