種まきの基本

種まきの基本的なテクニックを覚えれば、ほとんどの植物に応用できます。
土づくりと一緒に身につけておきましょう。

1.種の購入と保存方法

種にはそれぞれ「まき時」があります。店頭で購入する際は、種のパッケージのウラ面に必ず載っている「カレンダー」を見てから購入しましょう。 種にとって湿度と温度変化は大敵。パッケージを開けたらすぐ種をまくようにしましょう。どうしても残った種を保存したい場合は、乾燥材を入れた密封容器に種を入れて冷蔵庫で保存しておきます。


2.種から育てるのに適した野菜

基本的にはどんな野菜でも種から作ることはできますが、畑に種をじかまきすると上手く育たないものもあります。 種のじかまきに適した野菜は「根が弱く移殖に適さないもの」「栽培がカンタンで比較的短期間に育つもの」です。 (例…ダイコン、ニンジン、ゴボウ、コマツナ、シュンギク)


3.温度が高い時期は「芽出し」をする

レタスやホウレンソウの発芽適温は20℃前後。夏など気温が25℃以上の時に種をまくと、発芽率がとても悪くなります。
そこでパッケージから出した種を冷やす「芽出し」作業を行ないましょう。


芽出し




逆に、高温(20℃〜30℃)にならないと発芽しないトマト、ナス、ウリ類、トウモロコシなどは暖かくなるまで待つことが必要です。


4.畑にじかまきする、良い土の状態

水はけの良い土にする

植物は根から水分や養分を吸収して呼吸しています。
土粒が小さいと水はけが悪く酸素がたまりにくくなり呼吸困難になってしまいます。
大小の土粒をまぜた畑の土にしましょう。


酸性の土には要注意


日本の土は火山質のうえ雨が多いので土中のアルカリ物質が流れ出てしまい、土質は酸性になりがちです。
酸性の土では土中のカルシウム、マグネシウム、カリウムなどが少なくなり植物の生育に悪影響を与えます。
石灰を適度に施して、土質を中和しましょう。
ただし一度に施すのは逆効果なので1平米あたり2〜3握りを種まきの1〜2週間前に施します。


畑の土づくり


種のまき方



覆土

種をまいた後は、種の厚さの2〜3倍の厚さの土をかけましょう。
かけた上から軽く土を押さえ、土が飛ばないようにします。
土を掘って種を深く埋めたり、上から強く押し固めると発芽しづらくなります。


種のまき方

最後に水を与えて発芽に必要な水分を供給します。水の勢いが強すぎると種が流れてしまいますし、与える量が多いと土が固まってしまいます。
ジョウロでやさしく水やりをするか霧吹きを使いましょう。


5.プランターに種まきする際の土

畑から持ってきた土は、雑草の種や根、病害虫などが含まれています。
せっかくまいた種がこれらに負けてしまいます。
コメリ各店で扱っている「種まき・差し芽専用の土」を使うことをおすすめします。


6.トラブルとアドバイス1
「種をまいたけれど芽が出ない」

温度が高い/低い

発芽温度を確認しましょう。芽出しが必要なものもあります。


乾きすぎている

乾かしすぎると発芽が悪くなります。発芽まで注意して水やりして下さい。


湿りすぎている

水はけの悪い場所やプランターでは、水やりに注意して下さい。


7.トラブルとアドバイス2
「芽は出たがよく育たない」

日照不足

第一の原因として考えられるます。日当たりの良い場所を選んで下さい。


庭土を使っている

庭土には雑草の種が含まれています。種まき専用の土を使いましょう。


乾きすぎ/湿りすぎ

夏の乾燥時期、梅雨の長雨時は特に水の管理に気を付けて下さい。強い雨に当てないことも大事です。


8.トラブルとアドバイス3
「生育の途中で結果が悪くなる」

栽培が適期でない

春まきのダイコン・ハクサイなどはまいてから低温にあうと「とう立ち」してしまいます。
早くまきすぎに注意しましょう。


移植を嫌う作物

ダイコン、カブ、ニンジンなどは移殖すると生育不良の原因になります。
必ずじかまきするようにしましょう。


連作に注意

スイカ、ナス、トマトなどは2回目に作る場所を変えるか、土を入れ替えて作りましょう。


発芽まで日数がかかる種

ミツバ、パセリ、シソ、アスパラガスなどは発芽まで10日以上かかります。
水やりなどを丁寧に管理しましょう。


協力:株式会社トーホク

参考資料:
や・さ・し・い家庭菜園 PART1(株式会社トーホク)
失敗しない野菜作り入門(主婦の友社)

関連ページ:
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