米びつをあけたら中に虫がわいていた!なんて経験有りませんか?
お米の害虫の知識や発生原因、その対処法をご紹介します。
生命力が強く約7ヶ月も生息し、1匹が一生に約380個の産卵をするといわれています。成虫は黒いので見つけやすいですが、幼虫はお米の外側だけを残して内部を食べて育つので、簡単には見つかりません。
成虫は1週間生息し、1匹が約200個の卵を産みつけます。幼虫はたくさんの糸を吐きながら、食べくずを綴り合わせて薄くて白いマユを作ります。高温多湿を生息の条件にしています。
コクゾウ虫によく似ていますが、ややスリムです。成虫は褐色または淡褐色。
成虫は体長2〜3ミリの細長い円筒形。とても強力なアゴでお米をバリバリとかみ砕き食い荒らします。短期間で膨大な数に増えるので要注意。
コクゾウ虫が繁殖することにより発生することがあります。
コクゾウ虫が食べた後のお米の食べカス(粉)を食べに、米びつの中に侵入してきます。加熱しても分解されない発ガン性のキノン類を分泌することでも知られています。
コクゾウ虫が繁殖することにより、その食べカスや死骸を食べるチャタテ虫が、米びつの中に侵入することがあります。ヒラタチャタテは消化管内にカビの胞子を多量に持ち、その中には発ガン物質を生産するカビも含まれているといいます。
参考文献:●吉田・渡辺・尊田著「図説 貯蔵食品の害虫」●鈴木・綿方著「日本の衛生害虫」●安富・梅谷著「衛生害虫の衣食住の害虫」●山ア著「たべものの毒」 写真:アラミック開発研究室撮影
それはすでに米粒の中に産みつけられた卵が、発育活動に適した環境になり発生したのです。
お米の害虫コクゾウ虫は、お米が収穫されてから、私たちに届くまでのあいだに、チャンスを見つけてお米に卵を産みつけます。
お米に産みつけられた卵が成虫になるまでの期間は約30日位です。
(温度や湿度に関係しますが、温度が15℃以下になると、活動をやめます。)
お米を15℃以下の低温倉庫に貯蔵している間はいいのですが、ほとんどの家庭の米びつ設置場所はコクゾウ虫にとって活動しやすい環境にあり、活動をはじめ、繁殖してしまいます。
通常の備蓄米用の低温保管倉庫は常に15℃以下に保たれ湿度も一定に維持されています。そうすることにより、お米の呼吸を抑え、成分の変化が進まないようにするとともに、害虫やカビの繁殖も防いで、新米とほとんど代わらない品質を保っています。
※低温倉庫で貯蔵中に殺虫剤としての米のくん蒸処理に使用していた臭化メチルは毒性が強く残留性があるということで、1991年食糧庁の指導で実施されなくなりました。
1.収穫時や農家で侵入
2.流通過程で侵入
3.精米するときに侵入
少しでもお米をおいしく保存するために、お米は熱のこもらない、風通しの良い冷暗所で保存しましょう。
■ポリ容器の場合
古いヌカに害虫の卵が残っていることがあるので、きれいに洗ってよく乾かしましょう。
■軽量米びつの場合ブラシなどで付着しているヌカをきれいに拭き取ってください。しかし、軽量米びつは隅々まで掃除するのが難しい構造になっているので、できればシンプルな米びつで保存しましょう。
シンプルな米びつのほうが掃除しやすく、虫の発生率が下がります。
温度や湿度、季節の変化によって、お米を長く保存すると、お米の味を損なう原因になります。お米は精米日より、秋冬なら約1〜2ヶ月、夏なら約半月位がおいしく食べられる期間です。お米は季節によって購入量を変え、上記の期間内に食べきれる量を購入しましょう。
資料協力:株式会社アラミック
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