Fumikoの楽しいガーデニング

Lesson 3 水のはなし

水や空気はいつも私たちの周りにあるのが当たり前になっていますから、普段はあまり気にしませんよね。でも、人間は水でできているといっても過言ではありません。受精卵のときは99%が、生まれたときは約90%が、そして成人で約70%が水分なのです。トマトとかクラゲは95%もが水分です。

私たち人間の体には平均して約38リットルの水が含まれているというわけで、そのうち2リットルは毎日補給しなくてはなりません。その水をきれいに流してあげることが健康につながります。植物も同じ。水やりが植物の健康を左右します。今回はその水についてのお話です。


1.水のふしぎ

画像水はあらゆる物理法則を裏切る不思議な物質です。固体より液体のときのほうが密度が高いし、色も匂いも味もないのに、不活性ではなく、酸や塩基として働く珍しい物質です。時間さえあれば殆どどんなものでも溶かしてしまいます。普遍的溶剤といってもいいほどで、雨も地面に降り注ぐまでの間にいろいろな物質を溶かし込んでゆきます。地上にある水はたいてい何らかの水溶液になっているというわけです。ガラスのコップに注いだ水も、口に入るときにはガラスの分子を含んでいるんですよ。意外でしょう?

また、この世に存在するすべてのものは全てのものは振動し、固有の周波数を発して独特の波動をもつというはなしをご存知でしょうか。量子力学の世界では、物質は本来すべて振動に過ぎないということが常識です。ものを細かく分けてゆくと、粒子であり、波であるという世界になるのですが、世の中の全ての振動を忠実に写し取ることができるのが水なのです。つまり水にはあらゆる情報を覚えさせることができるというわけです。またちょっと難しい話になってしまったかしら?


2.生き物の体の中の水

同じ生き物である動物や植物の中の水はまた、まったく違った物理性や化学性をもっています。たとえばその水は腐ることがなく、通常の世界ではたんぱく質などの大きな分子がアミノ酸に分解されていくのと反対に、生体内の水の中では、アミノ酸のような小さな分子がたんぱく質を合成していくというような逆の働きを持ちます。

画像生体を構成する水、つまり生体構成水をパイウォーターとも呼んでいますが、これを発見し、体外で作ることに成功したのが元名古屋大学の山下博士。彼は植物の花芽ホルモンを研究している過程でこのパイウォーター(1985年に山下博士が命名)を発見したのでした。

普通の水を外においておけば腐りますが、パイウォーターを空気中にさらしても永遠に腐ることは決してありません。この秘密はニ価三価鉄塩です。これが2x10のマイナス12乗モルの濃度で水中に存在するとき、自由電子が構造電子となって、イオン化の起きない水となります。私たちの中の水の情報が狂ってくると病気を引き起こすのですが、人間や植物の病気や老化も、酸化やイオン化から起きるわけです。

そのため現在では、パイウォーターシステムを応用した数々の製品が存在し、動植物の生体エネルギーをアップするのに役立っています。私もこの水を飲んでいますし、植物用にもパイウォーターシステム応用の土壌改質剤や堆肥を利用しています。


3.植物の中の水−水やりは一番大切なメンテの基本−

画像さて、植物のからだでは、常時葉から蒸散作用という形で水が失われています。ですからそれを補う意味でも、土の中の根の周りに必要な水分が必要ですね。ですが、土そのものも温かい季節になると水分がどんどん蒸発してゆきます。暖かい季節には水やりがより頻繁に必要になるというわけです。

水やりは定期的に行わなければいけない、大切な作業ですね。特に植えたばかりのものや芽を出したばかりのものは根の活動が活発ですから水分もより必要です。でも植物によって、乾燥気味に育てたほうがよいものや、湿った土が好きなものなど、水の管理方法も違ってきます。植物の原産地などを知り、性質に合わせた水やりをすることで、健康に保つことができますから、まずは育てているものを良く知るということが大切でしょう。


4.コンテナ植物の水やり−目と耳と手で感じてみる−

植物の様子だけでなく、コンテナの土にも注意を払います。表面は湿っていますか?カラカラに渇いているでしょうか?見るだけでなく音でも判断できますよ。テラコッタ(素焼き)の鉢などだと、軽くたたいてみて低く鈍い音がするときは水分が含まれているし、逆に済んだ音がするときには乾燥している証拠です。

画像土の中に指を差し込んでみて土の中に湿り気があるかどうかを確認してみましょう。手に土がつかずダストのように感じるなら水遣りが必要ですね。また、鉢を持ち上げてあまりにも軽いようならこれはちょっとシリアス。こうなると水をあげても表面と鉢の脇を水が流れて行くだけで土の中に染み渡りません。そんなときはバケツの水の中に鉢ごと漬けてあげましょう。ぐったりしている植物もこれで生き返ることがあります。

ジョーロなどで水遣りをするとき、大きな面積が濡れるので、水をたくさんあげたような気になりがちですが、実際に土が濡れていないことも良くあります。水をやるときは、基本的に株元に、たっぷりと水を注ぎます。コンテナの底から水が流れ出してくるまであげましょう。


5.ため水を利用する

写真イギリスでは水をとても大切にします。雨水を貯めたり、台所やお風呂で使った水を利用して庭の水遣りをするのは当たり前ですし、石灰分の多い硬水のイギリスでは雨水は酸性土を好むロドデンドロンなどのコンテナ栽培をするときに好んで使われます。日本では水は豊富ですが、塩素分のない雨水をもっと利用してもいいですね。


6.夏場の水やり

夏場は水遣りが大きな作業ですね。基本的なことですが、朝のうちに土にたっぷり水遣りをします。日中は避け、咲いている花には直接かけないように気をつけましょう。また夕方には葉に水をかけて、気温の下がらない夜に備えます。


7.

植物の性質によっても水やりを加減するという話をしましたが、たとえばローズマリーの場合、この季節になると「春だわ!」と感じて、根から限りなく水を吸い込んでしまいます。そうすると耐寒性が落ちるのです。こんなときに遅霜などでやられてしまうことがあるのですね。

ですからローズマリーは、コンテナでしたら水遣りは本当に暖かくなるまでは控えたほうが安心ですし、地植えの場合でも少し高植えにして乾燥気味に管理するとよいでしょう。
レッスン内容
Fumikoからのメッセージ
Lesson 1
ツール(道具)
Lesson 2
土のはなし
Lesson 3
水のはなし
Lesson 4
花柄つみと施肥について
Lesson 5
剪定、切り戻し
Lesson 6
雑草のはなし
Lesson 7
なめくじや病害虫と自然農薬
Lesson 8
元気な植物を育てる(コンパニオンプランティング)
Lesson 9
土中の水分とマルチング
Lesson 10
コンテナとハンギングバスケット
Lesson 11
スタイルとテーマ
Lesson 12
カラースキームと、植物の持つヒーリングパワー


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