わんちゃん栄養学 健康について

体内から健康な皮フとすばらしい被毛を作り上げる

被毛の状態に影響するものは?

健康なワンちゃんには一見して特別な外見があります。目には輝きがあり、足取りは弾んでいて、とりわけ被毛は健康的でつやつやしています。こうした輝きは、ワンちゃんが体の隅々まで健康であることのあらわれで、体の内外の状態が良いという目安です。以下は、皮フと被毛の健康を左右する要因です。

  • 遺伝
  • 栄養
  • 体内または体外の寄生虫
  • 健康
  • グルーミング


ワンちゃんの被毛の密生状態、長さ、色、そして手触りは遺伝によって決まりますが、手入れしだいで皮フや被毛の健康が大きく違ってきます。 獣医さんに定期的に健康診断をしてもらえば、病気知らずで寄生虫がいないでしょう。ノミに噛まれたことによるアレルギーや疥癬などの皮フの寄生虫は、主として脱毛や皮フ病の原因になります。

 

バランスのとれた栄養で、美しい被毛作り

品質の良いペットフードを与えることが、ワンちゃんの皮フと被毛の健康を保つためにできる最良の方法です。ワンちゃんは雑食動物と見なされていますが、肉食動物として食事を与えるのが一番望ましいのです。ワンちゃんにはタンパク質が必要で、動物性のタンパク質源の豊富な食事で丈夫に育ちます。 被毛は、なんと95%がタンパク質なのです!被毛の伸びは犬種によって違いますが、すべての被毛の伸びを合計すると、一日で30メートルに達するワンちゃんもいます。つまり、ワンちゃんの一日あたりタンパク質必要量の30%近くが、数シーズンにわたって被毛の成長のためだけに使われていることになります。 皮フが厚ぼったくなったり、うろこ状になり、弾力性に欠け、脱毛が見られるようになったら、栄養不足の徴候かもしれません。かかりつけの獣医さんに見てもらい、高品質のプレミアムフードを与えてみてください。 プレミアムペットフードは、バランスがとれるように細心の注意を払って製造されているので、ペットが必要とするあらゆる栄養素を含んでいます。プレミアムフードの原材料は非常に消化吸収が良いので、ワンちゃんの生体は効率良く栄養素を利用できます。 低価格のフードには品質の悪いタンパク質が含まれていることがあります。プレミアムフード1袋は他のブランドより多少高いかもしれませんが、一般的に与える食事の量は少なくなるので、価格差は最小限にとどまります。

 

食事に含まれている脂肪があの輝きを生む!

最近の科学的研究で、特定の脂肪酸がワンちゃんの皮フと被毛の健康に決定的な役割を果たしていることがわかりました。しばらく前から獣医師と科学者には、ビタミン豊富なフィッシュオイルを含んだ食事がつやのある豊かな被毛の育成と維持に重要であることがわかっていました。

 

ワンちゃんの外観のお手入れ

美しく健康的な被毛を作るうえで最も重要なことはワンちゃんの体内の健康を保つことですが、同様にワンちゃんの「外観」の手入れも重要です。 定期的にグルーミングして、抜け毛、汚れ、もつれ毛を取り除き、皮脂を行きわたらせます。この時、ワンちゃんをしっかりとチェックして、早期に皮フのトラブルを見つけましょう。ワンちゃんは、注意を注がれるのが大好きです! ワンちゃんは年齢を重ねるにつれて、皮フが敏感になることがあります。高齢犬には、犬用のマイルドなシャンプーを選びましょう。ココナツ油やヤシ油を原料としたシャンプーがもっともマイルドです。いつもと違う「ワンちゃんの」臭いは、病気のシグナルかもしれません。臭いが消えないようなら、かかりつけの獣医さんに相談してみてください。人間用のシャンプーは、実際にはワンちゃんの皮フには強すぎるので、使わないでください。シャンプーをしっかり洗い流すのが、ワンちゃんの入浴でもっとも重要です。皮フにシャンプーが残ると、炎症を引起すことがあります。シャンプーの後で、静電気をおさえボディーにプラス α、つまり毛づやを与えるためにヘアコンディショナーをつけても良いでしょう。 夏が近づく頃は、ワンちゃんの皮フと被毛をしっかり観察する時期です。冬の被毛が多く抜け、季節的にノミに悩まされるワンちゃんもいるので、皮フや被毛の状態を知るのには良い時期です。多忙な夏に、ワンちゃんの状態が手に負えなくなっては困ります。

 

グルーミング・ツールの必需品

  • ブラシ
  • ノミ取りくし
  • 爪切り
  • 犬用マイルド・シャンプー


ワンちゃんの被毛と皮フに内側から外側へと注意を向けていると、毎日、見て楽しく、一緒に過ごして愉快な、健康的で生き生きとしたワンちゃんにすることができるでしょう。

子犬の健康管理

子犬に薬を与える

■ステップ1:
まずゲームをしながら、よくできたらほめてやりリラックスさせます。次に子犬と同じ目線になるように体の位置をかえます。もしワンちゃんが大型犬の場合は、おすわりをさせてから横にひざまずいて座ります。小型犬の場合は、ワンちゃんをグルーミング用のテーブルか調理台の上にのせます。

■ステップ2 :
一方の手をワンちゃんのマズル鼻づらにおき、もう片方の手で丸薬をもちながらワンちゃんの口をそっとやさしく開きます。

■ステップ3:
丸薬をワンちゃんの舌の中央に、なるべく奥のほうにいれてあげます。次に口を閉じさせながらワンちゃんの鼻にそっとすばやく息を吹きかけます。これはワンちゃんに丸薬を噛み砕かないで、すぐに飲み込ませるようにするためです。ワンちゃんが確かに丸薬を飲み込んだかどうかを確かめるためにすぐにおやつをあげてください。最後にまたゲームをして、できたらよくほめてあげてください。

 

獣医さんを探す

人と同じように、あなたの新しい子犬にも定期的にきちんとした健康管理が必要です。お友達やご近所の知り合いの意見を聞いて獣医さんを推薦してもらい、つぎのことを頭に置きながらよい獣医さんを選んでください。

  • 教育と経験。獣医さんの経験年数など。
  • 専門分野。都市地域では、ワンちゃんやネコちゃんの特定の病気専門の獣医さんもいますから専門を聞いておいたほうがよいでしょう。
  • 診療所の場所。これは教育、経験、専門より優先事項という訳ではありませんが、決してなおざりにはできません。緊急の病気の際、 遠方までドライブすることが、治療の手遅れになることもあります。
 

獣医さん訪問と診察の日取り

候補を絞り込んで目当ての獣医さんがだいたい決まったら、一度病院を訪ねてみましょう。設備を見て、獣医さんにあなたの新しい子犬のことを話してみます。それで気に入ったらワンちゃんの健康状態を調べるために獣医さんに連れて行く日取りと時間を決めましょう。できれば、ワンちゃんが家に来て健康状態がいいことを確認した後3日以内くらいに連れて行くことをおすすめします。獣医さんは、まず次のことをチェックするでしょう。

  • 便。検便で体内の寄生虫を検査します。
  • 身体検査。ワンちゃんの毛並みをチェック、異常がないかどうか胴体を触診、目、耳、口、心臓を診察するなど、徹底した検査をします。
  • 検査が終わると、獣医さんはワクチン接種のスケジュールをたてます。その後、避妊や去勢などの話をしてくれるでしょう。
 

避妊と去勢

繁殖を考えていないのならば、避妊か去勢の手術をおすすめします。ワンちゃんの繁殖には費用と時間と専門技術が必要で、大部分のペットオーナー様にとって、これは大変なことでしょう。あなたのワンちゃんが避妊か去勢をした場合のプラス面はつぎのような点です。

  • メスに関しては、発情期の間の面倒が避けられる:6カ月ごとに21日間のサイクルで発情期(性周期)があります。メスの発情期は時々、生後6ヶ月くらいから始まります。
  • 最初に始まる発情期の前に避妊手術を行えば、乳腺腫瘍や子宮の病気にかかる率が低くなります。
  • オスは、去勢すると、去勢していないワンちゃんより攻撃性が弱くなる傾向があります。
  • 去勢したワンちゃんは自分の領域に印をつけようとする性癖が少なくなるでしょう。
  • 去勢するとメスの相手を求めて外をはい回することが少なくなります。
 

避妊手術と去勢の時期

ワンちゃんの避妊手術と去勢の手術は生後約6カ月に行います(犬種、成長度にもよるので一概ではありません)。どちらの手術も麻酔をかけて行い病院に一晩泊まる必要があるかもしれません。回復期間は短く、たいていのワンちゃんたちが2、3日で普通の活動力に戻ります。避妊手術はメスに行われるもので、オスに行われる去勢は睾丸の摘出です。最初の徹底した健康診断のためにワンちゃんを獣医さんに連れていったとき、詳しく手術の方法や所要時間など説明してもらいましょう。

どのような場合が緊急事態?

緊急事態が起きた時は何といっても時間が勝負。でもあなたは、ワンちゃんによく起こる、健康を脅かすような危険を判断することができますか? 以下に挙げるのは、よくある緊急例を用いた問題です。もっとも危険だと思う項目に印をつけ、その後、答をチェックしてみてください。複数回答可なので、正しいと思う項目すべてに印をつけてもかまいません。

 

1.あなたが落とした錠剤をワンちゃんが口に入れ、飲みこんでしまいました。問題を起こす心配があるのは次のどの薬でしょうか?

  • a.経口避妊薬
  • b.鎮静剤
  • c.イブプロフェン
  • d.アセトアミノフェン
  • 正解:全部

これらの薬を1錠だけ飲みこんだのならば、問題が起こる可能性はあまりありません。しかし、複数の錠剤を飲んだ場合は問題が起こるかもしれません。ワンちゃんがこういう薬を多量に飲みこんでしまった場合は獣医さんに診察してもらいましょう。

 

2.ワンちゃんが車に跳ねられました。獣医さんに診せた方がよいのは次のどの場合でしょうか?

  • a.歩けるが足を引きずる
  • b.外傷は見当たらない
  • c.元気そうにみえたが、現在ぐったりしている
  • d.あえいでいる
  • 正解:全部

内傷があってもすぐには分からないので、目で見た部分に傷がなくても獣医さんの診察を受けるべきです。呼吸困難になっている時は特に危険な状態です。(ワンちゃんをリードにつなぐことで、多くのケガから守ることができます。リードのしつけのためのヒントを知りたい方はここをクリックしてください)

 

3. 出血が止まりません。急いで手当てしなければならないのは、次のどの場合でしょうか?

  • a. 深い切り傷で、30分経ってもじくじく出血している
  • b. 足の爪を深く切り過ぎたためキャンキャンないている
  • c. 歯ぐきが青白い
  • d. 傷口を圧迫すると出血が止まった
  • 正解:aとc

歯ぐきが青白くなっているのは血液が大量に失われていることを示しています。ケガをして出血が5分以上続く場合は、すぐに治療を受けなければなりません。短時間で大量出血した場合は生命を落す危険があります。

 

4.ワンちゃんが裏庭で遊んでいましたが、フェンスを飛び越えようとしてケガをしてしまいました。重大なのは次のどの場合でしょうか ?

  • a. 地面につけようとしない足がある
  • b. 足を少し引きずりながら歩く
  • c. 少しの間足を引きずるが、その後は普通に歩く
  • d. 曲がり方のおかしい足がある
  • 正解: aとd

足に体重をかけようとしなかったり、普段とは違う位置に足を置いたりする場合は骨折か脱臼を起している可能性があるので、すぐに手当てしなければなりません。体重はかけるけれども足が痛そうな場合は、辛そうに鳴くこともなく、明らかに痛みのあることを示す徴候(例えば、トイレは外でするなど普段の習慣を面倒がる)がない限り次の日を待っても大丈夫でしょう。

 

5. 体重4.5kgのワンちゃんにネッド叔父さんがチョコレートを食べさせました。どの位の量が危険量でしょうか?

  • a. 10gのミルクチョコレート
  • b. 60gのダークチョコレート
  • c. チョコレートをかぶせたアーモンド1個
  • 正解:b

チョコレートは純粋であればあるほど危険度も増します。ワンちゃんの体重が約4.5kgの場合、ミルクチョコレートなら約280g食べると中毒を起しますが、製菓材料用チョコレートなら約28gで中毒を起します。ワンちゃんがチョコレートを食べてしまった時はすぐに吐かせる方がよいと言う獣医さんもいるほどです。チョコレートに限らず、私たちがテーブルにのせる食物にもペットには危険なものがたくさんあります。

 

6. ワンちゃんとキャッチボールの最中です。急いで手当しなければならないのは次のどの場合でしょうか?

  • a. 野球のボールが頭に当たった。ワンちゃんはキャンキャンと吠えがそのまま遊びつづけている
  • b. ゴムのボールが口の奥に詰まった
  • c. ワンちゃんの方があなたより上手くボールをキャッチする 
  • 正解:b

柔らかいゴムのボールは中型・大型犬の上気道にスッポリおさまるサイズです。気道に物が詰まるのはまさに緊急事態に違いありませんが、ほとんどないケースです。 アドバイスをもうひとつ。かかりつけの獣医さんと時間外診療を受け付けてくれる近くの救急動物病院の電話番号を書いたメモを見えるところに貼っておきましょう。



鼓脹症の症状を認識する

鼓脹症とはどんな病気でしょう

鼓脹症は生命にかかわる症状で、急激に進行し、ただちに診断して適切な手当てをしないと数時間以内に死を招きかねない病気です。残念ながら、今のところ原因は分かっていません。  鼓脹症の正式病名は胃拡張捻転症候群(GDV)といい、特徴はガスによる胃の急激で異常な拡張です。胃の捻転が起こり、この捻転は胃の出入り口を閉ざします。同時に血管も閉鎖されるので血流も不十分になります。 つぎに胃の内圧が上がり、周囲の内臓器官への圧力も上昇します。最後に血流不十分な結果としてショック症状が起こります。

  • 鼓脹症は常に医療上の緊急疾患として扱わなければなりません
  • 鼓脹症の犬は、発症後数時間で死ぬことがあります
  • 鼓脹症の原因はまだ分かっていません
  • 米国では毎年36,000頭の犬が鼓脹症にかかり、その30%が死亡しています
  • 犬は年齢に関係なく鼓脹症にかかります。
  • 鼓脹症にかかりやすい犬種があります。特に胸の深い犬です。(別掲リスト参照)


胃はガスで急激に膨脹し、長軸部分が捻転します。 胃部の出入口は閉鎖され、血管が閉鎖し、血流不全を起こします。

 

鼓脹症の症状は

鼓脹症は、真の意味で医療上の緊急疾患です。迅速に診断を下して手当てしないと生命にかかわります。つぎの症状に気がついたらすぐかかりつけの獣医さんに駆けつけましょう。 鼓脹症の早期には犬は大変不快な様子を示します。動き回ったりキューキューと鳴き声を出したり、何とか気持ちのよい姿勢をとろうとするができないといった症状です。いかにも心配そうに胃の部分をなめたり眺めたり、吐こうとするけれど、なかなかできません。 他の症状としては、弱々しく見える、腹部が膨脹するなどがあり、ショック症状さえ出ることがあります。ショック症状とは心拍数や呼吸数が異常に増えるなどの症状です。

 

こうした症状に気がついたらすぐに獣医さんへ

  • 気持ちのよい姿勢ができなくて鳴き声を出す
  • 歩きまわる、あるいは落ち着きがない
  • 歯茎が白くなる
  • 吐こうとするが吐けない
  • 呼吸が異常に早い
  • 心拍数の心配なほどの増加
  • 苦痛で弱々しくなる
  • 腹部が鼓脹ぎみ(特に左側)
 

鼓脹症予防のために

鼓脹症発生を予防するため、つぎのようなガイドラインがあります。これは疑わしいと考えられる危険要因をもとに作成したもので鼓脹症の発症を必ず防止できると保証するものではありません。

  • 食事は一日2回か3回に分けて、少量ずつ給与すること
  • 食前1時間、食後2時間は運動を避けること
  • 食事や運動の直前直後は大量の水分の摂取は避けること
  • 2頭以上の犬がいる場合には、早食いやストレスのかかる食事をさせないよう、別々に食事を給与すること
  • 食後のような行動が見られるときは、できれば時間の間隔をあけて食事を給与すること
  • 食事内容の急激な変化は避けること
  • 鼓脹症の症状が見られたらすぐ獣医師に診せること
 

消化のよいフード

もうひとつおすすめしたいのは、高品質で消化吸収のよい、適度な量の線維質を含有したフードを、何回にも分けて給与することです。 正確な鼓脹症の原因が解明されるまでは発病のリスクを下げるための最善の方策は食事管理です。もちろん100%の効果は期待できませんが、生命をおびやかすこの危険な病気にかかる犬の数を、食事管理によって減らすことは可能です。

 

鼓脹症にかかる危険性の高い犬種

  • ジャーマン・シェパード
  • ブービエ・デ・フランダース
  • グレート・デン
  • ボクサー
  • セント・バーナード
  • ドーベルマン
  • ブラッドハウンド
  • ジャーマン・ショートヘアード・ポインター
  • アイリッシュ・セッター
  • ゴードン・セッター
  • ボルゾイ
  • アイリッシュ・ウルフハウンド
  • ダックスフンド
  • ラブラドール・レトリーバー
  • バセット・ハウンド


健康の輝き

被毛の状態に影響するのは?

健康なワンちゃんにはその外見に独特のものがあります。輝く目。はずむような足どり。とりわけ目立つのは、つやのある健康的な被毛でしょう。ワンちゃんの美しい毛並みは全身が健康であること、体の内側も外側も良好な状態が維持されていることの証です。ワンちゃんの皮フと被毛の健康には、次のようないくつかのことが影響します。

  • 遺伝
  • 栄養
  • 体内または体外の寄生虫
  • 健康状態
  • グルーミング

ワンちゃんは被毛の厚さ、長さ、色、手触りが遺伝で決まりますが、皮フと被毛の健康状態は、あなたの手入れ次第でかなり違ってくるでしょう。 獣医さんの定期検診を受けるようにすると、ワンちゃんが健康であること、寄生虫がいないことが確認できます。ノミに噛まれて起こるアレルギーやダニのような外部寄生虫は、脱毛や皮フ病の大きな原因になります。

 

バランスのとれた栄養で被毛をより美しく

ワンちゃんの皮フと被毛の健康を願うとき、品質の高いペットフードにまさるプレゼントはありません。ワンちゃんは雑食性動物と思われることがありますが、肉食動物として食事を与えられることが最も適しています。また、ワンちゃんにはタンパク質が必要なので、動物性タンパク質を十分摂取できる食事を与えると丈夫に育ちます。 ワンちゃんの被毛は、その成分の95パーセントをタンパク質が占めています!被毛の成長の度合いは犬種によって異なりますが、被毛全体が1日に伸びる長さを合わせると合計で30メートルになるケースもあります。これは、季節によっては、ワンちゃんの1日のタンパク質必要量の30パーセント近くが被毛の成長だけに費やされることを意味しています。 ワンちゃんの皮フが肥厚している、フケが多い、しなやかさを失って脱毛がみられる場合には、栄養が不足しているサインかもしれません。かかりつけの獣医さんに診察してもらい、高品質のプレミアムフードを与えるようにしてください。 プレミアムペットフードは、栄養のバランスがよくとれるよう入念に作られています。つまり、ペットが必要とするすべての栄養素がフードに含まれているということです。プレミアムフードの原材料はとても消化がよく、栄養素はペットの体内で効率よく利用されます。 安価なペットフードは含有タンパク質の質が悪いことがあります。プレミアムフードの1袋の値段はやや高めですが、一般に給与量が他のペットフードより少なくて済むので、結果的にはさほど高額なものにはなりません。

 

食事の脂肪で毛づやを!

ワンちゃんの皮フと被毛の健康にある種の脂肪酸が決定的な役割を果たしていることが最近の科学的研究で明らかにされました。オメガ-6脂肪酸の1つであるリノール酸が、豊かでつやのある被毛をつくり、維持するために大切だということは以前から獣医さんや科学者に知られていたことです。ただ、リノール酸がいくらよいものとはいえ、ワンちゃんが大量に摂取することはよいことではないのです。 最近のある研究によって、大切なのはオメガ‐6脂肪酸とオメガ‐3脂肪酸の適切な比率であり、両者の量ではないということが証明されました。オメガ-6脂肪酸とオメガ-3脂肪酸の比率が5:1〜10:1の範囲になるように脂肪酸を食事で与えることが、健康な皮フと被毛をつくるための食事のキーポイントです。

 

脂肪酸と皮フの健康

ワンちゃんにオメガ‐3脂肪酸のサプリメントを与えても、あるいはコーン油やベーコンの脂のような脂肪を食事に加えても、皮フと被毛を健康にする助けにはならないことがほとんどです。完全な食事でない限り、オメガ-6脂肪酸とオメガ-3脂肪酸を適切な比率にすることは非常に難しいのです。 脂肪酸の比率を適切に調整した食事は、皮フの健康維持にも役立ちます。オメガ-6脂肪酸とオメガ-3脂肪酸の比率は5:1〜10:1の範囲であるべきです。 結果が現れるのは、通常、食事を切り替えてから6〜8週間後です。ワンちゃんが皮フを引っ掻いたりかむのを止めない場合は、獣医さん師に相談しましょう。

 

"外側からの"犬の手入れ

室内犬の被毛を美しく健康にするためには、ワンちゃんの体内から健康を維持することはもちろんのこと、"外側からの"手入れも同じぐらいに重要です。 定期的なグルーミングは抜け毛や汚れ、もつれ毛を取り除き、皮脂を全体に行き渡らせることにとても効果的です。また、ワンちゃんの状態をチェックするチャンスにもなるので、皮フの病気の早期発見にも通じ、ワンちゃんもうれしいに違いありません! 皮フは加齢とともに繊細になります。高齢犬には皮フに優しいシャンプーを使ってあげましょう。一番マイルドなのはココナッツオイルやヤシ油から作ったシャンプー。異常な臭いがあるのは病気の前兆の場合もあります。こうした臭いが消えない時は、獣医さんに相談してください。ヒトが使うシャンプーはワンちゃんの皮フには強すぎるので、使ってはいけません。 入浴では、すすぎを完璧に行なうことが最も重要です。すすぎ残しがあると皮フを刺激することがあるからです。シャンプーのあと、静電気防止や被毛にこしを与えたり毛づやをよくするために、コンディショナーを使ってあげましょう。 夏が近づく頃は、愛犬の皮フと被毛に細心の注意を払わなければならない季節です。 多数のワンちゃんは、冬に被毛が抜けることが多く、季節的なノミの問題に悩まされるワンちゃんもいます。皮フと被毛の状態をよく見るのに一番良い時期でもあるのです。オーナー様は、夏は予定がつまっていることでしょう。しかし、そんな中、ワンちゃんの皮フが手に負えない状況になるのを避けるためにも、この時期を見のがさずにチェックしてあげてください。

 

グルミーミングの必須アイテム

  • ブラシ
  • ノミとり用のくし
  • 爪切り
  • 犬用のマイルドタイプのシャンプー

ワンちゃんの皮フと被毛について体の内側と外側から注意してあげると、きっと毎日一緒にいるのがうれしくなる、美しくて健康なワンちゃんになるでしょう!

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