Q&A

ペットと天候

家に勝る場所はなし

天候がどうであれ、大切なペットの安全を守り安心させるには、オーナー様ご自身が安心できる場所、つまりご自宅のなかにペットがいるのが一番です。高温多湿の夏や、氷の張る冬には、屋外にいるペットであれば、ペットがいつでもご自宅の中に入ってこられるようにしておきましょう。いつも屋外にいるペットが屋内で過ごす時間が長くなると、新たな問題が生じるかもしれません。屋内で過ごすことに慣れていないペットの場合、家の中のルールを知らないので、本来その動物が持っている習性、つまり噛んだり引っ掻いたりという行動をするかもしれません。人間にとって、こうした行動は破壊的で困りますので、花や観葉植物、貴重品はペットの届かない場所に移動しておきましょう。暖かい気候のもとでは、家の中と外を行き来するペットは、ノミを家庭内に持ち込む場合があります。また、季節が変わると被毛も生え変わります。定期的にブラッシングをしておけば家具やカーペットに付く毛の量を減らすことができるでしょう。

 

夏季

ペットが必要とするものすべてのペットは常に雨、雪や高温からの避難場所、たっぷりの新鮮な水、たっぷりの栄養満点のフードや愛情といたわりの心を必要とします。夏の暑さはペットにとってもつらいものです。だから、日陰で休めて水があり、涼しい風にあたることができる屋内にペットを入れておくことがベストです。涼しい風は、開け放った窓から入る自然の風でもエアコンの風でもかまいません。ペットが1日中屋外にいる場合は、どこかに日陰を確保しておきます。できれば草の上がよいでしょう。暑い季節には、舗装面だと大変高温になるからです。その部分には、1日を通じて日光が当たらないことを時間帯を変えて何度も確認してください。

夏季には、水分を多めに与える必要もあります。水の入れ物を大きくするか、ペットにとって飲みやすい蛇口から、無制限に水を飲める特殊な装置もありますので、これを使ってみてもよいでしょう。 ほとんどの獣医さんは、ワンちゃんやネコちゃんの被毛を剃ることをすすめません。これは被毛が断熱材の役割を果たしているためです。ただし、被毛の非常に多い犬種・猫種は暑さによる病気にかかりやすく、高温多湿の時期には、特にかかりやすくなります。被毛の非常に多い犬種の多くは、特に暑い日には犬用のプールの水でくつろぐのを好みます。

その他に暑さによる病気を起こしやすいペットは、高齢のワンちゃん、子犬、子猫、作業に携わるペット、そして平坦な顔をした種類、つまりパグ、ブルドッグ、ペキニーズ、ペルシャ猫などがあります。 車に乗って一緒に買い物に行く習慣のあるワンちゃん、あるいはネコちゃんの場合、暑い季節はおうちに残しておきましょう。車窓をあけておいても、車のなかの気温は30分以内に50度以上にもなります。大切なペットを熱射病にしてはいけません。 ワンちゃんを連れてのジョギングやサイクリングも、暑い季節には危険を伴います。長い運動を続けるとヒトの体温が上がるのと同様に、ペットの体温も上がります。ところがヒトとは違って、ワンちゃんやネコちゃんには熱を放出する汗腺がありません。体温を下げるには「はあ、はあ」と息を吐き出すしかないのです。ところが、外気温が体温と同じくらい、またはそれ以上の場合、この方法ではあまり熱を逃がすことができません。

 

暑さによる病気の対策

体温の異常な上昇による問題については、とにかく異常な上昇を避けることが一番です。それでもなお、激しく息をしている、体が震えている、筋肉に力がない、嘔吐する、ふらふらしているといった症状が見られる場合は、暑さ負けしている恐れがあります。 そうした場合には、適度に冷たい水(冷たすぎてはいけません)でペットの体をぬらし、風通しのよい場所に寝かせて、すぐに獣医さんのもとに連れて行ってください。

 

冬季

寒い季節もペットには特別なケアが必要です。 寒い季節にも、暑い季節と同様、おうちのなかにペットを入れるのが理想的です。家のなかなら、冷たい外気、雪、氷を避けることができます。屋外にいるペットには、寒さをしのげる場所と新鮮な食事、そして凍っていない水を用意しましょう。屋外の水が凍るのを防ぐには、水を入れるボウルを暖める電気ヒーターがよいでしょう。 雪が降っていたり、氷が張った屋外にペットを連れ出す場合、足の裏をよく調べて、傷や氷片がないか確かめてください。塩や除雪用化学物質を撒いた舗装道路を歩いた後は、湿った布で足を拭いてあげてください。

 

凍傷の治療

体が冷えたペットは毛布でくるみ、徐々に正常な体温に戻るようにします。 体が冷え切ったペットの体温を徐々に上げるには、温水浴もよい方法です。湯が熱すぎてはいけません。電気毛布やヒートパッドは火傷の原因になる場合があるので、おすすめできません。 極度に体が冷え切っている場合や触っても反応しない場合は、大至急獣医さんに連れて行ってください。

 

その他、冬季に気をつけること

冬に自動車などに使用する不凍液には、エチレングリコールという化学物質が入っていますが、これがペットには大変危険です。甘い味がするのでワンちゃんもネコちゃんも引き付けられてしまうのですが、ティースプーン1杯でも腎臓に問題を起こしたり、死を招く場合さえあります。 ペットが自動車といっしょにガレージにいる場合には、ラジエーターから液漏れしていないことを確認してください。不凍液をなめてしまった恐れがある場合は、至急獣医さんに連絡してください。 すぐに処置をすれば助かる見込みがあります。 一酸化炭素中毒も特に冬季には、自動車といっしょにガレージにいるペットにとって大きな問題です。自動車を始動させ、アイドリングする前に必ずペットをガレージの外に出しましょう。

わんにゃん栄養学