ガーデンデザインレッスン

Lesson 12 庭の仕上げ - コンテナの位置ぎめ -

写真コンテナを購入するとき、通常考えるのは以下のようなことでしょう。
● スタイルやサイズ、形など
● 植える植物
● コンテナを置く場所

ガーデンセンターで植物を物色し、買った植物に合いそうなコンテナを選ぶかもしれません。今日はそれを違う方向からみてみましょう。

ステップ1. 新しく購入するコンテナを使って、庭のイメージアップしたい場所を考える。
ステップ2. どの位置に、どんな風にそのコンテナを置くのかを考える
ステップ3. そこに似合うコンテナを選ぶ
ステップ4. それに似合う植物選びをする。

今回のレッスンでは、コンテストに参加してくださった作品を紹介する折、8つのカテゴリーに分けてみました。単体で置く場合、複数を置く場合、反復( 繰り返し)、ラティスと合わせる場合、メインゲートに置く場合、アプローチに使う場合、玄関周りの場合、オリジナルアイディアの8つです。



Single:単体で置く場合

写真写真写真
ここにある三枚の写真は、私たちのお気に入りの、英国のプライベートガーデンで撮ったものです。これをみていただくと、コンテナそのものがデザインの一部として活かされていること、また美しいコンテナを使用するときには、必ずしも植物が必要だとは限らないことを理解していただけるかもしれません。



Grouping:複数で置く場合

写真複数のコンテナを、レイアウトを考えて配置すると、大きな効果が得られます。そのとき、コンテナや植物を使って、様々な高さを表現すると植物も引き立つし、より素敵になります。鉢そのものに高さがないときは、レンガやブロック、テーブルなどの台の上に乗せる方法もありますね。そうすることで手前にある背の低い植物のバックグラウンドとしても効果を発揮します。ここでは同じ素材の、素焼き(テラコッタ)の鉢でそろえています。

写真この写真は奇抜なデザインですね。こういった演出をしようと思うと、少し大きなスペースが必要になるかもしれません。この場合も、手前と奥側の2つの鉢は同じものを使っており、斜めに、転がしたように置いてあるつぼ型の鉢をスターとして置いています。欠けたり、ヒビが入ったような鉢をこんな風に利用するのもおもしろいかもしれませんね。

写真
ガーデニングコンテスト作品
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Repetition:反復(繰り返し)

写真コンテナを使って庭を演出するとき、この繰り返しの手法はとても効果的です。比較的安価なコンテナを使っても効果は十分期待できますよ。このとき、コンテナだけでなく植える植物もある程度統一すると良いでしょう。

写真この写真をみると、違った色やタイプのコンテナが入ると、繰り返しの妙が乱されてしまうことがわかります。

写真写真
ガーデニングコンテスト作品
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With Lattice:ラティスと合わせる

写真日本で言うラティスとはちょっと違う使い方を英国ではしています。格子の間隔も大き目だし、斜め格子よりも、たて格子のほうが多いように思います。ラティスはクライミングプランツ(つる性植物)のためのもので、ここでは英国で見た斜め格子のものを紹介しましょう。つる性植物だけでなく、そこからハンギングバスケットを吊るためのブラケットを出していますね。通常の場合、ラティスを使って左右対称にハンギングを吊るしたり水平に下げたりするのが難しい場合もあります。しかも、あまり重いとラティスへの負担が大きくなりすぎるという問題も生じるかもしれません。

写真こういった斜め格子のラティスはガーデンの中の仕切りとして使ったりします。

写真このようにデコラティブなラティスも人気です。庭の突き当たりにある高い塀にとりつけ、クライミングプランツ(つる性植物)を絡ませたりハンギングバスケットを吊ったりして楽しんでいるようです。

写真写真
ガーデニングコンテスト作品
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Main gate:メインゲートに置く

写真メインゲートを飾るというのは、2つの理由から英国ではあまり見られません。ひとつには、ゲートの内側に十分なスペースがあること、もうひとつには外を通る人や環境に気を使ってのことです。でもレストランやショッピングエリア、B&Bなどではそういった装飾が見られます。

写真 この写真はコッツウォルズ地方にある村の、土産物を売るショップです。ゲートはありませんが、前面をコンテナやウォールハンギング、そして犬(??)で飾っています。ゲートやエントランスにコンテナを置くと、通行の邪魔になるかもしれないことに気をつけないといけませんが、写真のようにフロントガーデンがなく、道路や歩道に接面している場合は、こうしてコンテナを使用しているところが見られます。そういった場合でも、コンテナだけでなくてたいていの場合はウォールハンギングや、ハンギングバスケットを使ったり、クライミングプランツ(つる性植物)を家の壁に這わせたりして、立体的に緑を演出しているようです。

写真
ガーデニングコンテスト作品
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The Approach:メインアプローチに置く

写真アプローチのスタイルは、日本と英国ではだいぶ違うかもしれません。英国では比較的アプローチが長く、したがって植物を植えるための土の部分も大きいことが多いですね。この写真では、コンテナは玄関のドアへと導くフォーカルポイントの役割をしています。このタウンハウスでは階段の手すりと色合わせしたメタル(金属製)のコンテナを使っています。

写真ローメンテナンスのアプローチが欲しくてこんな感じにする人もいます。

写真写真
ガーデニングコンテスト作品
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Entrance Door:玄関ドア周り

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玄関ドアの周りはコンテナには格好のおき場所です。訪れる人に歓迎の心を伝えられますし、そのことが又話題になったりもしますね。もっともポピュラーなのは、ドアの両側に対照的にポットを置くやり方です。

写真
ガーデニングコンテスト作品
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Originality:オリジナリティー

写真いろいろと話しましたが、行き着くところは、皆さんのテイストです。よそにお邪魔したり、雑誌を見たりしていろいろとアイディアやヒントを得ても、実際に庭にそれを活かしたり装飾したりするのは皆さんのテイストによるのです。コンテナを使うと、庭にオリジナリティー(独創性)が生まれますよ。もし通りがかりの人や、友人が「ちょっと、アレ素敵じゃない?」とか「ちょっと他では見たことないわね」などとつぶやいたら、オリジナリティーがあるという証拠。胸を張ってくださいね。

写真
ガーデニングコンテスト作品
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コンテナ位置決めのヒント

置く位置を考えてからコンテナを選ぶ


複数置くときは高さを出す。


反復の効果を狙うときは、同じポットを使用


ラティスフェンスにハンギングバスケットを掛けるときは、重量の負担を考えて。


同じコンテナを対でドアやゲートの両脇に置くと効果的


自分のセンスでコンテナと植物にオリジナリティーを持たせる


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