Fumikoの季節の植物たち
2005/02
車の中などにいると、日差しが強くなってきているために、外の寒さを忘れてしまうような気がしますがまだまだ風は冷たいこの季節。 今のうちから少しずつ草抜きなどもしておくと楽だと思いつつ外に出るのは勇気が要りますよね。でも3月の声を聞くと心が弾みます。3月は暖かくなってくるため関東などではローズマリーやラベンダーなどが一斉に根っこから水分をどんどん吸収し始めて、耐寒性が落ちる時期です。この頃に霜にやられてしまうことのないよう、鉢物は水遣りを控えめにしておきましょう。 今回は、春先に華麗な花を咲かせるシモクレンと、インドアグリーンのフィロデンドロン・クッカバラを選んでみました。



シモクレン(Magnolia liliflora)
画像紫木蓮、木蓮華ともいうモクレン科モクレン属の、大型落葉低木。 中国原産のこのモクレンはランの花に似ることから古くは「木蘭(もくらん)」と呼ばれたとか。最近町で良く見かけるのが「トウモクレン」で、花弁の内側が白いのと、花が小さめなので違いがわかります。 分類上のモクレンは、このシモクレンで、花弁の内側までが淡紫色である上、色の濃さ、大きさ、花被片の形などが違っていることを確認しましょう。葉は互生で短柄。卵状楕円形の葉の頭部はすこし尖った形をしています。紫、または暗紫色で鐘形の10cmくらいの花を短枝の先に咲かせますが、葉に先立って咲くこの華麗な花は、見るものを魅了せずにはいられません。他に「ニシキモクレン」というのもあり、花の内側が銀白色で、木も大きくなります。「マグノリア」という呼び名は又優雅なひびきがあり、映画の題名にもなっていたと思います。 私はなぜか、お釈迦様の弟子のうち舎利弗と並んで有名な「目連さん」をいつも思い出してしまいます。神通力、つまり超能力の持ち主ですが、お盆の由来の話で出てきますよね。 それはともかく、シモクレンは日当たりと風通しの良い場所が好きですが、夏場の乾燥がひどいと、花付きが悪くなるので、水遣りをするか、根元をマルチングして乾燥を防ぐようにします。 大木にならないシモクレンは花後、花芽をつける前、早いうちにひこばえや徒長枝を切り戻す程度の剪定でOK.。 自然樹形が美しい樹木です。真冬に、根元からすこし離れたところに堆肥をすき込むのもお忘れなく。



フィロデンドロン・クッカバラ(Philodendoncv.kookaburra/P.cv.Aussie.)
画像サトイモ科フィロデンドロン属の常緑多年草で最近では切り葉やアレンジメントなどでもよく見かけるようになっています。私はサトイモ科の観葉植物が好きなのですが、同じサトイモ科のものにスパティフィラムやディフェンバキア、アローカシア、アンスリウム、シンゴニウム、クワズイモなどがあります。フィロデンドロンのフィロというのはギリシア語で「愛する」の意。フィロデンドロンは「樹を愛する」です。多くの仲間が気根を伸ばして、別の樹に張り付くように生育することから来ているのでしょう。クッカバラは直立して育つセロームとよく似ていますが、セロームよりも葉は小さめで、細長い切れ込みも単純でかわいらしく、葉の数も多い上、比較的管理も簡単なのです。クッカバラというのは、オーストラリアのアボリジニの言葉で、鳥の名前(ワライカワセミ)ですが、主に南米原産のこの植物との関連性は不明。ちなみにAussie(オージー)はオーストラリアの、という意味です。耐陰性に優れていて、年間を通して室内で栽培できますが、私は春から7月はじめくらいまでは外に出して、真夏は遮光するか室内に戻しています。レースのカーテン越しなどで管理するとよいでしょう。フィロデンドロンの中では比較的光を好むほうですから、秋冬は、室内の明るい場所に置くようにします。生育温度は18〜25℃。越冬には最低でも5℃くらいはあったほうが良いようです。植え替えは5月〜7月。水やりは、春から秋は、鉢の土が乾いたら鉢底から流れるくらいたっぷりあげるようにします。冬は乾燥気味に管理しましょう。


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