2005/07 |
夏まっ盛りの8月は、子供達にとってはフルに遊べる夏休みとしてのひと月。小学生のころの、夏休みの一日は「ラジオ体操」から始まり、苦手だった「プールの日々」も今となっては良い思い出。ただでさえ色黒の私は、どんどん黒くなって、よく外国人と間違われたものです。今でこそ紫外線やオゾン層の破壊などが話題になって肌を日にさらすことの危険が叫ばれていますが、当時はのんきに肌を焼き、プールサイドで寝そべっていたことが今になって悔やまれます。さて夏といえば・・・コレですね。
モントブレチア(Crocosmia×crocosmiiflora)
夏になると、細い剣状の直立した緑の葉の間から穂状花序を3〜5個分枝して夫々20個近くのフリージアに似たオレンジの美しい花を咲かせるこのモントブレチアは、アヤメ科の夏緑(落葉性)球根です。クロコスミア属のC.aureaと、C.pottsiの交雑によって生まれた園芸品種ですが強健で、野生化したものをよく見かけます。モントブレチアという名前はフランス人の、Montbretから来ているそうですが、和名はヒメヒオウギズイセン(姫檜扇水仙)といいます。ヒノキの皮で作った扇を開いたような感じの花を咲かせることからそう呼ばれるそうで、草丈は60〜120cmほどになります。ヨーロッパでは切花として需要が高く、2分咲きのものを切って花瓶に生ければ、10日ほども楽しむことが出来ます。手間がかからず、寒冷地以外ならそのままで冬越しします。寒冷地では腐葉土などでマルチングするとよいでしょう。病害虫にも強く、群生すると見事です。また、植えっぱなしでよいので管理はとても楽です。鉢植えのものは、生育期の時には土の表面が乾いたらたっぷり水やりをし、秋に葉が枯れてきたら水やりは控えます。地上部が枯れたら、休眠期に入ったということなので水は断ち、春3月頃になってから徐々に水やりをはじめるとよいでしょう。メンテナンスがとても楽なこの植物、もっと流行ってもいいのにな、と思っています。
ヒマワリ(Helianthus annuspapyrus)
夏の花といえば、堂々第1位に輝くのがヒマワリかもしれません。ニチリンソウや、ヒグルマの和名をもち、英名は当然Sunflowe(サンフラワー)。強健なこの1年草は、キク科ヒマワリ属。今では2m以上にもなる高性品種から、背の低い矮性のものまで、また花色も、黄色だけでなく赤褐色や黄褐色のもの、八重咲きのものなど沢山の種類があります。私は絵のようなシンプルな黄色花が好きです。
ギリシャ神話に、太陽神ヘリオスに恋をした娘が、その強い思いで見つめ続け、ついにはヒマワリの花に姿を変えたというお話がありましたね。実際には、ヒマワリが太陽を追うのは、若い成長期のときだけです。つぼみが大きくなって、花が咲く頃には成長が止まるため、殆ど動かなくなります。「花」と呼ばれているのは、頭状花と呼ばれる花が集まった「花序」で、キク科の花の特徴です。外輪には黄色い花びらをつけた花「舌状花」、内側の花びらがない花を筒状花として区別することもあるそうです。種はおなじみの楕円形で、縦に黒と白の縞模様が入っています。炒って食べたり、ハムスターなどのペットの餌にしたりして使えるし、種は絞ってヒマワリ油になります。そういえばイギリスの、子供向けのガーデニング絵本には、ヒマワリのページに、「ヒマワリの種が出来たら半分は収穫し、もう半分は鳥達のために残しておいてあげましょう」と書いてあり、感動した記憶があります。 |
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