2005/09 |
10月は空が高くなって、スポーツの秋、行楽の秋、芸術の秋、そして食欲の秋の始まり。楽しいこと美味しいことが山積みでみなワクワクしている時期ではないかしら。子供達の運動会や学芸会、そしてこの時期に収穫を迎える木の実や果物を含めて、1年の集大成がこの時期なのだなあという気がします。日本の秋の花といえばキクですが、今日はイメージの違うキク科のお花を二つ見てみましょう。どちらもとっても素敵です。
ガーベラ(Gerbera hybrids)
南アフリカ原産、キク科ガーベラ属の半耐寒性多年草。アフリカセンボンヤリや、ハナグルマの別名がありますが、ハナグルマの名前そのままに、ぱっと咲いた明るくて大きな花と、太い黄緑色の茎が印象的で、切花やブーケなどには欠かせないのがこの花です。種類も豊富で、花の径が13cmにもなる巨大輪のものから、主流のジェルミニ、細めの花びらの先が尖っている「スパイダー」というタイプ、マリモそっくりな楽しい花姿のものなどがあり 、花色も様々あります。Gerberaというのは18世紀のドイツのお医者様だったGerberさんの名前から来ているそうですが、ゴールドラッシュのアフリカで発見されてから約100年、戦後ヨーロッパで花茎の太いものが育てられ、日本でもjamesonii種を交配・改良して、花立ちがよく草丈の低いものがでています。ロゼット状の根出葉から、ひとつの花をつける茎がたくさん出て、、5月から10月まで、また暖地では周年咲きます。最近では矮性のものを鉢で楽しむ人も増えているようですが、越冬には最低5℃必要なので、冬は日当たりのよい室内の窓辺で管理し、乾燥気味に育てます。 根の老化が早く、根回りも早いので毎年春に、一回り大きな鉢に植え替えましょう。酸性土壌、高温多湿を嫌うのでその辺も気をつけます。今はオランダから苗が多く来ているようですが、誰でも知っているガーベラには、沢山の色と形があり、私もお気に入りの一本を見つけました。この絵のようにやさしいベビーピンクのものです。みなさんも自分の「1本」をさがしてみませんか。
アキノキリンソウ(Solidago virgaurea var. asiatica)
楚々としたこの美しい花は、キク科アキノキリンソウ属の多年草。日本全国で日当たりのよい山野などに、普通に生育しています。8月から11月まで、長い間咲く花が美しいので、春に咲くベンケイソウ科のキリンソウに例えて、アキノキリンソウという名がついています。でも別名は花のつき方(頭花は、茎の先に散房状で舌状花と筒状花の、多数の花をつける、泡のように見える花)から「アワダチソウ」の別名があります。「あれ??どこかで聞いたことがある!」と思われた方、そう。その通り、あの、帰化植物で嫌われ者の、「セイタカアワダチソウ」も同じ属。 花のつき方が似ていますね。セイタカアワダチソウは1.5mと背が高いほうです。アキノキリンソウは、若苗の葉をてんぷらやおひたし、胡麻和えなどの食用にしたり、また地上部を水洗いし、日干ししたものを煎じて風の頭痛や健胃、利尿作用、解毒剤などの薬用として利用したりできるというすぐれものです。ただし、残念ながら例のセイタカアワダチソウのほうは、アクが強くて食用にはできないそうです。高山や、島など、生育する環境によって変異があって、姿はすこしずつ違い、「ミヤマアキノキリンソウ」や「キリガミネアキノキリンソウ」などいろいろなアキノキリンソウがあります。草丈は20cm程度のものから80cmとやや高いものまで。日当たり、風通しのよいところで乾燥気味に育てます。この花は、やはり野で見るのが似合う気がします。 |
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