テラリウムの魅力

テラリウムとは、植物や小動物などを透明な容器で栽培したり飼育したりするものです。
19世紀の英国ロンドンで、ある外科医が発明したウォードの箱 (スズメガの蛹と
腐葉土をガラス容器に入れた)が始まり。湿度や水分をテラリウムの中で
リサイクルするため、水やりがほとんどいらず、遠隔地から植物や動物を運ぶことを
可能にしました。プランツハンターもこのテラリウムで珍しい植物を遠くから
生きたまま運ぶことができるようになりました。
シダ類を始め、エキゾチックなプランツもこれによって流行していきました。
大温室がなくても、観葉植物を楽しむことができるようになったからです。

テラリウムは自然の再現。植物のほか爬虫類や両生類、昆虫類や魚類、
貝類などと植物を併せるなどさまざまなテラリウムがあります。
またサイズも手のひらに乗るような小さなものから温室までと多岐にわたり、
その内容によって冷暖房、照明やポンプ、石や流木など大掛かりな装置が
必要になったりもします。

テラリウムの魅力…

テラリウムで観葉植物を育てる時のポイント

ここではミニ観葉などを、大掛かりな装置を使わずに簡単につくる時のヒントを
お伝えしましょう。

■容器

基本は透明で、外から観察したり鑑賞したりすることが容易なもの。
ガラスやアクリル樹脂、プラスチック製などで蓋がついていること。
クリアコンテナであればなんでも使えます。水分が逃げてしまわないピクルジャーや
ボトル、キャニスター、水槽などがお勧めです。

キャニスター

■用土

鉢底用の石や砂利、根腐れ防止剤を一番下に敷き、その上に細かくした炭、
その上に排水性の良い土を入れます。乾燥した場所を好む植物を入れる場合は
砂質用土を、多湿を好む植物なら腐葉土やミズゴケなどを加えましょう。
ハイドロボールや焼成赤玉土などで栽培する場合はそれだけでOKです。
それらを使う場合にはマニュアルをよく読んでくださいね。

用土
※クリックで拡大します

■植物

ほとんどの観葉植物は使えると思いますが、あまり成長が早すぎてほかの植物を覆ってしまうものは避けるようにしましょう。
ミニ観葉で出ているものを挙げてみます。ただし一緒に入れるときには性質の似たものを選んだほうがうまく行くと思いますよ。
多肉植物、エアプランツ、食虫植物のほか、セントポーリア、クロトン、コンシンネ、ポトス、ペペロミア、フィットニア、ピレア、
ブライダルベール、ベゴニア・レックス、イレシネ、シダ類、ヘデラ、ワイヤープランツ、クリプタンサス、ギヌラ、ベビーティアーズ、
ハートリーフ、サンセベリア、ドラセナ・マルギナータなどなど

■植え方

植物のサイズや数量は、コンテナの大きさによります。高さや色、テクスチャーの違う数種類を選ぶと良いでしょう。
湿度を好むもの同士とか、乾燥が好きなもの同士など性質の似たものを選ぶことも大切です。
また、後で育つことも考えて入れすぎないように気をつけます。 周りのガラスを汚さないよう、丁寧に。
(ハイドロボールの場合は予め根の周りの土を落として洗うなどの作業が必要になります。)
植えたら根元のまわりをそっと押さえて落ち着かせます。内側についた土などはペーパータオルなどで拭き取りましょう。
植え終わったら植物の株元に水をそっとかけます。

■管理

ほとんど手間要らずですが、いくつか気をつけるポイントがあります。
一般的なポイントですので植物によっては例外があります。

  • 置き場所、日あたり:
    直射日光が好きなセントポーリアやランなどは東側の窓辺で直に陽射しがあたるようにするが、外の場合、
    直射日光があたると内部温度が上昇しすぎるため、 カーテン越しの光や反射光など間接的に光が当たる場所、
    または北側など影響の無い場所に置くようにします。 全く光が入らない場合は人工の光が必要になります。
    また、どうしても光に向かって植物が伸びるため、時々テラリウムの向きを変えてあげましょう。
  • 水やり:
    テラリウムの中では、蒸発した水分はガラス表面で冷やされて土に戻るため、基本は水をやりすぎないこと。
    やりすぎが、一番大きな問題となり得ます。気密性の高い容器では、数ヶ月も水やりをしなくて良い場合もあります。
    植物が水に漬かっていると水が腐ったり、菌が発生しやすくなります。 水が多すぎたらペーパータオルなどにすわせます。
    乾きすぎたと感じたら水をやりましょう。葉の先や周りが茶色くなってきたら水切れのサインです。
    土や植物をよく観察して、水やりのタイミングをはかってください。
  • 施肥:
    肥料も控えめにするほうがうまく行きますが、成長期であれば、月に1度か2度、通常より薄め(2000倍程度)の液肥を与えます。
  • ケア:
    病気やカビなどのついた葉、枯葉、枯死した植物は速やかに取り除くようにします。
    育ちすぎてしまう植物は、先端を切ると高さをコントロールできるだけでなく、横から分枝して姿がよくなります。
    元気が無い時には一旦植物を抜いて、上部の用土を健康なものに入れ替えるのも良いかもしれません。

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