年間作業カレンダー

難しいといわれるバラの栽培。でも、年間の作業をざっと把握しておくことで、バタバタしないですむかもしれません。
一年を通して、バラの栽培作業をみてみましょう。この時期は、平均的なものです。
住んでいる地域の気候によって前後しますから、ご自分の庭に合わせて調整してくださいね。



冬12月〜2月頃

バラ休眠期新苗の植え付け
バラは休眠期。でも、この冬の作業がとても大切です。

●病害虫を次の花の時期に持ち越さないようにするため、葉は全て取り、
落ち葉もきれいに取り除きましょう。この頃、木酢液を希釈したものなどを
時々与えることで、株が丈夫になってゆきます。

●ツルバラの剪定・誘引は、12月頃から、木バラは地植えも鉢物も2月頃強剪定します。

●剪定の後施肥しますが、鉢の場合は剪定の直後は避けます。

●関東や暖地では、大苗の植え付けはこの時期。
新苗と違い、根が良く張っているだけでなく、ついだところもしっかりしています。
寒冷地では、鉢のまま管理し、春の雪が解けてから、植えるほうがよいでしょう。
植えた後の根元やピートモスやワラなどで、マルチングして寒さや乾燥を防ぎます。




春3月〜5月頃

新苗の植え付け開花期
新苗の植え付け。春は虫も出てくる季節。バラの状態を常に観察して、 素早い対処が必要になります。芽吹きからバラが咲き始める季節。
めいっぱい楽しみましょう!

●新苗(木バラ、つるばら)の植え付けをします。
バラの苗は、多くの場合つぎ木によって、作られています。
新苗は、ついだ部分がまだしっかりしていない場合が多く、はがれやすいため、 やさしく扱いましょう。

●病害虫は早めの対処で。虫は捕殺が原則。予防用には、植物由来のものが市販されています。植物の生体エネルギーをアップして、病害虫に強い固体をつくりましょう。

●水やりの管理も必要になります。芽が伸びてくるこの時期は、水分吸収も盛んになるので、庭植えは、土の表面が乾いたら、たっぷり。
また、鉢植えも土が乾いたらたっぷり与えます。

●花がら摘みはまめに。バラが咲いて枯れると、実をつけます。
木を消耗させないためには、咲き終わった花を早めに切り取るようにしましょう。
そうすることで、花の時期を長くすることができます。
元気な5枚葉のすぐ上5mmくらいのところを斜めに。

●つぼみがふくらんで色づいてからの施肥は控えます。

●暖かくなり、土から水分の蒸散も活発になる 季節。株元をマルチングして守りましょう。




夏6月〜9月頃

お礼肥え
シュートなどがどんどん伸びるこの時期にも作業があります。

●一季咲きのものやかえり咲きのものも、一番花が終わって花が休みの時期に、 お礼肥えを。夏にも花をつけるものがありますが、株を休ませたほうが、 秋の花をきれいに咲かせることができます。株もとから40cm〜50cm離して 土にすきこみます。

●梅雨時はウドンコ病や黒点病、灰色かび病などの病気とともに、 ハダニ、チュウレンジバチ、アブラムシなどの害虫も発生しやすいもの。
整枝剪定で風通しよくしつつ、引きつづきよく観察して防除につとめます。

●つるバラも、木バラもシュートが伸びて茂ってきます。
1季咲きのオールドローズなどは、花が終わったら、強剪定し四季咲きの木バラは、 ベルサールシュート(根元から勢い良く伸びるシュート)の切り戻しを行い、 他は弱剪定をします。
剪定してから約45日くらいで、秋の花が咲き始めます。
ツルバラの場合、1季咲きの整枝剪定は7月頃。3年以上の古い枝は根元から切り戻し、 2〜3年くらいの枝は半分くらいに。新しい枝は、花がらだけとってつるは残しましょう。
ただし、四季咲きはこの作業は行いません。

●ツルバラは、今年のシュートを伸ばして、充実した枝にすること。
台風のシーズンには、シュートがダメージを受けやすくなります。
強風で折れたりしないよう支柱などにとめましょう。
そのときは、まだやわらかい枝を痛めないようにご注意を。

●9月ごろは、ツルバラにシュートを充実させるための肥料を。




秋 10月〜11月頃

開花期 (四季咲きのみ)
四季咲きの種は、開花期をむかえますね。
秋のバラは、ボリュームや花数は春に及ばないものの、花期が長く、色も香りも深く、 美しい花を咲かせます。楽しんで下さい。

●台風のシーズンが夏の後半から始まり、台風の後は黒点病が出やすくなるので、 注意しましょう。また、気温が下がってくると、夏には出なかったうどん粉病が復活 してきます。多湿にならないよう、小枝を透かして風通し良く管理しましょう。

●ハイブリッドティーなどで複数の蕾が出ているものは、中央の大きな蕾を残して、 摘むようにします。

●秋バラの蕾が膨らんでくる時です。消毒は控えめに。

●地植えのバラは根元の乾燥に注意し、生育促進のため根元の周りを浅く耕すと 効果があります。

●夏の間マルチングしていたものは、この時期にはずします。このとき、病原菌や 虫などがいるかもしれません。焼却するとよいでしょう。

●秋の大苗が市場に出回ってきます。裸の根や、根まきした苗は、根を乾燥させないよう、 すぐに植えつける必要がありますが、鉢植えのものは時間を置いても大丈夫です。