メダカを飼ってみよう!


動植物が生きていける環境を整えるのがビオトープづくりです。自然界の生き物のバランスを戻すと いうことです。ですから、厳密に言えば環境作りにおいては、形だけでなくさまざまなことを考えなければ なりません。植物を選ぶときはなるべくその地域の植生に合わせて観賞価値の高い野生種を選ぶなど、 都市型のビオトープでは景観の良さやアメニティーの高さなども考慮に入れるべきでしょう。
でも、私達個人が、できることも少しあります。生き物が来る庭づくりです。例えば蝶や鳥が来る庭など。自然を呼び込むことで、植物だけではない、たくさんの命を育む場所になることでしょう。
まず手始めに、メダカを飼ってみませんか?

メダカは、飼育も容易で、簡単に手に入りますし、池を作るのは難しくても、スイレン鉢などを使えばすぐに 飼うことができますよ。そしてそこに、水生植物を合わせれば、ほら、ミニ・ビオトープが出来上がりです。

1.メダカの種類

メダカは、蚊の幼虫であるボウフラを好んで食べてくれる益虫(えきちゅう)ならぬ益魚です。
体長4cmほどの小さくかわいらしい姿で、昔から日本人に好まれてきました。

クロメダカ

日本メダカともいいます。昔から日本で見られたメダカですが、護岸工事や環境汚染などに よって、激減し、絶滅危惧種にも指定されています。ですから、野生のものを捕まえないようにしましょう。
また、交配の危険にさらさないよう、別の種類のメダカなどをクロメダカの住んでいるところに放さないように しましょう。


ヒメダカ

ペットショップなどで安価で手に入るオレンジ色のメダカです。もとは原種のクロメダカの 突然変異種として生まれましたが、人にも慣れるので飼いやすいメダカです。


シロメダカなど

改良種で、体が白いシロメダカや、アオメダカ、チャメダカ、ヒカリメダカ、 ダルマメダカなどがありますが、手に入りにくいかもしれません。


2.ビオトープ風メダカ・ガーデンに必要なものと、作り方

スイレン鉢/メダカ鉢


色々な素材があります。メダカや植物に十分な深さのあるものを選びましょう。


陶鉢・熱帯スイレンセット
水が漏れないもので、ある程度の深さがあれば、スイレン鉢やメダカ鉢を 使わなくても出来ます。もちろんプラスチックのバケツなどでもできるのですが、陶製のものは見た目が 美しいだけでなく、夏場に水温が上がりにくいという利点があります。和のテイストのものも、レイアウト次第で 洋風の庭に意外と合いますよ

土、砂利や小石など


水生植物の土

荒木田土

赤玉土

水生植物


使用する鉢の大きさや深さによって、それに適した植物を選びましょう。また、 土の深さなどを調整することで植える植物にあわせることもできますね。植物の種類には・・・

(1)水底の土に根を下ろして、葉は水中や水上に出るガマやオモダカ、コウホネなどの抽水植物

(2)同じく根は水底で葉を水の表面に広げるスイレンやウォーターポピーなどの浮葉植物

(3)水中で生育するミズオオバコやセキショウモなどの沈水植物

(4)根っこを土に下ろさず、水面や水中を漂うホテイアオイやアオウキクサなどの浮遊植物などがあります。スイレン鉢の大きさを考えて組み合わせを選びましょう。

メダカ

メダカが動き、植物が育つことで水がきれいに保たれます。メダカの選び方は上記をご参考くださいね


作り方


水深を調整するために、鉢のまま入れる方法もあります。 また、ランナーなどで横に広がるタイプのものなどは、プラスチックのシートなどで植えるところを仕切るとよいでしょう。


メダカ・川魚の砂利
(1)スイレン鉢などの材料を用意し、予め用意している水生植物を鉢のまま、空のスイレン鉢の中に置いて レイアウトを考えます。スイレン鉢の大きさによって水生植物の種類や大きさなどを工夫します。 可能であれば、抽水植物と浮遊植物などを合わせて使うと変化が楽しめます。

(2)レイアウトが決まれば一旦鉢をはずして、スイレン鉢の中に土や砂利、小石を少し入れます。

(3)植物を鉢からはずして、レイアウトしたイメージのように置いてみます。

(4)置いた植物の根鉢のまわりにまた土や砂利を足してゆきます。伊勢錆砂利などのざらざらした質感の 小さな砂利は水の浄化に貢献します。植物の種類や、状態により、鉢のまま入れることも出来ます。

(5)水を静かに流しいれましょう。 ゴミなどを取り除くため、溢れるまで水を入れて、小さなゴミが流れ出すようにします。

(6)1週間ほどそのまま置いて、落ち着かせてから、メダカを入れるようにします。