「ミニ耕うん機」とは家庭菜園から小~中規模の畑に最適なサイズの農業機械。
畑の耕うん、うね立て、草取りなどオプションパーツを取り替えればトータルで畑の面倒を見てくれる。文字どおり頼れる存在だ。
今回はコメリドットコムで取り扱いのある「ラーニー耕うん機」の製造元を訪ねて、組み立てから操作方法までの体験レポートを紹介しよう。
※こちらの商品は販売終了いたしました。
記事内では、取材を行なった当時に販売されていた機種を使用しており、現在販売しているものとは仕様・操作方法等が異なります。
同等品等の案内は致しかねますので、ご理解のうえ、当情報のご利用をお願いいたします。
また掲載された情報または内容のご利用により、直接的、間接的を問わず、お客様または第三者が被った損害に対して、弊社は責任を負いません。あらかじめご了承願います。
まず最初に、組み立て方法と初期準備作業を紹介する。
コメリドットコム取り扱いの機種はいくつかあるが、ここでは代表的な2機種を取り上げる。
箱は上部分がすっぽり抜ける作りになっている。
トレイ上になった段ボールに乗った本体こそが、「ラーニー耕うん機 CR200」。
本体重量は35kgと重いので、箱の移動や組み立ては2人で行うようにしたい。
CR200の梱包状態
このまま段ボールの上でハンドルを組み立てよう。
組み立てるといっても「く」の字に折りたたまれているハンドルを起こし、ハンドルを引き起こして固定するだけだ。
箱の上フタをとる
ハンドルは角度を調整する穴が本体側に2ヶ所、ハンドル側に3ヶ所空いており、組み合わせしだいで6段階の角度に設定可能。
自分にフィットした作業姿勢を維持できるという点では、なかなかうれしい構造だ。
ハンドルを起こす
「ナタ爪仕様」と呼ばれる刃の付いたローターを取り付ける。刃の向きによって「右用(R)」「左用(L)」の区別がされている。
写真でもわかるように、「R」「L」と直接表示されているので迷うことはない、はず。ちなみに「右」とは作業者から見ての「右」をあらわす。
これは右用ローター
ローターは本体にピンで取り付ける。左右間違いの無いように軸にはめ込み、金属製のピンを軸に空いた穴に入れて固定しよう。
このCR200の特徴の一つに、組み立てはピンのはめ込みでほとんどの事が足りてしまう簡便さが挙げられる。
ドライバーなどの工具を持ってきてネジ回しをする場面は見られない。
ピンで簡単取り付け
抵抗棒を付け完成
CR200には標準で2種類のオイルが付いてくる。ひとつはミッションオイル(=ギヤオイル)。これは文字どおりミッションの内部潤滑が目的のオイルだ。周囲を汚さず効率よくオイルを入れるために、オイルポットをあらかじめ用意したい。
(オイルポットは標準で付属しません。お近くのコメリホームセンター、カー用品店などでお求めください。)
オイルポットを使う
付属のボトル容器に入ったミッションオイルを全量(0.8L)オイルポットに入れ、写真のようにハンドルの付け根部分にある注油口から注ぐ。
ミッションオイルは機械が水平な状態で入れるようにしよう。水平な状態で入れれば、ボトル全量がすべて入るように設計されている。
ミッションオイルを入れる
もう1種類はエンジンオイルだ。これも標準で0.4Lがボトル容器に入って付属する。エンジンオイルは耕うん機の先頭部分にある注油口から入れれば完了だ。
こちらはエンジンオイル
CR200の燃料は自動車用のガソリン。
燃料タンクは0.9Lである。
ガソリンは携行缶にいれ、本体上の燃料給油口から入れる。
なお、オイルの種類と量は外箱に記載されているので確認しておきたい。
ガソリンを給油
オイルの量は箱に記載
ラーニー耕うん機シリーズ4機種の中では最も大型の「CR551」は、重量83kgとかなり重い。CR200と同様、大人2人で箱から出すようにしよう。
RC551梱包状態
CR551は車輪とロータリーが別々に付いているタイプ。
ゴムタイヤ付きの駆動輪が前に、ロータリーが後ろに付くので「リヤロータリー式」と呼ばれる。
車輪もロータリーも最初から付いているので、組み立て作業はハンドル・レバーの取り付けと注油・給油のみと簡単だ。
ネジをゆるめておく
ハンドルの組み立ては、先端に付いている「ハンドルプレート」のネジ(2ヶ所)を緩めるところから始める。
これを緩め、ハンドルを左右に開いて角度を定めよう。
CR551はハンドルの付け根にあるギザギザ状の台座のかみ合わせによって、ハンドルの角度を非常に細かく調節できる。
ハンドル角の調整
ハンドルの角度が決まったら、ボルトを通してハンドルを固定する。同時に一度緩めたハンドルプレートもネジ止めしてしまおう。
ハンドルを取り付ける
CR551もミッションオイルとエンジンオイルがボトルに入って付属する。
工場出荷時は機械に注油されていないので、使用前には必ず入れるようにする。
2種類のオイルが付属
ミッションオイルは本体右側の駆動輪近く、エンジンオイルは本体前側の注油口からそれぞれ入れよう。
燃料はCR200と同じく自動車用のガソリンだ。
エンジンオイルを入れる
(1)
燃料ストレーナの燃料コックレバーを「開」にする。
(2)
主変速レバーを「N(=ニュートラル)」にする。
(3)
クラッチレバーから手を放してクラッチを切る。
(4)
エンジンコントロールレバーを「ウサギ(H)」と「カメ(L)」の中間にする。
(5)
チョークノブを引っ張って「閉」にする。
(エンジンが温まっている時は「開」位置でもOK)
(6)
エンジンスイッチを「ON(運転)」にする。
(7)
リコイルスタータをいきおいよく引いてエンジンを始動させる。
エンジンがかかったら、チョークノブを押して「開」にする。
1. クラッチレバーから手を放してクラッチを切る
2. エンジンコントロールレバーを「カメ(L)」にする
3. 主変速レバーを「N」にする
4. エンジンスイッチを「OFF(停止)」にする
5. 引き続きエンジンを始動しない時は、燃料コックを「閉」にする
CR551のコントロール部。前後に動かすと正転・逆転を切り替える「耕うん系」、左右に動かすと走行時の変速を切り替える「走行系」とレイアウトがわかりやすい。
これがCR551のロータリー部分。普段はカバーに隠れているが、内部はこのように4つの爪がついている。このロータリーは正転・逆転の切り替えが可能だ。
CR200のチョークロッド。エンジンを始動する時は引き、始動したら様子を見ながら徐々に押し戻す。
CR200、エンジン始動!リコイルスタータを勢いよく引っぱる。
エンジンの始動~停止は理解できただろうか。
それではいよいよ畑で実際の耕うん作業に取り掛かろう。
実験ほ場は常に耕されているだけあって土質はかなり柔らかめ。それだけに、スギナなどの雑草に覆われた部分もものともせずCR200が耕していく。
硬い土の場合、本体後ろに下向きに付いている「抵抗棒」をグッと押し込み下に沈ませる感覚にする。今回のように柔らかな土の場合は逆に、抵抗棒を上に浮かせる感じで操作しよう。
腰を引かないような作業姿勢に注目。上下にハンドルを動かし、耕うん機自が土に潜ったり浮いたり・・・で前進させる。
CR200が耕した後は、土中の石や草がかき出されて露出する。一度に耕そうとせず、このように二度、三度・・・と往復して作業するのがポイント。
CR200の耕うん幅は600mm。4連ナタ爪ローターで幅広く、力強く耕していく。
空冷4サイクルの2馬力ロビンエンジンが、うなりを上げる。小さな耕うん機だが家庭菜園の作業は格段にラクになるだろう。
実験ほ場は常に耕されているだけあって土質はかなり柔らかめ。それだけに、スギナなどの雑草に覆われた部分もものともせずCR200が耕していく。
硬い土の場合、本体後ろに下向きに付いている「抵抗棒」をグッと押し込み下に沈ませる感覚にする。今回のように柔らかな土の場合は逆に、抵抗棒を上に浮かせる感じで操作しよう。
腰を引かないような作業姿勢に注目。上下にハンドルを動かし、耕うん機自が土に潜ったり浮いたり・・・で前進させる。
CR200が耕した後は、土中の石や草がかき出されて露出する。一度に耕そうとせず、このように二度、三度・・・と往復して作業するのがポイント。
CR200の耕うん幅は600mm。4連ナタ爪ローターで幅広く、力強く耕していく。
空冷4サイクルの2馬力ロビンエンジンが、うなりを上げる。小さな耕うん機だが家庭菜園の作業は格段にラクになるだろう。
CR551には「デフロック」機能が付いている。ところでデフロックって何?
デフロック「入」・・・
左右の回転数を同じにして車輪の空転を防ぐ。
デコボコした地面や傾斜地などを耕す時には直進安定性が高まり、作業しやすくなる。
デフロック「切」・・・
「入」のままだと耕うん機は旋回しづらい。
デフロックを切ることで左右が独立して駆動し、旋回しやすくなる。
デフロックの「入」「切」は、写真のようにデフロックレバーで操作する。
通常は「切」にしておけば良いだろう。
デフロックレバー
耕うん機の仕事は畑を耕すだけではない。 耕した後のうね立てや除草までもできるのだ。
オプションパーツを取り付けて、うね立てに挑戦してみた。
CR200にオプションパーツの「中耕車輪」を取り付ける。ボートのオールのような形状をしたスリムな鉄製の車輪である。取り付け&取り外しはピンによるもので簡単だ。
「イエロー培土器」を取り付ける。本体は樹脂製だが羽根の先端部分には金属の刃が付いている。これで土の中をかき分け進むのだ。
セッティング完成。CR200が耕うん仕様からうね立て仕様へと変身した。
耕し終わった畑に、うね立て仕様のCR200を乗り入れてうね立て作業を開始。後ろに付けられた培土器がスムーズに土を寄せてうね立てしていく。
うねの高さは寄せる土の量で決まる。土を多く寄せればそれだけ高いうねができ上がるという仕組みだ。2段階に分かれた培土器の羽根で、寄せる土の量を調整することができる。
でき上がったうねの間を通るのでどうしても長ぐつの足跡が付いてしまうが、とてもきれいにうねが作られているのがわかるだろうか?崩れたうねを直す作業にも使えそうだ。
でき上がったうねの様子。土質にもよるが、今回のほ場では約10m×5本のうねを作る時間は10分もかからなかった。
リヤカバーを上げて「イエロー培土器」を取り付ける。CR551の場合は駆動輪、ロータリーとも取り外さない。ついている「尾ソリ」を取り外したところに培土器を取り付ければセッティングは完了だ。
抵抗棒「尾ソリ」は必要ないので取り外し、そのうしろにイエロー培土器を取り付ける。
うね立て仕様にセッティングした状態。当然のことだが、パーツを取り付ける際はエンジンを必ず切ってから行うようにしたい。
ロビンエンジン力走!5馬力のハイパワーでグイグイと進み、きれいなうねを確実に仕上げてくれる。
CR551は培土器を取り付けると、1台で「耕うん+うね立て」両作業を同時に行ない、非常に効率が良い。
うねが数本できてきた。耕うん機自体の安定性が良く、クラッチを握るだけと操作も簡単なので、手作業に比べてとてもラク。これほど頼もしいパートナーはないだろう。
うねの高さは、培土器の羽根の取り付け角を調整すれば自在に変えられる。作る作物によって、また生育具合によって対応することが可能だ。
せっかく手に入れた耕うん機は、しっかりとメンテナンスして長持ちさせたいもの。
メーカーに修理で持ち込まれる耕うん機トラブルの大半は、日常のメンテナンスをしっかりとしていれば防げるものだという。
耕うん機には特にシーズン後の長期格納があるので、この格納前のメンテナンスがポイントとなる。
耕うん機という機械の性格上、使えば汚れるのは当然の成り行きだ。
だからこそ、毎日使用した後の手入れを心がけたい。
使用後はこのようにホースとブラシで水洗いすることをすすめる。タイヤの泥を良く落とそう。エンジンが熱い時はしばらく冷ましてから、なおかつエンジンにできるだけ水がかからないように洗うのがコツだ。
洗った後は乾いた布で拭く。たいていの汚れはここで落とすことができる。
ローターにからまっている草などは故障の原因になるので、丁寧に取りのぞく。
付属の取扱説明書には、長期格納前のメンテナンスポイントが記されている。
これに忠実にしたがうことが機械を長持ちさせる秘訣だ。
燃料タンク内のガソリンを、ポンプを使って抜き取る。
CR551の場合
CR200の場合
CR551の場合
CR200の場合
なお、次のシーズンにはじめて使う際は各部の点検を念入りに行なってから運転するようにしたい。