カキの育て方 カキの育て方 カキの育て方


メモ

カキ・・・カキ科
原産地:東アジア

1.カキの育て方

年間作業カレンダー

作業カレンダー

カキは、ビタミンAの効力を高めるカロチンをたっぷり含み、ビタミンCも多く、健康に良い果実です。

品種

品種 成熟期 特徴 適地 授粉樹
甘柿 富有柿(ふゆう) 10月下旬~11月上旬 外観がよく、甘みが強く、甘柿の代表種。 福島県以南 禅寺丸
次郎 10月中旬~11月上旬 大実で、甘みが強く、肉質は密で日持ちがします。 福島県以南 禅寺丸
甘百目 10月下旬~11月上旬 脱渋果の果肉は、甘みが強く美味であるがゴマが多く粗いです。 福島県以南 禅寺丸
禅寺丸 11月上旬~11月中旬 肉質は粗いが、雄花が多くつき、授粉樹に向いています。 福島県以南
渋柿 平核無(ひらたねなし) 10月中旬~11月上旬 比較的アルコール脱渋しやすいです。 東北以南 受粉の必要無し
蜂屋 10月下旬~11月中旬 果実は大きく、300gを超える物が多く、干しガキに最適(あんぽガキ)。 長野、福島、宮城で多く作られています。 禅寺丸

甘柿は、熟期(9月)に平均気温が20℃以上ないとうまく渋がぬけない場合があります。渋柿は甘柿に比較すると寒さに強く、ほぼ全国的に栽培できます。(北海道南から九州まで)

植え付け

カキは日当たりが良ければ、土質はほとんど選びませんが、品種により適地が異なります。上記以外の品種も各地方に多く、古くからの在来種を入手して植えてもよいでしょう。

受粉

受粉

花は、雌花だけをつけるもの、雌花と雄花の両方をつけるものがあり、雄花をつけない品種が多いです。多くの品種が多少とも単為結果性であり、渋ガキに比べ甘ガキはその性質が弱く、種子が入らないと生理落果が多くなったり、シブがぬけにくくなるような品種が多いです。

メモ

単為結果性
受粉せず、種ができなくても実が大きくなる性質
生理落果
強風や病害虫の被害でないのに、花や実が落ちてしまうこと

摘蕾・摘果(てきらい・てきか)

雄花がつかない、あるいは少ないカキは、受粉せず6月上旬~7月上旬に多くの幼果が生理落果します。それを防ぐため、果樹の種類や樹齢などに応じて適度の結果量にするため、つぼみや果実を間引きます。

摘蕾

摘蕾
開花の15日程前までに行います。残す蕾の目安は、一結果枝当たり、3つの蕾は1~2個、4つは2個を残します。
摘果
7月上旬に、一結果枝に一果を目安に残します。
摘果を行う理由
1.品質のよい果実を作れます
2.隔年結果を防ぎます
3.新しい梢を保護します

メモ

隔年結果
実の成り年(表年)と不成り年(裏年)が交互に現れること。表年は花芽と果実が多くでき、養分の消費が多くなり、翌年の裏年は花芽がつきにくいため果実は少なくなります。養分の消費を均等にするため、表年に摘蕾・摘果適度に行うとよいでしょう。

剪定

剪定

2年目以降の冬に行います。花芽は太く元気のよい枝の頂部に花芽が形成され、8月に入っても伸びが止まらない徒長枝には充実した花芽がつきませんので左の図のように中切りします。

メモ

結果母枝
花が咲き、果実をつける枝を出す枝。

2.管理方法

肥料

11月~2月の間に1回、配合肥料を施します。また、鉢植えには12月~1月と8月に醗酵固形アブラカスを施します。

3.さわし柿の作り方(アルコール脱渋)

さわし柿の作り方1

1.
収穫後ヘタが乾かないうちに作業をします。

カットする
ヘタを焼酎につけやすいように余分な果梗をカットします。

さわし柿の作り方2

2.
ヘタを焼酎につける

さわし柿の作り方3

3.
厚手のビニール袋の中にヘタを上にして入れ、空気を充分ぬいて、袋の口を閉じます。

さわし柿の作り方4

4.
1週間~10日ほどで渋がぬけ、おいしく食べられます。(温度により異なります)


※新潟のある家庭での作り方です。環境により若干作り方が異なるかもしれません。

4.病害虫

病気

1.丸星落葉病:9月上旬頃発生

症状
葉に丸い班ができ、次第に大きくなり、中央部は褐色となります。 健全な葉に比べ紅葉が早く、激しく落葉します。

対策
【予防】落葉が感染源となりますので、集めて焼却します。【治療】発病してからでは手遅れですので、5月~6月にトップジンM水和剤、ベンレート、ジマンダイセン水和剤等を散布します。

2.角班落葉病:7月中旬頃発生

症状
葉に角ばった班ができます。これも紅葉が早く、激しく落葉します。

対策
【予防】発病してからでは手遅れですので、5月~6月にトップジンM水和剤、ベンレート、ジマンダイセン水和剤等を散布します。

害虫

1.カキノヘタムシガ:6月と8月に成虫が発生し、産卵します

症状
果実内に幼虫が食い入り、果実はへたを残して落ちます。収穫ゼロの場合もあり、カキにとって、恐ろしい害虫です。

対策
【予防】9月頃、幹や枝に、麻布やムシロを巻き、この中に幼虫を集め、2月頃に取りはずし焼却します。【駆除】幼虫が食い入る前(成虫の発生時)、オルトラン水和剤、ベニカX水和剤を散布します。

2.イラガ:幼虫が6月頃から発生

症状
幼虫は2cm前後で、多くのトゲをもち、葉裏に寄生し、葉をかじります。トゲに触れると激しい痛みを感じます。

対策
【予防】冬に枝についているまゆを集めて焼却します。【駆除】幼虫が小さいうちに、スミチオン、マラソンを散布します。 ※農薬はラベル等に記載されている使用基準に従い、適用のある作物に使用して下さい。

関連ページ