ハナミズキ・・・和名:アメリカヤマボウシ
原産地:アメリカ東部、メキシコ北東部
落葉高木または低木
桜と入れかわるように咲くハナミズキは明るく目をひく花で、家庭の庭で大変人気のある花木です。
また、晩夏から初秋に色づく果実や、秋の紅葉を楽しむことができます。
明治に日本がアメリカに桜を贈り、その返礼としてハナミズキは日本にきました。
品種 | 花色(総苞) | 特徴 |
---|---|---|
紅花ハナミズキ | 紅花系 | 実生で紅花が咲いたものを総称して言います。 |
チェロキー・チーフ | 紅花系 | 古くからあり、紅色が濃い紅花の代表種。 |
ジュニア・ミス | 紅花系 | 紅花底白(中心に白いぼかし)の中輪種で、花付きが良く、鉢植にも向きます。 |
レッド・ジャイアント | 紅花系 | 日本生まれで大輪の花を咲かせます。 |
クラウド・ナイン | 白花系 | 広弁の大輪種で、白花の代表種。花付きが良いです。 |
エディーズ・ホワイト・ワンダー | 白花系 | 極大輪種。 |
アルバプレナ ダブルホワイト | 白花系 | 二重咲きで、八重ハナミズキで出回る場合もあります。 |
ピグミー | 白花系 | 矮性品種で鉢植向きです。 |
トリカラー | 白花系 | 葉に白と黄色の斑が入ります。 |
レインボー | 白花系 | 葉に黄色の斑が入ります。 |
※他のミズキ科ミズキ属・・・ミズキ、ヤマボウシ、サンシュ、シラタマミズキ
ハナミズキは、総苞片の先がくぼんでおりそして果実は核果ですが、ヤマボウシは複合果です。
日本全国栽培は可能ですが、庭植えで楽しめるのは、北海道南部から中部くらいまでです。
また、沖縄や九州・四国などの暖かいところは、冬期の休眠が不充分な為生育が悪くなります。
花付きを良くし、秋の紅葉を鮮やかにする為にも、日当たりの良い場所に植えましょう。
そして、肥沃でやや湿潤な土質を好み、夏の乾燥を苦手とします。
植え付けの適期は、落葉後の10月下旬~11月と2月下旬~3月です。寒冷地は10月下旬に行ってもかまいませんが、根がよく張らないうちに冬になるので、春が良いでしょう。
苗木の根鉢より2~3割大きく植え、穴を掘ります。底に腐葉土を入れ、さらに緩効性の化成肥料を適量入れたのち、土と混ぜます。掘り上げた土を戻し、そこに根鉢を少しくずした苗木を置きます(根元が地表より少し高くなるような位置)。
根と土の間に土を8~9割ほど入れたら水を与え棒でつつき馴染ませます。
根が完全に隠れるように土をかぶせます。
そして植え穴と同じ大きさに、水が流れ出さないように土を盛り水鉢を作り、水を与えます。
水がひいたら支柱をたてます。
冬期に、伸びている枝先の真下に深さ20cmほどの穴を数ヶ所掘り、
堆肥と有機質肥料(牛糞や醗酵油かすなど)を適量施します。土はその後に埋め戻しましょう。
冬期に元肥を施さなかった場合、花後に化成肥料を施します。
放任しても樹形は整いますので、庭のスペースがあるなら自然樹形で育てます。
ただし、庭のスペースに合わせて小型にしたい場合は落葉後、
見やすい高さで主幹の頂部を切りつめて止めます。
込み合った枝、からみ枝、ひこばえ等の不要な枝を分岐点の上から切るようにします。
地際や地中から伸び出した枝のこと。
鉢への植え付けや植え替えは、3月に行います高さ80cm前後の接木苗であれば6~7号鉢に植えます。
植え替えなら、一回り大きい鉢に植え替えます。
鉢から取り出し、根鉢を少しくずします。
根はなるべく切らないようにしますが、長い根があれば切り詰めます。
鉢穴に鉢底ネットを敷き、鉢底に赤玉の中粒や大粒のゴロ土や鉢底用の石を数cm入れます。
用土は、赤玉土小粒7に腐葉土3の割合に混ぜたものを使います。
鉢と根鉢の間に用土を入れ、棒などで用土をつつきます。
鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えます。
水やりは、表土が乾いたら行いますが、夏は朝夕与えます。
肥料は2月までに元肥として、骨粉入り醗酵済み油かすの固形を施します。
花後にもお礼肥として、8月下旬~9月に元肥として同じ肥料を施します。
8月には小さな花芽が丸みを帯びてきますが9月には花芽が宝珠の形に大きくなり、確認しやすくなります。
症状
新芽や葉の表面が、白い粉をまぶしたようになります。
置しても枯れることはないですが、樹勢が弱り、そして早くに落葉してしまいます。
対策【予防】冬期に、石灰硫黄合剤を1度散布し、越冬している菌糸を殺します。
【治療】発生初期から1週間おきくらいに2回、トップジンM、ベンレート、ダコニールなどを散布します。
症状 幹や茎の中に幼虫が食い入り、トンネル状に食い荒らします。
対策
【予防】ふ化した幼虫は、樹木に食い入る前に廻りの雑草の中にいるので、雑草を取り除きます。
【駆除】スミチオン乳剤を穴に注入し穴をふさいだり、液をティッシュに含ませ穴にさしこみます。
症状
枝咲きに糸を張り巣を作り、その中にケムシが群がり住んでいます。
ケムシは時々巣から出て、葉を食害します。
成虫は白い蛾で、初夏及び真夏に発生し、葉に産卵します。
対策【予防】落ち葉の下に越冬しているさなぎを見つけたら、捕殺します。
【駆除】幼虫が小さいうちに1週間おきに2~3回、オルトラン、スミチオンなどを散布します。
※農薬はラベル等に記載されている使用基準に従い、適用のある作物に使用してください。