ガーデンデザインレッスン

Lesson 6 リラクゼーションのためのスペース
 - ガーデンファニチャー(家具類)


チーク材

英国人は庭に座って過ごすのがとても好きです。家具は長い目で見て選ぶべきで、いきおい最終的に選ぶのはチーク材のものとなります。

チークと呼ばれているのは俗名で、正式には Tectona grandis という、クマツヅラ科またはアカネ科の落葉広葉樹で世界的に有名な高級銘木であり、原産国は主に東南アジアです。産地の名をとってタイチ-クとかインドネシアチークとか呼ばれていますが、現在タイチークは伐採が禁止されており、カンボジアやミャンマーなどの原木がタイで加工され、タイチークとして出回っています。インドネシアで1816年にオランダによって計画植林されたチークは現在では政府の管理下にあります。最近では原木の輸出禁止などにより、現地で加工されたものだけが輸入されており、そのことから更に高価になり、市場に出回りにくくなっているのが現状です。

チーク材は昔から耐久性と品質によってよく知られてきましたが、インドでは200年前のチークの木片が完全な形で発見されています。


チーク材の特徴

チークは成熟すると46mもの樹高となり、まっすぐな幹で、タバコの葉に似た形の30センチ四方くらいな大きな葉を持ちます。細かく白い花も咲かせます。木質が重硬で伸縮や反張が少なく、表面がワックスを塗ったような木肌で、耐久性・腐食性にも優れていることから、高級家具だけでなく床材、内装材、ドアや高級ヨットなど船舶の内装材や甲板材としても使われています。また彫刻の材料などにも使われます。腐食性に優れていることは、チークがガーデン ファニチャーとして最適だということを示していると思います。庭においては腐食性に優れていることが第一条件だからです。

屋外で使用すると木肌の色が少しずつ褪せて最後にはグレーになってゆきますが、その色の変化も味わい深いものです。長く使われることで、他の多くの木を切らずに住むという利点もありますね。


細目で研磨したもの

写真チーク材のファニチャーを屋外に放置すると太陽の紫外線などによって材木の持つ色が褪せてきて、少しずつシルバーグレーになります。写真はpatinaですが、年月を経て非常に印象的な表面になっています。この自然の時が作り出した表情は非常に魅力的であるだけでなく、周りの景色ともよく溶け込んでいます。チーク材の家具は管理がしやすいうえ、長い間何の作業もしなくてよいのが魅力です。


オイル処理したもの

写真チークオイルで処理したものは通常のブラウンよりも色が濃く、つやもあります。もっともチークそのものから出る油分があるので屋内、屋外を問わずメンテナンスはいらず、またオイル処理することにより寿命が延びるということでもありません。ただ紫外線によって色が褪せるのを遅らせる働きがあります。この種類のものに関しては定期的にオイル処理を施す必要が出てきます。

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