Fumikoの季節の植物たち

2005/11

今年もアッという間に12月。どうしてこう年々と気が過ぎるのを速く感じるようになるんでしょう。子供の頃は、一日の使いでがあったと思いませんか?オソロシイことです。12月というとクリスマスの印象。このクリスマスの時期に花をつける植物たちです。どちらも俗名では「クリスマス」の名前がついているんですよ



ヘレボラス・ニゲル‘ダブルファンタジー’(クリスマスローズ)(Helleborus niger‘Double Fantasy’)
画像日本では、キンポウゲ科クリスマスローズ属で常緑多年草のこのヘレボラスの仲間を総称して「クリスマスローズ」と呼んでいるようですが、海外では、12月になると咲くこの白花の、ニゲルをクリスマスローズと呼んでいます。ヘレボラス(Helleborus)は、ギリシア神話の、人の命の糸を切るハサミを持つというアトロポスというちょっとコワイ女神の名に由来するという話を聞いたことがあります。ニッゲルに対して、2月過ぎから咲き始めるのは、ヘレボラス・オリエンタリスで、こちらはキリスト教のレント(イースターまでの40日間)の頃咲くことから、レンテンローズとも呼ばれています。花色は褐色を帯びたクリーム色から、赤、ピンク、白、緑、濃紫など多種あり、強健です。ニゲルのほうは白花だけで、オリエンタリスに比べると夏の高温多湿に弱いようです。葉は根から出ていて、深く切れ込んだ鳥の足のような形をしていて、花茎は葉よりも長く延びて、先端に直径5〜6cmくらいの白花を2から3個つけます。草丈は50cm程度。花のように見えているのは実は萼なんですよ。実際の花弁は、退化して密腺上に、おしべの周りについています。イラストでは、八重咲きのものを書いていますが普通のニゲルは一重です。つぼみが沢山あって、しまりのよい株を選び、夏は直射日光の当たらないような戸外の、風通しのよいところに植えてあげましょう。植え替えは秋。生育期には液肥を月に一度くらい与えます。



シャコバサボテン(クリスマスカクタス)(Schlumbergera truncate=Zygocactus truncates.)
画像茎が扁平で葉のようになった、茎節(葉状茎)がつながった面白い形の常緑多肉性草本、つまりカクタス(サボテン)で、茎節の周囲にギザギザした突起があり、お寿司などでよくある「シャコ」の形に似ていることから、シャコバサボテンといい、この突起が丸みを帯びているのがカニバサボテンですが、今流通しているのは大抵シャコバの方で、ブラジルで自生しているカニバサボテン(Shlumbergera russelliana)と、シャコバサボテン(Zygocactus truncate)との自然交配種や改良品種といった交雑種です。デンマークで改良されたものも多いので、デンマークカクタスなどとも呼ばれていますが英名では、咲く時期から、Christmas cactusクリスマスカクタスや、Holiday cactusホリデイカクタスなどと呼ばれます。このサボテン類、ちなみに、サボテンの茎から出る液で服を洗うとよく落ちることから、ポルトガル語の石鹸を意味する「シャボン」の名がついて、「サボテン」になったそうな。暮らしにお役立ちの植物だったのですね。シャコバサボテンにはいま様々な花色があります。赤やピンク、白、黄色と、お好みに合わせて楽しみましょう。ただし、環境の変化にとても敏感です。折角つけていた花芽が、室内に取り込んだとたんポロポロと落ちたという経験をお持ちの方もいらっしゃるのでは。温度や空中湿度などに気をつけましょう。また暖房などによって空気が乾燥しすぎるようなときには葉水を与えるなどして管理します。花が咲かない、という場合は肥料の与えすぎか、9月以降に短日条件(日が短くなること)を与えていない(夜、照明が当たるところに置いている)ことなどが考えられます。

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