ローズガーデンとは




バラは今も昔も花の女王の座をほしいままにしている植物ですね。バラ(Rosa)の語源はギリシャ語で赤を意味する「ロドン(Rhodon)」だそうですが、古代のバラは、真紅と、白の2種類の色だけだったようです。

紀元前3000年の頃、クレタ文明の壁画にも既にバラが見られますし、エジプトの絶世の美女クレオパトラが、シーザーやアントニウスを迎えるとき、部屋にバラを敷き詰めた話は有名ですね。エジプトにバラは自生していませんでしたから、ギリシャから栽培技術が伝わったものと思われます。
小アジア原産のバラが十字軍によってヨーロッパに広がり、19世紀に入るとナポレオン1世の皇后ジョセフィーヌがヨーロッパ中のバラを集めて新種を沢山つくりました。
もともとの野生種120種のうち、現在のバラの元になったのはわずか8種類でしたが、今や、園芸種は30,000種を越えます。ご存知日本のノイバラやハマナスも、原種のバラですよね。 

魅力的なバラを中心にしたローズガーデンの魅力が今回のテーマです。バラというと、手がかかりそうで面倒だというかたも多いかもしれませんね。今年は挑戦してみませんか?

バラの種類

バラの種類は、樹形による分け方と、歴史的な分け方があります。ざっとご説明しましょう。


1.樹形による分け方


シュラブローズ
高性の、潅木性のバラで強健なものが多く、つるバラとしてアーチなどにも利用できます。イングリッシュローズ(ER)や、ハイブリッドルゴサなどの原種交雑種、ハイブリッドムスクなどがあります。

ブッシュローズ
株立ち性。フランスのギョーが作出した剣弁高芯咲きのハイブリッドティー(HT)。四季咲き大輪、房咲き多花性で耐病性のあるグランディフローラ。丈夫で耐病、耐寒、耐暑性にも優れるポリアンサローズ。四季咲き房咲きで香りもよく花壇や生垣にもよいフロリバンダ(H 60〜120cm)。矮性(わいせい)のミニチュアローズ。ミニチュアローズより大きく、フロリバンダよりも小さいパティオローズなどがあります。

つるバラなど
ラージフラワードクライマーLarge Flowered Climber(モダンクライマーズ)は大輪で殆どが四季咲き。強勢のつるバラで、主に一季咲きだが茎がしなやかで北向きの場所にも可能なランブラー(Multiflora Rambler)などがあります。

2.歴史的な分け方


原種
園芸種の元になったバラのことで、日本のハマナスやノイバラなどもこれにあたります。

オールドローズ
原種のバラ以降、モダンローズが生まれるまでのバラで、花弁が多く、香りが高いのが特徴です。 一季咲きのものが殆どですね。
モダンローズ
一般には、1867年にフランスのギョーが作出した直立四季咲き高芯ハイブリッドティーの「ラ・フランス」以降をモダンローズと呼びます。一季咲きのシュラブローズや四季咲き中輪で房前性のフロリバンダ、ミニチュアローズもモダンローズに入ります。下にあるイングリッシュローズも実際はモダンローズのカテゴリーに入ります。

イングリッシュローズ
英国のデビッド・オースティンが育成し、1969年に発表したバラで、オールドローズの優雅な花姿や高い香りに、モダンローズの四季咲き性や多彩な色、形を導入して注目されました。