大場秀章先生の「草木花ないまぜ帳」 |
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テーマ: ガーベラ |
ガーベラが分類されるキク科オオセンボンヤリ属は2種を除き、アフリカの東北部から南部にかけて分布する。 その地域には35種ほどの野生種がある。1種だけだが、西アフリカから中国にかけて分布し、さらに別の1種は南アメリカに産する。 古くから園芸で利用されるガーベラはオオセンボンヤリ別名ハナオグルマの和名のあるジャメソニイ種(Gerbera jamesonii)である。これは、原産地にちなんで英名をトランスバール・ディジー(Transvaal daisy)というが、トランスバールとは現在の南アフリカ共和国、プレトリアで、世界有数の金の産地でもある。 オオセンボンヤリに金を連想するトランスバールの名を冠したのは、自生地だからだが、さらに野生植物にしては色彩も鮮やかなこの種の花を金と結びつけたからか。これは単なる私の連想なので、信じてもらっては困る。日本には明治末年に渡来したらしい。 庭植えのガーベラは最近ますます花が大形化し、かつ色彩も鮮やかになった。その契機となったのは1890年頃に、イギリスで作出に成功したオオセンボンヤリとヴィリディフォリア種(Gerbera viridifolia)などの交配である。なかには舌状花が60を超える八重咲きのものも生まれた。この交配の成功により、今日の多様な栽培品種が生まれることになったのだ。 露地に植えても育つガーベラは、花壇の女王と呼ぶにふさわしい豪華さと華々しさがある。花色でも全体が一色のものから、中心部分の花と辺縁部分の花で濃淡や色彩を異にする品種まである。色とりどりのガーベラをその長い花茎を利用して、あたかもラインダンスを踊るように配置するガーベラ・ラインダンスは室内や野外の展示会やショーに向く。 日本にはガーベラの野生種は分布しない。ガーベラに近い日本の野生種はセンボンヤリ、コウヤボウキ、モミジハグマ、クサヤツデの仲間がある。ガーベラと同じ、コウヤボウキ族に分類される。クサヤツデを別とすれば日本産のガーベラ近縁種はガーベラと同様に乾いた感じがする。 ちなみにガーベラの名は属名でもあるが、ロシアを探検したドイツの探検家、トラウゴット・ゲルバー(Traugott Gerber)によっている。詳しいことは分からないが1743年に亡くなったといわれている。ロシア探検のパイオニアのひとりであった。 |
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