レンガを使ったガーデンプロジェクト

How to... ハウトゥー:レンガ積のテクニック

Bricklaying Techniques レンガ積のテクニック

レンガを積む作業は、健康維持にも役立ちます。かつての英国の首相で、国の政治をつかさどることから来るストレス解消のために、庭のはずれに出レンガのウォールを造っていた話は有名です。
レンガ積は、実用的な見地から考慮する必要がありますが、どちらにしても準備をしっかりすることが必要です。

・施工面の近くで、手が届きやすいところに必要なレンガを置いておくこと

適量より少し多めのモルタルを用意しておくこと

・必要材料を全て用意しておくことで一定のリズムで作業できる

一人で作業することはもちろん可能ですが、モルタルを練ってくれたり、レンガを手渡してくれたりするアシスタントがいれば作業は一段と容易になります。


ウォールや箱型の構造物で各段の積み方を計画する

ウォールを積むときはレンガとレンガの間にモルタルを入れるための目地部分を1cmほどあけます。いきなり始めないで、まずレンガの1段目を置き、2段目をその上に置いて積み方を確認しましょう。そうすることで実際にモルタルを使って積んだ時に迷わないようになります。 こうすると、自分のデザインがスペースにフィットするかどうかがわかり、無駄にレンガをカットすることがなくなります。  
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施工の位置をマークする

画像 ウォールや箱型の構造物の位置が決まったら、施工面(コンクリートなどの表面)の、デザインの角に当たる部分に杭をうちチョークをつけた糸を張って、施工予定のところをマークします。このとき専門のチョークを使わないと、ラインがこすれて消えてしまったりするので注意します。地上から数ミリのところで、チョークのついた糸の両端を引っ張り、位置が正しいことを確認したら指ではじいてマークします。こうすることで一段目をきれいに積み始めることが出来ます。


モルタルを乗せる

モルタルを乗せる方法はいくつかあります。 ここでは初心者向きの方法をお知らせしましょう。

画像 まずモルタルを、約12mmの厚さで、長さ30cmほど均一に乗せます。レンガを乗せ、コテのハンドル部分で軽く叩いて落ち着かせます。すると約10mmの厚みとなり、はみ出したモルタルはコテの先を使ってレンガの縦の断面部分に延ばし、次のレンガを乗せます。こうして端まで作業を続けますが、積んだレンガが水平か、又垂直かどうか、図面どおりかどうかなど、水平器を使って時々確認しましょう。 


目的部分の仕上げ

目地部分の仕上げを英語ではPointing といいます。 仕上げの方法は4種類ほどあり、レンガを積み終った後で行います。 モルタルが湿っているうちにこの作業をすると、折角のプロジェクトに垂れてレンガに染みを作ることになるので注意します。
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Raked or keyed join

丸い棒やコテのハンドルなどを使って目地部分の余分なモルタルを掻き取る仕上げで、古レンガなどでウォールを造るときの仕上げに適しています。より素朴な感じに仕上がります。
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Mason's joint

コテを使って目地の中央部分を盛り上げるような形の仕上げです。両側から均等に盛り上げて頂点が目地の中央に来るようにします。
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Flush joint

コテのエッジを使いレンガの線と合わせてすり切るようにして仕上げます。古レンガや角の丸いタイプのレンガには合いません。
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Weathered joint

目地部分を斜めにカットする仕上げ方法です。


レンガをカットする

腕の良いレンガ積み職人は、レンガをなるべくカットせずに仕上げるものだといわれています。でもデザインによっては、どうしてもカットしなくてはならない場合がありますね。その場合は、半分か、1/4のサイズでカットするようにしましょう。出来るだけ正確にカットする必要があり、大抵の場合はボースターチーゼルとクラブハンマーを使って作業します。オーストラリアレンガなどの硬いレンガをカットするためにはアングルグラインダーが必要かもしれません。


ボースターチーゼルを使ってカットする

小さなプロジェクトを作るときに頻繁に使われるのがこの道具で、きちんと使えばきわめて正確にカットできます。

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・レンガを土や芝、古いカーペット、ダンボール
など柔らかい素材の上に置く

・チョークや鉛筆でカットする部分にしるしをつける

・手袋、ゴーグルを着用する

・カットしたいラインのところに、直角にチーゼルをあてる

・ラインのところにチーゼルがあることを確認して、クラブハンマーを振り下ろ すと、レンガは真っ二つに!
 
シンプルなようですが古いレンガや、壊れたレンガなどで練習してから実行しましょう。素材の硬いオーストラリアレンガにはお奨めしません。


アングル・グラインダーを使ってカットする

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・グラインダーを使うと必ず騒音とともに破片やダストが生じるので、耳を守る  もののほか、ゴーグルやマスク、手袋、ブーツなどを装着する

・レンガを土や芝、古いカーペット、ダンボールなど柔らかい素材の上に置く

・チョークや鉛筆でカットする部分にしるしをつける

・グラインダーをレンガに対して正しいアングルになるようにあてる

・電源を入れ、切りたい部分に軽く線を入れるつもりでカットし、数回に分けて  徐々に深くカットしてゆく

・電源を切る

・レンガを裏返しにし、先ほどと同じ操作を繰り返す

・ほぼ半分に分かれるまで繰り返して操作する

・作業中はくれぐれもコードに気をつけ、グラインダーの刃を自分に向けない ように注意する



仕上げ

誤ってモルタルをレンガの表面にこぼしたりしない限り、クリーニングする必要はあまりありません。一夜おいてモルタルが乾いたら、木片やタワシなどを使って汚れたり、撥ねて付着してしまったりしたモルタルを落とします。

・レンガの表面にのみ集中し、目地部分はタッチしない

・レンガの表面を、対角線にクリーニングするようにすれば、誤って目地部分を削ってしまうことを防げる

・モルタルが湿っているうちは作業しない

・モルタルを乾かし過ぎない(1晩程度で十分)

・目地部分のモルタルを洗い流さないよう注意する

・洗い流すときに、モルタルのカスなどが残らないように気をつける

・金属を使ってレンガを傷つけないようにする

・化学薬品を使用しない



レンガ積をするときに避けたいこと

・気温が高いときの作業では乾いたままのレンガを使用しない。水の入ったバケツやコンテナの中で塗らして、水分の吸収率を低下させること。

・作業後直ちに余分なモルタルや付着したモルタルを除去しないこと。目地部分などから滲み出たり流れたりするため、レンガがある程度水分を吸収してからコテなどで取り除くようにする。

・汚れた砂を使用しないこと

・コテなどの道具にモルタルがついたままにしておかないこと。30分に一度くらいと、作業後は洗うと良い。
 

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