2004/07 |
クレマチス (Clematis)
キンポウゲ科センニンソウ属のつる性宿根草、クレマチスの語源は、ギリシャ語で「つる」をあらわすクレマに由来します。原種、変種をあわせて300種ほどもあるといわれるクレマチスは温帯地方を中心に、世界中に分布していますが、古くはローマ帝国全盛の頃、ブリテン島(イギリス)の各地で野生のクレマチスが咲き乱れていたそうですし、日本でも寛永年間よりも前からテッセンやカザグルマなどが栽培されていたと言われています。今日クレマチスとして栽培されている園芸種は、東西の原種がイギリスを中心に改良、発展してきたものです。
6月に英国を訪れた際、大好きだったジョイスさんの庭でこのクレマチスを見つけました。1996年に亡くなった彼女ですが、彼女が育てたクレマチスはこうして今年も美しい青紫の花を咲かせて私を迎えてくれました。このクレマチスは青色6枚の花弁で大輪なので交配の基本となったラヌギノーサ(lanuginosa)由来かもしれないなあと思いましたが定かではありません。日向から半日陰、水はけの良い弱アルカリの土を好みます。種類にもよりますが通常は冬に落葉した後、刈り込んでつるを整理して管理します。
カラー (Zantedeschiacvs.)
これも6月に英国へ行ったときに見つけたものです。
英国でCallalily(カラーリリー)と呼ばれるカラーはサトイモ科ザンテデスキア属)の球根類です。カラーという名前の由来は、ギリシャ語のカロス(美)から来ているとも、カトリック修道女の衣服の襟(カラー)に似ているからとも言われますが、ザンテデスキアというのはイタリアの植物学者ザンテデスキーにちなんでいるということです。花言葉の「乙女のしなやかさ」や「清純」、「清浄」に通ずることから英国では祭壇には欠かせない花でしたが、日本でもウェディングブーケなどにぴったりな花として有名ですね。
原産地が南アフリカのカラーは、日本には江戸末期にオランダ船によって入ってきました。太い塊茎が芋のように見えることから当時はオランダ海芋(かいう)と呼ばれていたそうです。ちなみに海芋はミズバショウのこと。同じサトイモ科で花が似ていますね。
ラッパのような大きな一枚の花びらに見えるのは、仏炎苞という苞で、実際は中心にある黄色い棒状のものが肉穂花序という花です。カラーは、塊茎が細長いワサビ根状になっていて白花の湿地を好むオランダカイウ(Z.aethiopica・エチオピカ)種と、塊茎が丸い形をしている畑地用系のものがあり、こちらは黄色の苞と斑入りの葉を持つキバナカイウ(Z.elliotiana)や花茎が30cmほどでピンクや赤の苞をもつモモイロカイウ(Z.rehmannii)などがあり、今では色々なカラーのカラー(笑)が楽しめます(オヤジギャグっぽかった?)。
春植え球根ですがその性質によってエチオピカ系は底面給水で常に水を入れて管理するし、畑地用系は乾燥気味に管理するようにします。球根は霜が降りる前には堀上げ、乾燥させて室内で春まで貯蔵します。 |
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