第16回のテーマは、ハーブガーデンSTEP2



昨年のハーブガーデンSTEP1では、ハーブの歴史や利用、育て方などについてざっと学びましたね。 今回はもう少し具体的に、ハーブを楽しんでみましょう。いくつかのハーブの利用法と、育て方がわかりますよ。春も本番。今年はハーブに挑戦してみませんか?

用途や代表選手を選んで


庭からのハーブや野菜でランチを準備する。英国リンカンシャー
いくつかある用途や利用別に、代表的というか、使いやすいハーブを選んで注目してみました。
それぞれのハーブの特徴や効果とともに、具体的な例をあげて使い方を紹介し、その育て方を見てゆきます。
ハーブの数はものすごく多いので、今回はその中でも一般的で使いやすいものをあげてあります。 医薬的な利用は、専門的になりますから、避けましょう。生活に取り入れて楽しむことをテーマにしています。

1.料理:イタリアンの王様スイートバジル


古代には香水にも使われていたそうですが、清涼な香りと抗菌成分があり、病害虫を予防する働きもあるので、コンパニオンプランツとしても活躍します。虫に刺されたとき、生の葉を揉んで皮膚に当てると、痒み止めになるそうです。食欲を増進する作用もあって、トマトやニンニク、ナス、オリーブオイル、チーズとの相性も抜群ですから、イタリア料理にはトマトとともにこのバジルがかかせません。

●生で:バジルは生葉でも乾燥葉でも使えますが、生の葉をピザやパスタの仕上げに加えたりするほか、薄切りのパンにバターとマヨネーズを塗り、生のバジルの葉を挟んで食べても美味しいですよ。

●生のまま冷凍:枝ごと水を張ったボウルの中で洗い、一枚ずつ枝から葉をはずし、ペーパータオルで水気を切ったら、オリーブオイルを薄く塗り、冷凍用ビニール袋などに入れて袋の中の空気をしっかり出して口を閉じる。冷凍庫で保存。

●ビネガー漬け:清潔な瓶にフレッシュバジルを一掴みいれ、米酢と白ワイン(1:1)を注ぐだけ。1週間ぐらいでバジル味のビネガーが出来上がります。ダークオパールバジルなどを使うと、キレイな色が出ますよ。サラダドレッシングやマリネ、フリッターなどにご利用を。

●ジェノベーゼペースト(バジルソース):ジェノバ地方の代表的なソースなので、イタリアではペスト・ジェノベーゼ(ジェノベーゼペースト)などと呼ばれますが、茹であげたスパゲティなどに混ぜたのを召し上がった方も多いかもしれませんね。ここでは、旬のバジルをまとめて収穫したときに作りおきできる、ジェノベーゼペースト(バジルソース)の作り方を見てみましょう。保存がきき、様々な料理に使えますよ。

(1) スイートバジル80gは手摘みのものを手で小さくちぎる。松の大さじ2はフライパンで煎って冷ましておく。ニンニク片2、オリーブオイル100cc、塩小さじ1、(パルメザンチーズや赤とうがらし、こしょうはお好みで)
(2) ミキサーやフードプロセッサーでペースト状になるまで。(なければすり鉢)バジルは色が変わりやすいので、できるだけ短時間に作業する。
(3) 滅菌した瓶などにいれ、表面にオリーブオイルで油膜をつくると3週間ほど持つ。

●バジルの育て方:スイートバジル(コモンバジル)Ocimum basilicumはシソ科。高温性の植物で熱帯アジア原産です。原産地では多年草ですが、非耐寒性で、日本では一年草として扱っています。直播きなら5月頃、日当たり、水はけのよい肥沃な土を好みます。摘芯を繰り返し、花穂はできるだけ早くきり戻すと秋ごろまで長く収穫を続けることが出来ます。