この「レンガの積み方」は、コメリドットコムHowTo取材班がプロのアドバイスを受けながら自ら施工し、オリジナルの写真と文章でまとめたものです。
レンガは敷くだけでは面白くありません。
堂々とした洋風建築に代表されるように「積む」使い方こそレンガの醍醐味を味わえます。
アンティークな風合いが似合う花壇を作ってみましょう。
作業時間:4時間 作業人数:2人
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ここでは上のような花だんを造ります。
レンガはコメリドットコムで売っているものです。
敷きレンガ
記事で使用しているレンガは、ベルギーレンガ「赤茶」ですが、こちらは販売終了しました。
同じようにご使用いただけるレンガはベルギーレンガ ベゴニアとなります。
川砂
セメント用砂
…20kg x 3袋
路盤材
クサビ型の砕石
…20kg x 3袋
セメント
…25kg x 1袋
スコップ
クワ
ガーデニングとんとん
敷いた路盤材を
押し固める
水平機
水糸
タコ糸でもよい
樽
50リットルほどの
大きさ
レンガゴテ
バケツ
10リットルほどの
大きさ
メジャー
ワイヤーブラシ
または竹ブラシ
ナイロンブラシ
玄関の横に花壇を作りたいなぁ
まずは花壇を作る位置を決めます。
スコップなどでラインを引き、完成後の姿を想像しながら花壇の位置と大きさを決定しましょう。
溝を掘って準備
次に、敷く場合と同様に穴を掘ります。
今回の花壇では、レンガを積んだ上に大きな力は加わらないので「敷き」ほどしっかり掘る必要はありません。
この上に砂利(路盤材)を敷き、下地を作ります。
レンガを水に浸けておきます
大きなタライを用意しましょう。ここに水を入れ、レンガを沈めます。こうすることでレンガ内部の空気穴に水が浸透し、練ったセメントの水分の吸収を遅らせることができます。レンガはセメントを乗せたらすぐに水分を吸収し始めるので、こうしないとセメントが固まるのに必要な水分が吸い取られてしまい、硬化しなくなってしまうのです。
それほど長く水に浸ける必要はありません。沈めて泡が出なくなったらすぐ引き上げても大丈夫です(レンガ自体が乾燥している夏は泡がハッキリ見えやすい)。
まずは路盤材を敷いて・・・
掘った穴に路盤材を敷き詰めていきます。穴の幅はレンガの幅と同じだけ、深さは下図のようにして下さい。まずクワやスコップで穴を掘り、次にガーデニングトントン等で路面を平らに押し固めていきます。
3cmほど敷いて完成!
スコップで路盤材をすくい入れ(ここでは砂利ですが)、厚さ2~3cmで平らになるように敷いていきます。次にガーデニングトントンなどで押し固めます。
砂2~3:セメント1で混ぜます
続いて、「バサモル」を作ります。「積み」ではセメントの割合をやや多めにして
バサモル・・・砂:セメント=2~3:1
の割合にします。タフブネにセメントと砂を入れ、乾いた状態のままスコップで良く混ぜ合わせます。
練ったセメントをすくう
バケツにバサモルと水を入れ、練りセメントを作りましょう。
固さは 「耳たぶくらい」で。
セメントを塗っていくには「レンガゴテ」を使います。葉っぱ形の形状をしたコテは、底と側面の 角に残ったセメントをキレイにすくい取ることができるのです。1本で「混ぜ合わせ」と「すくい」、「塗り」ができる優れた道具と言えるでしょう。
少しずつコテにとります
数個分ずつセメントを塗って
1段目のレンガを置く場所に、すくったセメントを乗せていきます。セメントの厚さは1~2cm程度にしましょう。1段目に敷くレンガの枚数が多い時は、一気にセメントを乗せずにレンガ数個分ずつ乗せていきましょう。セメントの乾燥を防ぐことが出来ます。
1段目を敷いていきます
乗せたセメントの上にレンガを敷いていきます。レンガは水に浸けておいたものを使いましょう。路盤材、セメントを重ねた上に敷くと、下の図のように、1段目の頭が少し見えるくらいの高さになると思います。頭は2cmほど出すと良いでしょう。レンガ同士は完全にくっつけず、少しすき間を空けて並べます。すき間はタテの目地になります。
目地を埋めるのを忘れずに
セメントを少しすくって、レンガゴテで目地に流し込んでいきます。セメントが垂れたりして周りが汚れても、あまり気にしないで下さい。あとで拭き取ります。
レール状にセメントを乗せます
レンガ積みの大事なポイントの一つに「水平を保つ」ことがあります。せっかく積んでいても斜めになっていては美しく仕上がりません。
そこで、1段目を敷き終わったら横に水糸を張り、常に水平になっているかどうか確認しながら作業を進めるようにしましょう。できれば、小型の水平器などで一段ずつチェックして積み上げると、きれいな仕上がりになります。
トントンと叩いて軽く固定
2段目を積むには、1段目のレンガの上にセメントを乗せます。セメントを写真のようにすくって、そのままレンガの上にポテッと置くように乗せます。
置く位置は真ん中を空けて2本のレールを引くように。レンガを重ねた時に、脇からセメントがはみ出るくらいが適量です。真ん中に1本線を引くよりも、2本のレール上にした方が水平をとりやすくなり、安定感が増します。
積みは結構大変な作業なんです!
ここでもセメントを一気に乗せようとせず、レンガ2個分を目安にセメントを塗ります。特に春~夏はセメント中の水分が乾燥しやすいので要注意!
2段目は1段目のレンガの上に完全に重ねるのではなく、レンガ半個分だけずらして重ねましょう。こうすることで互い違いに重なる積み方ができます。
セメントが垂れても気にしないで
置いたセメントの上にレンガを積み重ねます。静かにレンガを置いた後は、ハンマーの柄の部分で叩いて押さえます。横の目地のすき間からセメントがはみ出してきますが、気にしない気にしない。
反ったレンガもセメントの目地がクッション代わりになることで、水平に積むことが出来ます。水糸を見ながら、水平を保つように心がけて積んでいきましょう。万が一、水平になっていない場合は、目地を厚くする(乗せるセメントの量を増やす)ことで調整できます。
カツッと半分に割ります
レンガを積み重ねていくと末端部分はレンガ半個分だけスペースが空きます。ここにはレンガを半分に割ったものを積みましょう。
今回はレンガを5段に積んで、最上段はすべて半分サイズのレンガを積んでみました。レンガと目地の風合いを生かして、中世ヨーロッパの城壁のような雰囲気を出しています。どうでしょうか・・・?
水平になっているか常にチェック
一番上は城壁風にしましょう
これだけはみ出たセメントでも
セメントが完全に固まらないうちに、竹ブラシかワイヤーブラシで目地からはみ出しているセメントをそぎ落します。反対にセメントが足りず穴が空いてしまっている目地は垂れているセメントをすくって埋めていきます。
ブラシでそぎ落します
次に、硬いナイロンブラシに水をつけて表面についているセメントを洗い落とします。セメントが左右に広がりレンガが白っぽくなりますが、乾けばよい風合いに変化します。どうしても気になる場合は、ジョウロを使って水を流しながら落とせばOK。
表面はナイロンブラシで磨いて整え
セメントが完全に固まるまで、2~3日かかります。その間はレンガが動かないように十分注意しましょう。また、強烈な直射日光が当たるところで施工した場合は、夜になるまでブルーシートなどをかけて急激な乾燥を防いで下さい。
水で洗い流せば完璧
どうです、この出来栄え
この喜びは本人しかわからない!