Fumikoの楽しいガーデニング

Lesson 5 剪定(せんてい)、切り戻し


Lesson 5−4:剪定の時期

剪定をする時期によっては、切り方を調整する必要があります。どんどん切っても良いか、またあまり切り過ぎないほうが良いかという判断をしなければなりません。花木のような庭木は一般的に、花後の剪定を強めに行い、花芽ができた後は整枝する程度とします。基本的な剪定を季節によって見てみましょう。

2〜3月の芽吹きまえは強剪定:
葉を落とした落葉樹は冬の間は休眠中なので太い枝を落としてもその後にあまり影響が出ません。またすぐに新芽が出てくるので失敗も目立ちにくいですし、切り跡が回復しやすい時期でもあります。ただ、寒さの厳しい地域では1〜2月は避けたほうがよい場合もあります。またモミジ、カエデ、ミズキ、ヤマボウシなど水あげの早い樹木は2月以降だと切り口から水が出て、木が弱ってしまいます。これらの植物は1月中に剪定を終わらせるほうがよいでしょう。この時期に春咲きの花木に剪定を行うと、花芽を減らしてしまうことになるので注意が必要です。
 
3〜6月(開花後)は春咲きの花木を剪定:
ウメ、モモ、モクレン、コブシ、クチナシ、ハナミズキ、アジサイ、ツツジなどは、花芽分化後に冬の低温期を越すことが開花条件になっているため、花後すぐに剪定し、あとの季節は込みすぎた枝などを間引く程度とします。さらに夏以後に整枝剪定するとよいでしょう。注意したいのは強く剪定して葉の数が減るぶん、栄養を作り出す力を補うために追肥が必要となることです。
 
7月下旬〜8月(夏)は梅雨明けを待って:
梅雨のころになると枝が伸びたり、込み合ったりしてうっとうしく感じますね。この頃に我慢できずに強剪定をすると、せっかくできた花芽を落とすことに。梅雨が明けるのを待ち、小枝を透かし剪定して風通しよくしてあげましょう。また大きくしたくない木の場合は、秋が来る前に枝を強めに切っておきます。
 
10〜12月(秋から冬にかけて)はお手入れの時期:
紅葉するものはこの時期でなく芽吹き前まで待ってから剪定します。この時期の落葉樹は冬に備えて養分を枝に移して太る時期でもあります。葉を落として枝ぶりがわかる状態ですから剪定するべき枝が良く見えますね。
常緑樹はこの時期に刈り込みや小透かしをしてあげましょう。マツ類の手入れも忘れずに。お正月を迎える準備と思って庭木を手入れします。


Lesson 5−5: 草花の剪定

草花も、花後に切り戻したり梅雨前に剪定してあげたりするとよく育ちます。たとえばラベンダーやローズマリーなどは、原産地にもよりますが夏の蒸れや暑さに弱いものが多いため、込み合ってる枝や、弱い枝を透かしてあげることで風通りがよくなります。切った枝は挿し木しておくとつきますよ。

たくさんある場合や花穂を刈り取ってクラフトなどに使う場合は花が咲いたら(本当はその時期のほうが株が弱らなくて良いのですが)、花を楽しんでからという方は花後(梅雨前のほうがよいですが)、花穂の下5cmくらいのところ辺りまで刈り込んでしまいます。透かし剪定も株元が込んでいるようなら行いましょう。


Lesson 5−6:剪定に必要な道具

目的に合った道具があると、無理のない作業ができるだけでなく、剪定が楽しくなりますよ。私の場合は、切り始めると散髪をしている気分になり、楽しすぎていつも切りすぎてしまうので気をつけています。どの道具も、使い終わった後は汚れを落としてきちんとしまいます。お手入れも剪定の作業のしめくくりとして大切ですね。

ああ
植木バサミ
ああ
剪定バサミ

ああ
剪定ノコギリ
(ピストル型、折込式など)

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刈り込みバサミ

ああ
熊手

ああ
高枝切りバサミ

他に
脚立、箕、竹箒、大きなバッグ(剪定枝や雑草、落葉を入れます)

良い剪定というのは、いかにも切ったという感じを残さない「自然な仕上がり」にすること。最近、JAG(日本ガーデンデザイナーズ協会)の理事でNHKなどでもおなじみの玉崎弘志さんが、『わが家の庭木を剪定する』という本を出されて、その中で具体的な剪定の方法などを詳しく述べていらっしゃいます。今回の記事を書くときの参考にもしています。ご興味のある方はお読みになってみてください。

玉崎弘志/『NHK趣味の園芸ガーデニング21 わが家の庭木を剪定する』/NHK出版
レッスン内容
Fumikoからのメッセージ
Lesson 1
ツール(道具)
Lesson 2
土のはなし
Lesson 3
水のはなし
Lesson 4
花柄つみと施肥について
Lesson 5
剪定、切り戻し
Lesson 6
雑草のはなし
Lesson 7
なめくじや病害虫と自然農薬
Lesson 8
元気な植物を育てる(コンパニオンプランティング)
Lesson 9
土中の水分とマルチング
Lesson 10
コンテナとハンギングバスケット
Lesson 11
スタイルとテーマ
Lesson 12
カラースキームと、植物の持つヒーリングパワー


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