
Introduction はじめに |
今回からスタートするこのシリーズは、コメリガーデンコンテストの審査員でもおなじみのスチュアートアクステルと秋元ふみ子が、「みんなもガーデンデザイナー」というテーマでお送りする、お庭のアイディア集です。
ガーデンデザインというと難しそうですが、ちょっとした決まりごとを守って、自分のセンスを生かすことで庭はぐっとよくなります。
部屋をコーディネートするとき、事前に計画を立てる、あの感じです。
庭を新たに造ったり、リフォームするときも同じ。
よいデザインの庭は芸術性の高い絵画と同じように、いつまで見ていても飽きがこないものです。
たとえそれがどんなに小さな庭だとしても、部屋の延長、つまり庭にあるもうひとつの部屋であることに変りはありません。
小さな庭こそ、デザインのし甲斐があるというものです。
イングリッシュガーデンというイメージは、庭にはたくさんの花や植物がなければいけないという印象を与えたかもしれません。
ですからついつい小さなスペースにいろいろなものを詰め込みがちです。
でも実は庭の中で植物が占める割合は一部でしかありませんね。
庭をつくるときには、家や周りの環境を踏まえ、自分のパーソナリティーやライフスタイルに合った庭を意識しながらデザインすることが一番大切なことだといえるでしょう。
想像力を発揮して、さまざまなデザインの要素を効果的に取り入れて、あなたならではのオリジナルな庭づくりをはじめましょう。
このシリーズではデザインの基本を少しずつお話させていただきながらその回ごとのテーマに沿った過去のコメリガーデニングコンテストの作品をご紹介させていただきます 。
さあ、あなたも今日からガーデンデザイナーです。ご一緒にガーデンを楽しみましょう! |
基本のデザインステップ
あなたの庭のサイズやスペースがどのくらいかに関わらず、同じようなデザインステップで計画を立てることができます。
とはいえ庭はあなたのパーソナリティーを反映するものです。
ですから基本的なルールや原則を守ったとしても、2つと同じ庭にはならないでしょう。
その意味においては、自分のパーソナリティーを知るというのが実際には一番大切なことなのかもしれませんね。
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「ガーデンデザイナーのお仕事紹介」で
取り上げた広島のフロントガーデン施工
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1. |
ほしいものをリストアップ
あなたの庭の主な機能や目的はなんでしょうか?又何人くらいの人が使う庭ですか?デッキやパティオ、またはプライバシーは必要でしょうか?ガーデニングは好きですか?構造部分にはどんな素材を使いたいと思いますか?そういった庭に対する希望やニーズをリストアップしましょう。
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2. |
庭の情報(現在の状態)を集める
庭に高低差があるでしょうか? または移動できない大きな構造物や石、マンホールカバーなどがありますか?どのくらいの日照があるでしょうか?土壌はどんな状態でしょうか?
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3. |
ゾーニング計画
庭の簡単なアウトラインを、定規を使って描いてみます。動かせない構造物やマンホールの位置なども書き込んでください。それから用途別にいくつかのゾーンに分けていきます。
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4. |
構造部分の詳細を計画
施工の必要な構造部分を書き込んだ図面を描いてみます。スケールはおよそ1:100か1:50程度が一般的です。材料に関する情報も書き入れましょう。
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5. |
植栽計画
ストラクチャーのプランができたら、楽しい植栽のデザイン! ゾーニングで植栽のエリアを決めたら、そこをどんな雰囲気の庭にするのかというテーマを考えて、それに沿った植物選びをしてゆきます。常緑樹や落葉樹、潅木、そして草花はそれぞれの原産地や育った環境によっていろいろな特性がありますね。その特性と、植える場所が適しているかということを考えながらデザインしてみましょう。咲く花の時期やその色なども同時に考えます。お好きな色があれば、その色のグラデーションにすると品よくまとまりますが、コントラストをつけたいときは反対色を少し入れると面白いものになります。この部分は百人百様。ご自分の庭をおつくりになればいいのです。そのときに、植物の立場に立って、住みやすい環境を提供するということだけを注意していただければ、植物たちはその美しい姿でその愛に応えてくれますよ。 |
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良い庭を造るための大切な要素
スタイル、形
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置物、像
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植物
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水
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時間
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材料、素材
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ベーシックな原則
統一感:
家と庭がひとつのかたまりとして同じスキームで考慮されていること
機能:
生活に必要な機能とともに、楽しみやもてなし、また装飾的な機能を持たせること
シンプルさ:
レイアウトを成功させるとき審美的でしかも経済的なのがこれ。シンプルにまとめること
スケール:
構造物やアクセサリーなどがバランスの取れたスケールやサイズであること |
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